普及版 字通 「従」の読み・字形・画数・意味
従
常用漢字 10画
(旧字)從
人名用漢字 11画
[字訓] したがう
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 形声
旧字は從に作り、从(じゆう)声。从は二人前後する形で、從の初文。〔説文〕八上に「从は相ひ聽くなり。二人に從ふ」とし、聴従・聴許の意とし、また次条の從字条に「隨行するなり。(ちやく)从に從ふ。从は亦聲なり」とするが、卜文・金文に从に作り、從はその繁文。服従・従事の意に用いる。
[訓義]
1. したがう、後にしたがう、つく、よりそう。
2. すなお、ききいれる、ゆるす、まもる。
3. ことにしたがう、しごとをする、あつかう。
4. あとをおう、せめる。
5. 縦と通じ、たて、ほしいまま、はなつ。
6. 自と通じ、より、から。
7. ゆるやか、ゆったり、従容。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕從 シタガフ・ヨリ・ユルス・ヲフ・ホシイママ・ソヒク・ウツス・ヨル・キタル・ツカフ・コノムトモナシ・トモ・アレイツ/衡從 ヨコシ(サ)マ・タタシマ・タタサ〔字鏡集〕從 ウツス・ヲフ・ツヒニ・ユルス・シタガフ・ツカフ・キタル・ホシママ・アヒヒク・カサナル・コトムナシ・ユク・ヨリ・アシクツ・ソヒク・ヨル・コノム・ソビユ・アヒキク・コトンナシ・シヅカニユク
[部首]
〔説文〕に从を部首とし、從・の二字、〔玉〕にその異文を属する。
[声系]
〔説文〕に從声として樅・慫・縱(縦)など十字を収める。慫は慫慂(しようよう)、むりにすすめて従わせる意である。
[語系]
從・从dziongは同声。从は從の初文である。蹤・縱tziong、慫siongは、みな從の声義を承ける字で、一系の語である。
[熟語]
従意▶・従衛▶・従翁▶・従横▶・従駕▶・従学▶・従扞▶・従諫▶・従騎▶・従姫▶・従禽▶・従軍▶・従兄▶・従遣▶・従行▶・従佐▶・従坐▶・従死▶・従士▶・従子▶・従祀▶・従事▶・従車▶・従者▶・従酒▶・従衆▶・従戎▶・従順▶・従初▶・従食▶・従心▶・従臣▶・従声▶・従征▶・従前▶・従属▶・従俗▶・従卒▶・従徴▶・従聴▶・従天▶・従奴▶・従納▶・従婢▶・従蹕▶・従服▶・従▶・従臾▶・従游▶・従来▶・従吏▶・従理▶・従流▶・従良▶・従逸▶・従恣▶・従親▶・従迹▶・従跡▶・従説▶・従約▶・従容▶・従欲▶
[下接語]
雲従・景従・合従・騎従・曲従・屈従・従・三従・侍従・主従・臣従・随従・専従・聴従・追従・適従・忍従・陪従・牝従・賓従・風従・服従・僕従・面従・盲従・類従・郎従
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報