鶏・雞(読み)にわとり

精選版 日本国語大辞典 「鶏・雞」の意味・読み・例文・類語

にわ‐とり には‥【鶏・雞】

〘名〙 (「庭の鳥」の意) キジ科の鳥。古くから世界各地で最も広く飼育されている家禽(かきん)で、原種は、現在東南アジアに分布するセキショクヤケイとされる。翼は小さくてよく飛べないが足が強く、くちばしは太くて短い。頭頂にある鶏冠(とさか)品種区別に役立つ。品種改良の結果、種類は多く、コーチン・ブラマ・シャモなどの肉用種、レグホン・ミノルカなどの卵用種、プリマスロック・名古屋などの卵肉兼用種、チャボ・オナガドリなどの愛玩用種などがあり、形態や色彩は品種によって異なる。くたかけ。にわつとり。とり。
書紀(720)雄略七年八月(前田本訓)「復、小(すこしき)なる雄鶏(みニハトリ)を以て呼びて天皇の鶏と為て」
[補注]古くから人間の生活と密接に結びついてきたために、単に「とり」というだけで鶏を指すことが多い。

かけ【鶏・雞】

〘名〙 「にわとり(鶏)」の古称
古事記(712)上・歌謡青山に 鵼(ぬえ)は鳴きぬ さ野つ鳥 (きぎし)は響(とよ)庭つ鳥 迦祁(カケ)は鳴く」
拾遺愚草(1216‐33頃)上「ねに立つるかけのたれ尾の誰故か乱れてものは思ひそめてし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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