童(漢字)

普及版 字通 「童(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)
12画

[字音] ドウ
[字訓] しもべ・わらべ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
金文字形は東((ふくろ))に従い、東(とう)声。のち重に従う字形があり、重(じゅう)声。里はその省略形。上部の立の部分は、古くは辛と目とに従い、目の上に入墨する意で、受刑者をいう。(どう)の初文。〔説文三上に「男の(つみ)るを奴と曰ふ。奴をと曰ひ、女を妾と曰ふ」とし、字は(けん)に従って重の省声であるという。結髪を許されず、それで童髪のものをという。童幼の義はのちの転義。金文の〔毛公鼎〕に「死(をさ)めてせしむること毋(なか)れ」とあり、動の意に用いる。童謡もと童僕の徒の労働の歌。〔左伝〕や〔史記〕〔漢書〕にみえる童謡は、服役者が労働のときに歌ったもので、これを歌占(うたうら)として用いることがあった。わが国の〔天智紀〕などにみえる童謡も、その類のものである。は農奴的な身分のものをいう。

[訓義]
1. しもべ、刑余の者、奴隷。
2. 髪を結びあげないもの、わらべ、わらわ、幼童。
3. 山に草がない、はげ山、はげる、牛羊の角なきもの。
4. おさない、おろか、くらい。

[古辞書の訓]
和名抄 和良波(わらは) 〔名義抄 ワラハ・カブロ

[声系]
〔説文〕に声として(鐘)など十三字を収める。動を〔説文〕に重声とするが、もとに従い、動とは耕作に従うものをいう。また衝(しよう)を声とするが、もと重に従う字。と重に従う字形には、ときに互易するものがある。語彙字条参照。

[熟語]
童歌・童・童・童・童観・童冠・童顔・童牛・童童昏・童山・童子・童児童孺童豎・童女童心・童童然・童男童稚童穉・童貞・童土・童奴・童童・童年・童馬・童髪・童僕・童牧童昧・童・童幼童容・童謡童粱童伶童隷
[下接語]
河童・歌童・怪童・童・学童・丱童・頑童・奇童・牛童・狂童・奚童・狡童・黄童・山童・児童・孺童・女童・小童・樵童・神童童・成童・聖童・仙童・村童・牧童・遊童・幼童・妖童

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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