(読み)ハン

デジタル大辞泉 「半」の意味・読み・例文・類語

はん【半】[漢字項目]

[音]ハン(呉)(漢) [訓]なかば
学習漢字]2年
二つに分けた片方。全体の二分の一。「半額半径半減半身半日半半半分一半過半折半前半大半
まだ全体に行き渡らない。中途。「半旗半熟半可通夜半やはん
奇数。「丁半
(文字分析から)八十一歳。「半寿
[名のり]なか
難読半銭きなか半蔀はじとみ半被はっぴ半靴ほうか夜半よわ

はん【半】

半分。半分の数量。2分の1。「一個」「一メートル
正時から30分過ぎた時。「六時
2で割り切れない数。奇数。「ちょうか」⇔
田畑面積単位太閤検地以前は180歩、以後は150歩。
名詞の上に付いて、なかば、または、ほとんどその状態であることなどの意を表す。「植民地」「狂乱」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「半」の意味・読み・例文・類語

はん【半】

  1. 〘 名詞 〙
  2. なかば。二つに分けた一つ。
    1. [初出の実例]「御すはんにあけらる」(出典:とはずがたり(14C前)三)
    2. 「我悲みを半(ハン)にす」(出典:春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉壱円紙幣の履歴ばなし)
    3. [その他の文献]〔易経‐繋辞下〕
  3. 刻または時間の二分の一をいう。「二つ半」「午前六時半」など。
    1. [初出の実例]「ヒトトキ fan(ハン)」(出典:羅葡日辞書(1595))
  4. 二で割りきれない数。奇数。丁(ちょう)の対。「丁か半か」
    1. [初出の実例]「矢数てうにささば、鞭を一筋指そゆる也。若又矢数半ならば、べちに指べき也」(出典:今川大双紙(15C前)上指をさす次第之事)
  5. 田の面積をいう。一段の半分。太閤検地以前は、一八〇歩、それ以後は一五〇歩をいう。
    1. [初出の実例]「六十歩と云は足数六十也、小と云は二六十歩也、半と云は三六十歩也 大と云は四六十歩也」(出典:大賀村検注取帳副日記‐応永一一年(1404)一一月二五日(古事類苑・政治七二))
  6. ( 「はんかつう(半可通)」の略 ) 半粋のこと。近世の美意識で、野暮より以下とされた。
    1. [初出の実例]「わるうすいになりて、夫にりんきせずに居る女あり。是は半といふものにして」(出典:随筆・独寝(1724頃)下)

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普及版 字通 「半」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

(旧字)
5画

[字音] ハン
[字訓] わかつ・なかば

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
半体の肉の形。上部の(八)は両分する意。〔説文〕二上に「物、中するなり」とし、「に從ひ、牛に從ふ。牛の物爲(た)る、大なり。以てつべきなり」と、牛を両分する意とする。〔周礼、天官、人〕は脯(ほせき)胖(ぶはん)を掌る。胖とは夾脊肉、胖はその片身。のち牲肉に限らず、すべてものを両半にしたものを半という。

[訓義]
1. わかつ、かたはし、きれ。二分して、その一半をいう。
2. なかば、半分、中途。

[古辞書の訓]
名義抄 ナカバ・ホドコス・ハシタ

[部首]
〔説文〕に胖・の二字をその部に属する。胖はの形声字で胖肉、の初文は反。は声近く、分離の意を以て加えたものであろう。

[声系]
〔説文〕に声として胖・(判)・(伴)・・絆・(畔)など九字を加える。おおむねの声義を承ける字である。について〔説文〕に反声とする。逆の意には古くは反を用いた。

[語系]
puan、(分)piunは声近く、分肉をという。・胖・phuanは、の声義をとる字。別biat、辨(弁)bianも同系の語。頭音にp,ph,bをとるのは、もと裂けるときの擬声音であったのであろう。

[熟語]
半陰・半煙・半円・半園・半価・半解・半開・半額・半・半規・半旗・半偽・半疑・半弓・半釣・半空・半頃・半景・半月・半箇・半更・半江・半・半谷・半刻・半墾・半載・半・半散・半死・半紙・半子・半字半時・半辞・半日・半樹・半舟・半熟・半春・半床・半宵・半牀・半霄・半城・半身・半信・半酔・半睡・半生・半世・半晴・半醒・半截・半窓・半直・半天・半点・半塗・半途・半榻・半道・半年・半把・半白・半帆・半臂・半百・半幅・半腹・半分・半璧・半面・半夜・半嶺・半路
[下接語]
一半・下半・過半・割半・居半・強半・月半・減半・後半・参半・折半・前半・多半・大半・倍半・夜半・余半

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【丁半】より

…さいころ2個を使ってする賭博。丁半賭博ともいう。丁とは偶数,半とは奇数のことである。…

※「半」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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