(読み)ハダラ

  • ▽斑
  • ▽斑/×駁/×駮
  • はだれ
  • はん
  • ふち
  • ぶち
  • ほどろ
  • まだら
  • まんだら
  • むら
  • もどろ
  • もどろか・す
  • もどろ・く
  • 漢字項目

デジタル大辞泉の解説

[名・形動]
(「斑」とも書く)雪などが不規則に濃淡になっているさま。まだら。
「川岸の―に消えかかった道を行った」〈犀星・幼年時代〉
はだれ」に同じ。
「夜を寒み朝戸を開き出で見れば庭も―にみ雪降りたり」〈・二三一八〉
まだら。ぶち。「に黒いのある
常用漢字] [音]ハン(漢) [訓]まだら ふ ぶち
地と違う色の部分が入りまじった模様。また、その部分。まだら。「斑点斑斑(はんぱん)斑紋一斑虎斑(こはん)死斑紫斑白斑蒙古斑(もうこはん)
[難読]斑鳩(いかる)斑鳩(いかるが)雀斑(そばかす)虎斑(とらふ)斑猫(はんみょう)
まだら。ぶち。「の入った
《古くは「ふち」か》地色と異なったがまだらになって入っていること。また、そのような毛並みの動物。「―の犬」
[名・形動]
違った色が所々にまじっていたり、色に濃淡があったりすること。また、そのものや、そのさま。ぶち。「黒と白のな(の)猫」
(比喩的に)ある現象が現れたり、現れなかったりすること。はっきりした部分とそうでない部分があること。また、そのさま。「時間の経過とともに記憶がになる」→まだら呆け
[名・形動]
色の濃淡、物の厚薄などがあって一様でないこと。また、そのさま。まだら。「なく塗る」「染め上がりにな部分ができた」
物事がそろわないこと。一定していないこと。また、そのさま。「製品の出来にがある」「な天候に予定が狂う」
気が変わりやすいこと。また、そのさま。「な性格」「気(き)」

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大辞林 第三版の解説

形動ナリ
はだれ
に同じ。 庭も-にみ雪降りたり/万葉集 2318
形動ナリ
雪がはらはらと降るさま。また、うっすらと一面に積もるさま。はだら。 冬の夜の庭も-に降る雪の/古今 雑体 沫雪か-に降ると見るまでに/万葉集 1420
「斑雪はだれゆき」の略。 笹の葉に-降り覆ひ消なばかも/万葉集 2337
ぶち。まだら。 白地に黒い-のある猫
形動ナリ
雪がはらはらと降るさま。また、雪がまだらに降り積もるさま。はだら。 あわ雪降れり庭も-に/万葉集 2323
名 ・形動 [文] ナリ 
種々の色が入りまじっている・こと(さま)。また、その模様。色の濃淡や斑入ふいりについてもいう。ぶち。 壁が-にはげる -な雪道 -犬 -牛
(比喩的に)異なる種類のものが斑入りの模様のように重ならずに分布している・こと(さま)。 実施の状況は-模様だ
名 ・形動
染めた色が一様でなく、濃い部分、薄い部分がある・こと(さま)。まだら。 -な染め上がり 染め- 色-
物事の仕上がりなどがそろっていないこと。ふぞろいであること。また、そのさま。 -のある仕事 成績に-がある 各科目が-なくできる
気分・天気などが安定せず変わりやすいこと。 -のある気質
名 ・形動ナリ
まだらなさま。 みかりする垣のねずりの衣手に乱れ-にしめるわが恋/経信集しどろもどろ

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 まだら。ぶち。
※天寵(1915)〈森鴎外〉「足の辺に赤と緑との、稍大きい斑(ハン)がある」
〘名〙 地色の中にまだらにまじっている他の色の斑点。また、斑点のあるもの。ぶち。まだら。→しらふ(白斑)ましらふ(真白斑)
※散木奇歌集(1128頃)冬「御狩するまのの萩原こゐにしてはぶしに鷹のふやかはるらむ」
[補注]本来は縞目(しまめ)をいい、「ふち」が斑点の意を表わすとする説もある。
〘名〙 (形動) 種々の色が入りまじっていたり、色の濃いものと淡いものとがまじっていること。また、そのものやそのさま。ぶち。
※書紀(720)推古二〇年是歳(岩崎本訓)「其の面身(むくろ)、皆斑白(マタら)なり」
※徒然草(1331頃)一八四「皆をはりかへ候はんは、はるかにたやすく候べし。まだらに候も見ぐるしくや」
〘名〙 「まだら(斑)」の変化した語。
※浄瑠璃・小栗判官車街道(1738)二「俺が飼たまんだらめに轡を銜て」
〘名〙
① (形動) 色の濃淡・物の厚薄があって一様でないこと。また、そのさま。まだら。
※名語記(1275)三「ぬる物をば、うへをよくよくなづれば、むらもなく、きらもいでくる」
② (形動) 物事の揃わないこと。統一のないこと。一定しないこと。また、そのさま。不斉。不ぞろい。
※雑俳・二重袋(1728)「鈴の音、馬のちんばにむらが有」
③ 欠点。よくない所。また、物などのでこぼこ。
※風姿花伝(1400‐02頃)六「それ程に達者にもなく、物少ななる為手の、申さば初心なるが、大庭にても花失せず、〈略〉さのみにむらのなからんは、為手よりは能を知りたる故なるべし」
④ 気の変わりやすいこと。むら気。
〘形動〙 まだらなさま。また、乱れまぎれるさま。
※経信集(1097頃)「み狩するかきのねすりの衣手に乱れもどろにしめる我が恋」
※浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)道行「心にくさとゆかしさと、都の空の恋しさと、しどろもどろのまだら牛」
〘他サ四〙
① まだらにする。もどろける。
※枕(10C終)一一九「すりもどろかしたる水干といふ袴」
② まぎらわしくする。まぎらす。まどわす。みだす。
※今昔(1120頃か)四「心をもとろかし、人の物を計り取る」
[1] 〘自カ四〙
① まだらになる。
② まぎれ乱れる。
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「我をはからしめんとて、もどろかしむるにはあらずや」
③ 舟がためらって進まなくなる。
※顕輔集(1155頃)「諸越のたまつむ舟のもどろけば思ひ定めん方もおぼえず」
④ だれる。だらける。元気がなくなる。
※東大寺本大般涅槃経平安後期点(1050頃)二四「身懶(モトロク)ときに心も亦た随ひて懶くがごとき」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒もどろける(斑)
〘名〙 ⇒ぶち(斑)

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世界大百科事典内のの言及

【染色】より

…しかし,布片の遺物はあっても,今のところ繊維に対する染色の事実を証明するものはない。それが明らかになるのは古墳時代になってからだが,《魏志倭人伝》によると,魏の景初3年(239)倭の女王から男女10人と斑布2匹2丈が魏王に献じられ,魏王からは赤や青の錦や絹,小文様の紋染のフェルトをはじめ,金や刀や鏡,朱,鉛丹など多くの品物が倭の女王へ贈られ,それから4年後の正始4年(243)には再び倭王から倭錦や赤や青の絹等を貢物としたことが記されている。これらの記事によって,弥生時代後半には,すでにさまざまな錦や彩絹(いろぎぬ)がつくられていたことがわかるが,錦といえば,少なくとも2,3色の彩糸でなんらかの文様を織り出したものであろうし,また赤や青の絹も,それらの色に染めた絹と解される。…

※「斑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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