(読み)チョウ

デジタル大辞泉 「丁」の意味・読み・例文・類語

ちょう【丁】[漢字項目]

[音]チョウチャウ)(呉) テイ(漢) [訓]ひのと
学習漢字]3年
チョウ
偶数。「丁半
とじた紙の一葉。「丁数落丁乱丁
物が打ち当たる音を表す語。「丁丁発止
〈テイ〉
十干の第四。ひのと。「丁酉ていゆう
順位で、第四位。「丁夜
成年の男子。「丁年壮丁
人に使われて働く男。「園丁使丁廷丁馬丁
「丁」の形。「丁字形丁字路
ねんごろ。「丁重丁寧
[名のり]あつ・つよし・のり
[難読]丁髷ちょんまげ丁幾チンキ丁稚でっち丁抹デンマーク拉丁ラテン

ちょう〔チヤウ〕【丁】

[名]
2で割り切れる数。偶数。特に、さいころの目の偶数。「か半か」⇔
市街地を分けたもの。町。「銀座八」→丁目
ちょう2」に同じ。「頂上まで五
てい(丁)3
ちょうど。まさに。
「わしは戌で―六十」〈浄・鑓の権三
[接尾]助数詞
和装本の裏表2ページをひとまとめにして、それを数えるのに用いる。枚。葉。「五の草子」
豆腐を数えるのに用いる。
料理飲食物一人前を単位として数えるのに用いる。「天丼てんどん
相撲・将棋などで、勝負の取組・手合わせなどの回数を数えるのに用いる。番。
ちょう

てい【丁】

十干の第四。ひのと。
成績や等級・順位などの第四位を表す語。「甲・乙・丙・
律令制で、調雑徭ぞうようの賦課対象となる21歳から60歳までの男子。正丁せいてい

よほろ【丁】

《「よほろ」と同語源。「よぼろ」とも》古代、公用に徴発されて使役された人民。律令制では正丁せいていがこれにあてられる。

ひ‐の‐と【丁】

《「火の」の意》十干の4番目。てい。

てい【丁】[漢字項目]

ちょう

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精選版 日本国語大辞典 「丁」の意味・読み・例文・類語

ちょうチャウ【丁】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 令制で、成人男子のこと。二一歳から六〇歳までの男子。てい。→丁(てい)
    2. ( 「長」とも書く ) 偶数。特に采の目の偶数をいう。半の対。→調(ちょう)。〔六物図抄(1508)〕
    3. ( 「長」とも書く ) ちょうど…の意を表わす。しばしば、漢語数詞の上に付き、接頭語のように用いる。
      1. [初出の実例]「かだましいうでこきの英雄ちゃうほむるやうでそしったぞ」(出典:玉塵抄(1563)二)
    4. ( 「長」とも書く ) 「ちょうせん(丁銭)」「ちょうひゃく(丁百)」の略。
      1. [初出の実例]「『いくらだね』『ハイハイ九百長(テウ)五十でござります』」(出典:滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)三)
    5. ちょう(町)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙
    1. 書物、特に、和装本の裏表二ページをひとまとまりとして数えるのに用いる。枚。葉。
      1. [初出の実例]「今日伊勢物語立筆、十余丁書之」(出典:実隆公記‐大永七年(1527)六月五日)
    2. 豆腐を数えるのに用いる。
      1. [初出の実例]「豆腐といふ物一丁出て」(出典:俳諧・本朝文選(1706)九・弁類・豆腐弁〈許六〉)
    3. 料理・飲食物の一人前を単位として数えるのに用いる。
    4. 相撲・将棋など、勝負の取組・手合わせなどの回数を数えるのに用いる。番。
    5. 乗り物の駕輿(がよ)を数えるのに用いる。
      1. [初出の実例]「このまいを申せしとき、いぬゐのざしきに、こしが三ちゃうたったりしが」(出典:説経節・説経しんとく丸(1648)上)

てい【丁】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 十干(じっかん)の第四番目。ひのと。また、事物を分ける時、甲乙丙についで四番目にあたるものを表わすのにも用いられる。
    1. [初出の実例]「丁 ヒノト テイ 強圉(キャウギョ)」(出典:元和本下学集(1617))
    2. [その他の文献]〔爾雅‐釈天〕
  3. 強いこと。さかんなこと。さかん。〔史記‐律書〕
  4. 令制で、二一歳から六〇歳までの男子をいう。男子で庸・調・雑徭の力役を課される年齢の者。天平宝字元年(七五七)に下限を二二歳に引上げ、翌二年老丁の下限を六〇歳に引下げたので、丁の範囲は二年短縮された。ちょう。→正丁(せいてい)
    1. [初出の実例]「凡男女三歳以下為黄。〈略〉其男廿一為丁」(出典:令義解(718)戸)
    2. [その他の文献]〔唐六典‐戸部・黒正〕
  5. 令制で、女を表わす語の上に付いて二一歳から六〇歳までの女子を示す。ただし、女子には力役を負担する義務がなかった。
    1. [初出の実例]「女建部伊母豆売、年弐拾伍歳、丁女。〈略〉婦己西部哿麻売、年肆拾歳、丁妻」(出典:正倉院文書‐大宝二年(702)筑前国嶋郡川辺里戸籍)
  6. ( 接尾語的に用いて ) 令制で、課役の対象となる男子であることを示す語。正丁・残丁・次丁の類。

ひ‐の‐と【丁】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「火の弟(おと)」の意 ) 十干(じっかん)の第四番目。五行説によって五行の火に十干の丁(てい)を配したもの。てい。
    1. [初出の実例]「ひのと 夕されば逢見るべきを春の日の疾暮ぬこそ侘しかりけれ」(出典:歌仙本兼輔集(933頃))

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普及版 字通 「丁」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 2画

[字音] テイ・チョウ(チャウ)・トウ(タウ)
[字訓] くぎ・ひのと・あたる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
釘の頭。その頭を平面形の口で示すことがあり、卜文・金文はその字形であった。〔説文〕十四下に「夏時、物皆丁實す。象形」とする。「丁實」は丁壮の意であろう。また「丁はを承く。人心に象る」とするが、心の象形は心であり、丁はその形でない。〔爾雅、釈魚〕に「魚枕、之れを丁と謂ふ」とする。魚腸を乙、魚尾を丙とするのと一類の説である。十干の第四に用いる。

[訓義]
1. くぎ、釘の初文。
2. ひのと、丙丁は五行では火。丙をひのえ、丁をひのとという。
3. あたる、当と通用する。
4. さかん、つよい。
5. わかもの、丁壮、公役に供する人、人口、召使い

[古辞書の訓]
名義抄〕丁 ヒノト・アツ・アタル・サカユ・サカリ・ヲトコ・イホノカシラノホネ 〔字鏡〕丁 イホノカシラノホネ・ヨヲロ・カセ・カムカフ・カタキ・アツ・アタル・ヨシ・サカユ・ウツ・カセキ

[部首]
〔説文〕に部首一字、〔玉〕には汀の異文一字を加える。丁の初文であるが、〔説文〕十四上に「釘(てい)は(れんぺい)の金なり」とあって、金の板とする。その形は丁に似ており、釘頭の鋳塊であったのであろう。

[声系]
〔説文〕に丁声として・訂・亭・・頂・汀・町・釘および(成)など十二字を録する。は戉(えつ)(鉞(まさかり))に綏飾(すいしよく)を加えて器の成るを祝い、その呪飾とする意で、丁形はその綏飾であり、丁声の字ではない。他はおおむね丁の声義を承ける。頂は釘頭を人頂の意に及ぼしたものである。

[語系]
丁・頂tyengは同声。また巓tyen、天thyen、定dyeng、題dyeはみな声近く、山の巓頂(てんちよう)、顔の題額(ひたい)の部分をいう語である。當(当)tang、貞tiengは「あたる」とよむ字。その打つ音を丁丁という。丁丁は擬声語である。

[熟語]
・丁役・丁艱・丁彊・丁口・丁香・丁黄・丁妻・丁冊丁算・丁子・丁字・丁実・丁女・丁税・丁籍・丁銭・丁壮丁属・丁稚・丁中・丁冬・丁東・丁倒・丁当・丁寧・丁年・丁夫・丁賦・丁部・丁夜・丁憂・丁老・丁丁
[下接語]
役丁・園丁・戸丁・甲丁・獄丁・識丁・初丁・正丁・成丁・征丁・租丁・壮丁・男丁・馬丁・白丁・発丁・符丁・募丁・民丁・輸丁・輿丁・落丁・伶丁・零丁

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図書館情報学用語辞典 第5版 「丁」の解説

(1)和装本の二つ折りされた1枚の紙葉で,表裏2ページ分にあたる.丁数は各葉の折り目に記されている.張ともいう.枚と同義で使われることもある.(2)洋装本の基本的な構成単位である折丁のこと.

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「丁」の解説


てい

「ちょう」とも。律令制の年齢区分の一つ。男女の21~60歳の者を丁(正丁・丁女)と称する。籍帳に記載された例では,丁男・正女という表現もある。また丁には仕える者,課役負担者といった意味があり,数々の複合語で用いられている。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

占い用語集 「丁」の解説

十干の一つ。五行の火行のうち、陰の火をあらわす。自然界では、きらめく焚き火やロウソクの火に例えられる。暗いところで、そばにいる人を暖めるという性質がある。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「丁」の解説

本の表と裏のページを合わせた2ページ分、紙1枚のこと。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【丁半】より

…さいころ2個を使ってする賭博。丁半賭博ともいう。丁とは偶数,半とは奇数のことである。…

【町割】より

…この敷地割が中世になるとくずれ,一つの街区が四つの面からなる四面町に移行する。やがてそれぞれの面が独立性を強めた丁(ちよう)と呼ばれるようになり,中世末にはさらに,縦横の街路をはさんで両側の丁で一つの町を構成し,両側町(りようがわちよう)が全面的に成立するようになる。中世京都におけるこの変遷は,都市の実際の居住者である商工業者たちが,実力で自分たちの活動に都合のよい,両側町という町割に作り変えたとみなすことができる(図1,図2)。…

※「丁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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