形無し(読み)カタナシ

デジタル大辞泉 「形無し」の意味・読み・例文・類語

かた‐なし【形無し】

[名・形動]
本来の形を損なうこと。跡形のないこと。また、そのさま。
「(はかまノ)ひだの―になりたるを」〈逍遥当世書生気質
面目を失うこと。さんざんなありさまとなること。また、そのさま。台無し。「アマチュアに負けて、プロも形無しだ」
[類語](1台無し駄目ふいおじゃん無駄空中分解挫折くたびれもうけおしまいわやパンクぼつ骨抜き棒に振る元も子もない烏有うゆうに帰す徒労不毛無駄足無駄骨無駄骨折り骨折り損不経済二度手間無くもがなあらずもがな無にする無になる無に帰する水泡に帰する水の泡/(2面目無い名折れ面汚し赤恥羞恥生き恥死に恥恥さらし恥ずかしい極まり悪いやましい不名誉不面目肩身が狭い合わせる顔がない身の置き所が無い穴があったら入りたい面目次第も無い汗顔・汗顔の至り冷汗三斗・冷や汗もの・忸怩じくじ顔向けが出来ない顔が合わせられない顔が潰れるばつが悪いどの面下げて恥じ入る小恥ずかしい気恥ずかしいうら恥ずかしいおもはゆい照れ臭い恥をかく身の縮む思い後ろめたい後ろ暗い申し訳ないすまない心苦しい気の毒気がとがめる負い目自責面目丸潰れ面目を失う泥を塗る名を折る名を汚す消え入る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「形無し」の意味・読み・例文・類語

かた‐な・し【形無】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 本来あるべき形や価値がない。
    1. (イ) 姿かたち、容貌がみにくい。きたない。
      1. [初出の実例]「形姿(かをすがた)穢陋(カタナシ)」(出典日本書紀(720)景行四年二月(北野本訓))
    2. (ロ) 身分気持などが劣っている。いやしい。
      1. [初出の実例]「我が身卑く劣(カタナク)して」(出典:大唐西域記長寛元年点(1163)七)
  3. そのもの本来の姿や価値が、そこなわれてしまってあとに残らない。あとかたもない。また、効果がない。むだである。
    1. [初出の実例]「大垣はさねばかりこそ残りけれ方なしとてもいへはあらじな〈心也〉」(出典:続詞花和歌集(1165頃)物名)

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