(読み)セン

デジタル大辞泉 「仙」の意味・読み・例文・類語

せん【仙】[漢字項目]

常用漢字] [音]セン(呉)(漢)
山中で修行して不老不死の術を修めた人。「仙境仙骨仙術仙女せんにょ・せんじょ仙人神仙謫仙たくせん登仙
世俗にとらわれない人。非凡な才能を持つ人。「歌仙詩仙酒仙
[補説]「僊」は本字
[名のり]のり・ひさ
難読仙人掌サボテン

セント(cent)

米国カナダオーストラリアなどの補助通貨単位。1セントは1ドルの100分の1。
EU欧州連合)の単一通貨ユーロの補助通貨単位。1セントは1ユーロの100分の1。ユーロセント
音程の計測単位で、十二音音階における半音の100分の1の音程。
[補説]12は「仙」とも書く。

せん【仙】

仙人。
天上の―の暫くこの世にくだりて」〈鴎外訳・即興詩人
仙人の術。仙術。
「―を求むる志ありて葛城山に住む」〈三宝絵・中〉
仙人の住む所。
「只王質が―より出でて七世の孫に会ひ」〈太平記一八

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精選版 日本国語大辞典 「仙」の意味・読み・例文・類語

せん【仙】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 山中にはいって不老不死の法を修め、神変自在の術を得たという想像上の人。仙人。神仙。
    1. [初出の実例]「遙に仙の有るを見て其の前に集り居ぬ」(出典:観智院本三宝絵(984)上)
    2. [その他の文献]〔釈名‐釈長幼〕
  3. 仙人になる方法。また、その術。仙術。
    1. [初出の実例]「仙をもとむる志ありて葛木山にすむ」(出典:観智院本三宝絵(984)中)
    2. 「仙の法皆尽て其験なし」(出典:太平記(14C後)三七)
  4. ( [梵語] ṛṣi の訳語 ) 仏語。さとりを得たもので神変自在の能力を備えたもの。梵行をおさめ法力ある人格行者・声聞・辟支仏菩薩なども仙ということがあり、仏を大仙ともいう。仙人。〔般若燈論釈‐一五〕
  5. 仙人の住む地。仙人が修行する所。
    1. [初出の実例]「浦島の子がつりたる亀女となりて仙にのぼれり」(出典:愚管抄(1220)一)
  6. 才芸にひいでた人。また、世間ばなれした人。高尚な人。
    1. [初出の実例]「人間としては寧ろ仙に近づける方だらう」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉二)
    2. [その他の文献]〔杜甫‐飲中八仙歌〕

セント【仙】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] cent )
  2. アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリアなどの貨幣単位。また、一セント銅貨。一セントは一ドルの一〇〇分の一。
    1. [初出の実例]「市街に雇車あり、一人前六セントの価にて、数人乗り合せ」(出典:航米日録(1860)五)
  3. オランダの旧貨幣単位の一〇〇分の一。また、その貨幣。
    1. [初出の実例]「三十四・二十とする者は、和蘭の三十四元(ギュルデン)二十仙(セント)に当ると云へる意なり」(出典:万国政表(1860)序)
  4. 欧州連合(EU)の補助通貨単位。一ユーロの一〇〇分の一。ユーロ‐セント。→ユーロ

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普及版 字通 「仙」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

(異体字)
13画

[字音] セン
[字訓] やまびと

[説文解字]

[字形] 形声
声符は山(さん)。正字はに作り、(せん)声。は死者を輿(こし)にして他に遷す形。〔釈名、釈長幼〕に「老いて死せざるを仙と曰ふ。仙はなり。りて山に入るなり」といい、山に入って仙となる意とするが、仙は後起の字。とはもと死者を殯葬の板屋に移し、その風化を待って、遷して葬るもので、の上部は、その髑髏(どくろ)の状、下は坐する形。(きよう)は輿に載せて遷す意である。

[訓義]
1. やまびと、仙道を修めた人、よすて人。
2. 超俗の人。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕・仙 ヒジリヒト・マフ/仙 -ノイキボトケ 〔字鏡集〕仙・ ヒジリ・マフ・ヒト・ウツル・サル・マツ

[熟語]
仙衣・仙幃・仙宇・仙掖・仙液・仙媛・仙家・仙娥・仙駕・仙界・仙階・仙鶴・仙楽・仙寰・仙・仙期・仙客・仙去・仙居・仙馭・仙境・仙郷・仙禽・仙窟・仙桂・仙訣・仙闕・仙源・仙姑・仙骨・仙差・仙槎・仙才・仙子・仙姿・仙質・仙手・仙術・仙・仙仗・仙職・仙心・仙逝・仙跡・仙蹟・仙籍・仙饌・仙鼠・仙族・仙村・仙台・仙丹・仙虫・仙牒・仙洞・仙道・仙人・仙婆・仙蹕・仙品・仙夫・仙法・仙凡・仙門・仙薬・仙遊・仙輿・仙容・仙霊・仙路・仙郎・仙録・仙
[下接語]
学仙・求仙・詞仙・詩仙・酒仙・昇仙・上仙・神仙・水仙・酔仙・仙・痴仙・天仙・登仙・飛仙・幽仙・遊仙・霊仙・老仙

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