精選版 日本国語大辞典「高高」の解説
たか‐だか【高高】
[1] 〘形動〙 (古くは「たかたか」) つまさき立ち、背のびするようにして心待ちにするさま。ひどく待ちこがれるさま。
※万葉(8C後)四・七五八「白雲のたなびく山の高々(たかたか)に吾が思ふ妹を見むよしもがも」
[2] 〘副〙
① (多く「と」を伴って用いる) 目立って高いさま。非常に高いさま。
※今昔(1120頃か)一九「僧、男の昇る後(しりへ)に昇るに、すずろに高々と被昇る」
※星座(1922)〈有島武郎〉「その建物は高々と聳えてゐる」
② (多く「と」を伴って用いる) 声大きくいうさま。声が高くすみとおって、遠くまで聞こえるさま。
※夜の寝覚(1045‐68頃)二「たかだかとうち笑ひうち笑ひし給ふにほひ」
③ 十分に見積もっても、たいしたことではない、という話者の気持を表わす。せいぜい。
※浮世草子・傾城禁短気(1711)六「高高(タカダカ)で銀壱両、五匁迄ではござるまい」
※春泥(1928)〈久保田万太郎〉向島「たかだか来て四五十人のつもりだったから」
[3] 〘名〙 かなりの額。数量の多いこと。
※東寺百合文書‐に・永享年中(1421‐49)九月一日・則宗書状「彼代官申候は、東寺へ中西方より
足借申、未高々の未進もある事にて候間、何と承候共渡申候なと申下候間」

こう‐こう カウカウ【高高】
〘形動タリ〙 非常に高いさま。たかだかとしているさま。
※地蔵菩薩霊験記(16C後)三「玉の石畳金の欄干ありて高々たる山門見へたり」 〔詩経‐周頌・敬之〕
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