デジタル大辞泉 「突然死」の意味・読み・例文・類語
とつぜん‐し【突然死】
[類語]ぽっくり・ころり・急逝・頓死・即死・死ぬ・亡くなる・死する・没する・果てる・眠る・
心臓が原因で突然死亡することを、しばしば心臓麻痺といいますが、心臓麻痺という医学用語はありません。医学的に突然死とは、災害、事故、自殺、他殺などに由来しない予期せぬ突然の死亡を意味します。
突然死はさらに、症状が現れてから死亡に至るまでの時間によって、症状の発現と同時に死亡する瞬間死、症状の発現から1時間以内の死亡、症状の発現から24時間以内の死亡、そして睡眠中で症状の発現から死亡までの経過時間が不明瞭な夜間突然死などに分類されます。
心臓突然死の原因としては、
突然死を起こしうる虚血性心疾患には
突然死を起こしうる非虚血性心疾患には、
突然死を来す不整脈としては、頻度の高いものから順に、心室細動、心静止、高度
WPW症候群の患者さんに心房細動が生じると非常に速い心拍になることがあり、まれに心室細動に移行することもあります。遺伝性QT延長症候群の患者さんにも心室細動発作が生じることがあります。洞不全症候群や房室ブロックなどで高度の徐脈(脈が異常に遅くなること)になったり、心静止の状態になったりすることも突然死の原因になります。
近年、はっきりした心疾患がない人に起こる心室細動発作が注目されています。このような心室細動を
後者のタイプは、従来、ぽっくり病とか青壮年突然死症候群と呼ばれていました。
そのなかでも最近報告の多いものが、ブルガダ症候群と呼ばれるものです。東アジア人の青壮年男性に発症することが多く、夜間、とくに睡眠中に発作が起こる傾向があります。ブルガダ症候群は非発作時の心電図でも特徴的な波形を示すことがあるので、そのような心電図の波形で、失神などの既往を有する場合や突然死の家族歴を有する場合にはこの疾患が強く疑われます。
このような心電図の波形は不整脈発作のまったくない人でも健康診断などで発見されることがあり、それを無症候性ブルガダ様心電図と呼んでいます。無症候性ブルガダ様心電図の人に突然死が生じる可能性は極めて低いと考えられていますが、なかにはハイリスクの症例が隠れている可能性は否定できないため、現在も研究が行われています。また、一部のブルガダ症候群では遺伝子の異常が発見されており、血液検査で調べることが可能です。
幸運にも
徐脈性不整脈が明らかになった場合には、心臓ペースメーカー(コラム)の植込術を行います。頻脈性不整脈が明らかになった場合には、再発作が死をまねくことを防ぐ目的で、植込型除細動器(うえこみがたじょさいどうき)(コラム)の植込術を行います。
併用療法として、抗不整脈薬の内服や高周波カテーテル・アブレーション(心筋
野上 昭彦
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)
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出典 あなたの健康をサポート QUPiO(クピオ)生活習慣病用語辞典について 情報
…元気であった人が突然に死亡することで,突然死あるいは頓死ともいう。急死はその死亡原因の由来により,外因性急死と内因性急死に分けられるが,一般に急死といえば内因性急死をさす。…
※「突然死」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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