(読み)ジュウ

デジタル大辞泉 「従」の意味・読み・例文・類語

じゅう【従〔從〕】[漢字項目]

[音]ジュウ(慣) ショウ(漢) ジュ(呉) [訓]したがう したがえる より
学習漢字]6年
〈ジュウ〉
後について行く。つきしたがう。「従軍従者侍従臣従随従追従
つきしたがう者。また、中心的なものに対する付属的な地位。「従犯主従
逆らわず言うなりになる。したがう。「従順従属屈従三従忍従服従面従盲従
事にたずさわる。「従事従業員専従
親族の名称に付けて、それより親等が遠いことを表す。「従孫従弟従姉妹従祖父
ある時を起点としてそれから。「従前従来
〈ショウ〉
つきしたがう。「扈従こしょう追従
たて。「合従がっしょう
ゆったりする。「従容
〈ジュ〉主たる官位に次ぐもの。「従三位じゅさんみ
[名のり]しげ・つぐ
[難読]従兄いとこ従弟いとこ従姉いとこ従妹いとこ従兄弟いとこ従姉妹いとこ

じゅ【従】

位階上下に分けたもののうち、下の階級の称。「五位」⇔しょう

ひろい【従】

[接頭]《「ひろ(広)き」の音変化》同じ位階のうち、低いほうであることを示す。正位を「おおい」というのに対する。「従八位」を「ひろいやつのくらい」とよむ類。

しょう【従/縦】[漢字項目]

〈従〉⇒じゅう
〈縦〉⇒じゅう

じゅう【従】

中心に対して、付属的なもの。「内容が主で形式はだ」⇔

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「従」の意味・読み・例文・類語

じゅう【従】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 主となるものに付属すること。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「他人の作品を鑑賞しようとすることは従であり」(出典:俳句の世界(1954)〈山本健吉〉一)
  3. 主人に仕える人。従者。家来。
    1. [初出の実例]「余最前之従、廿五年積奉公」(出典:玉葉和歌集‐治承四年(1180)七月一二日)
    2. [その他の文献]〔書経‐冏命〕
  4. 律で、従犯の者をいう。
    1. [初出の実例]「不累減若従坐減、自首減、故失減、公坐相承減者、又以議請減之類、得累減」(出典:律(718)名例)
    2. [その他の文献]〔唐律疏議〕
  5. じゅ(従)
    1. [初出の実例]「東山と謂ふ従(ジウ)三位(み)子爵であるのを思ひ出す」(出典:恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉八)

じゅ【従】

  1. 〘 名詞 〙 同じ位階を上・下の二等級に分けた、その下の等級。「従一位」など。
    1. [初出の実例]「右大臣従二位阿倍朝臣御主人」(出典:続日本紀‐大宝元年(701)三月壬寅)

ひろい【従】

  1. 〘 接頭語 〙 位階を表わす名詞の上に付いて、その位の低い方であることを表わす。「大(おおい)」に対する語。また、同位階の下位であることをも表わす。〔二十巻本和名抄(934頃)〕

ひろき【従】

  1. 〘 接頭語 〙ひろい(従)

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普及版 字通 「従」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)從
人名用漢字 11画

[字音] ジュウ・ショウ
[字訓] したがう

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
旧字は從に作り、从(じゆう)声。从は二人前後する形で、從の初文。〔説文〕八上に「从は相ひ聽くなり。二人に從ふ」とし、聴従聴許の意とし、また次条の從字条に「隨行するなり。(ちやく)从に從ふ。从は亦聲なり」とするが、卜文・金文に从に作り、從はその繁文。服従・従事の意に用いる。

[訓義]
1. したがう、後にしたがう、つく、よりそう。
2. すなお、ききいれる、ゆるす、まもる。
3. ことにしたがう、しごとをする、あつかう。
4. あとをおう、せめる。
5. 縦と通じ、たて、ほしいまま、はなつ。
6. 自と通じ、より、から。
7. ゆるやか、ゆったり、従容。

[古辞書の訓]
名義抄〕從 シタガフ・ヨリ・ユルス・ヲフ・ホシイママ・ソヒク・ウツス・ヨル・キタル・ツカフ・コノムトモナシ・トモ・アレイツ/衡從 ヨコシ(サ)マ・タタシマ・タタサ〔字鏡集〕從 ウツス・ヲフ・ツヒニ・ユルス・シタガフ・ツカフ・キタル・ホシママ・アヒヒク・カサナル・コトムナシ・ユク・ヨリ・アシクツ・ソヒク・ヨル・コノム・ソビユ・アヒキク・コトンナシ・シヅカニユク

[部首]
〔説文〕に从を部首とし、從・の二字、〔玉〕にその異文を属する。

[声系]
〔説文〕に從声として樅・慫・縱(縦)など十字を収める。慫は慫慂(しようよう)、むりにすすめて従わせる意である。

[語系]
從・从dziongは同声。从は從の初文である。蹤・縱tziong、慫siongは、みな從の声義を承ける字で、一系の語である。

[熟語]
従意・従衛・従翁・従横従駕・従学従扞従諫従騎・従姫従禽・従軍・従兄・従遣・従行・従佐・従坐・従死・従士・従子・従祀・従事・従車・従者・従酒・従衆・従戎・従順・従初・従食・従心従臣・従声・従征・従前・従属・従俗・従卒従徴・従聴・従天・従奴・従納従婢従蹕・従服・従従臾・従游・従来従吏・従理・従流・従良・従逸従恣・従親・従迹・従跡・従説・従約・従容・従欲
[下接語]
雲従・景従・合従・騎従・曲従・屈従・従・三従・侍従・主従・臣従・随従・専従・聴従・追従・適従・忍従・陪従・牝従・賓従・風従・服従・僕従・面従・盲従・類従・郎従

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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