翻訳|inspiration
ひらめき、霊感、啓示などの訳語が使われる。問題解決の過程や創造的課題の遂行中や宗教的修行の途中において、突如として現れる重要な着想、または、そのような着想が現れること、あるいは、着想による刺激や感動をいう。本来の語義は空気を吸うことであるが、転じて、吸気のように努力なくして外界から着想が入り込んでくることを意味するようになった。発明、発見、創造などの過程に共通して現れる段階として、(1)長くて苦労の多い準備期、(2)問題の温め期、(3)インスピレーションのおこる段階、などがあるといわれる。(2)の問題の温め期は、睡眠中や他の仕事をしている期間などで、無意識的に事態が再構造化され新しい着想が進む時期である。アインシュタインは有名な相対性原理の論文を書く前の7年間、光の速度の問題を温めて考え、ついに啓示的ひらめきによって論文を1か月ほどで書いたといわれる。
インスピレーションに似た日本語に、勘がある。勘には認識判断に関連して現れるものと、動作や意志過程においてみいだされるものとがある。勘は長い思考のすえではなく、手掛りなしで現れる適切な見当である、といえよう。
[今井省吾]
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…突然わきあがる直観的創造的なひらめき。インスピレーションinspirationと同義。睡眠中,半睡時,ぼんやりしている時など,意識活動の低下している時に起こりやすいといわれる。…
※「インスピレーション」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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