日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
アミン(Idi Dada Amin)
あみん
Idi Dada Amin
(1923/1928―2003)
ウガンダの軍人、政治家。北西部の西ナイル・アルアに生まれる。生年については諸説あり明確ではない。1946年キングス・アフリカン・ライフルズ第四部隊に入隊、1961年陸軍中尉に昇進した。ウガンダ独立(1962)後、大佐(1964)、総司令官(1968)に昇進したが、コンゴ反乱軍への援助に連座し左遷された。1971年1月大統領オボテの外遊中にクーデターを起こし成功。経済面でのウガンダ化政策をとり、同国経済を支配する5万人のインド人を追放した(1972)。また、反対派の大量殺戮(さつりく)を行うなど独裁者となった。1976年終身大統領に就任。1978年10月隣国タンザニアに侵攻したが、タンザニア軍と国内の反対派「ウガンダ国民解放戦線」の反抗によって敗れ、1979年サウジアラビアに亡命した。1998年北部ウガンダに武器を密輸しようとし発覚、サウジアラビア政府はアミンをメッカに軟禁した。2003年サウジアラビアのジッダにて死去。
[林 晃史]
『ヘンリー・キエンバ著、青木栄一訳『大虐殺――アミンの恐るべき素顔』(1977・二見書房)』▽『エーリッヒ・ヴィーデマン著、芳仲和夫訳『アミン大統領』(1977・朝日イブニングニュース社)』▽『ダン・ウッディング、レイ・バーネット著、島田礼子訳『独裁者アミン――ウガンダの大虐殺』(1981・いのちのことば社)』▽『Martin JamisonIdi Amin and Uganda ; an annotated bibliography(1992, Greenwood Press, Westport,Conn.)』