後ろ暗い(読み)ウシログライ

デジタル大辞泉 「後ろ暗い」の意味・読み・例文・類語

うしろ‐ぐら・い【後ろ暗い】

[形][文]うしろぐら・し[ク]
他人からとがめられるようなやましいことをしている。また、やましさを感じている。「何も―・いところはない」
心に裏表があるようにみえる。二心があるようだ。
「君をも―・き御事に思ひ奉りて」〈盛衰記・八〉
[類語]やましい後ろめたい面目無い名折れ面汚し赤恥羞恥生き恥死に恥恥さらし恥ずかしい極まり悪い不名誉不面目肩身が狭い合わせる顔がない身の置き所が無い穴があったら入りたい面目次第も無い汗顔・汗顔の至り冷汗三斗・冷や汗もの・忸怩じくじ顔向けが出来ない顔が合わせられない顔が潰れるばつが悪いどの面下げて恥じ入るかた無し小恥ずかしい気恥ずかしいうら恥ずかしい面はゆい照れ臭い恥をかく身の縮む思い申し訳ないすまない心苦しい気の毒気がとがめる負い目自責面目丸潰れ面目を失う泥を塗る名を折る名を汚す消え入る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「後ろ暗い」の意味・読み・例文・類語

うしろ‐ぐら・い【後暗】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]うしろぐら・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 人に知られては困るような気持や行ないがある。後ろめたい、やましいと感じる点がある。
    1. [初出の実例]「あらゆる神もしろしめせ、うしろくらき事はなし」(出典:幸若・信太(室町末‐近世初))
    2. 「うしろぐらき事をして、若(もし)あらはれては」(出典浮世草子傾城禁短気(1711)四)
  3. 本心は違うのではないかと疑わしい。行動に裏表がある。
    1. [初出の実例]「入道も、〈略〉君をも後暗(ウシロクラキ)御事に思ひ奉りて」(出典:源平盛衰記(14C前)八)

後ろ暗いの語誌

類義の語「うしろめたし」「うしろめたなし」は平安時代から用例が見られるのに対し、「うしろぐらい」は南北朝以降に現われる。

後ろ暗いの派生語

うしろぐら‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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