生酒(読み)ナマザケ

デジタル大辞泉 「生酒」の意味・読み・例文・類語

なま‐ざけ【生酒】

もろみを絞っただけで、殺菌のための火入れをしていない酒。
[類語]酒類さけるい酒類しゅるい般若湯アルコール御酒お神酒銘酒美酒原酒地酒忘憂の物醸造酒蒸留酒混成酒合成酒日本酒清酒濁酒どぶろく濁り酒新酒古酒樽酒純米酒灘の生一本本醸造酒吟醸酒大吟醸冷や卸し屠蘇とそ甘露酒卵酒白酒甘酒焼酎泡盛ビール葡萄酒ワインウイスキーブランデーウオツカラムテキーラジン焼酎リキュール果実酒梅酒薬酒やくしゅみりん白酒しろざけ紹興酒ラオチューマオタイチューカクテルサワージントニックジンフィーズカイピリーニャマティーニ

き‐ざけ【生酒】

まぜ物のない純粋の酒。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「生酒」の意味・読み・例文・類語

き‐ざけ【生酒】

  1. 〘 名詞 〙 まぜもののない純粋な酒。生一本の酒。醇酒
    1. [初出の実例]「いかなるもろはくきざけも、おそれつべうぞみへにける」(出典:御伽草子・酒茶論(古典文庫所収)(室町末))
    2. 「後は生(キ)酒の辛口成を好みて」(出典浮世草子浮世親仁形気(1720)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「生酒」の意味・わかりやすい解説

生酒
なまざけ

もろみを絞ったままで、殺菌のための火入れをしていない酒。新鮮な発酵香がある。日本酒の場合では、絞りたての若い酒の風味をもち、ほのかな麹香(こうじばな)がある。市販の日本酒は、火入れ貯蔵したものを、瓶詰の際にも火落ちを防ぐため、再度火入れをするのが通常である。以前は、酒が熟成し、火落ちの心配もなくなる秋冷の時期に、「ひやおろし」といって、再度の火入れをしないで大桶(おけ)からすぐに樽(たる)詰(瓶詰)して出荷した。これを「生(なま)」あるいは「生詰(なまづめ)」といった。近年、商品の市場寿命が長くなって、瓶詰品はすべて火入れするようになったが、1980年(昭和55)ころから、ふたたび火入れをしない生酒が販売されている。これはミクロフィルターを用いて無菌状態にして瓶詰したものである。また、「生」で低温貯蔵し、瞬間火入れ殺菌して瓶詰した「生貯蔵酒」もある。

[秋山裕一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

飲み物がわかる辞典 「生酒」の解説

なまざけ【生酒】


日本酒の製造では、普通、もろみをしぼった後と、貯蔵・熟成後びん詰めの前に2度酵素の働きを止め殺菌するために「火入れ」と呼ばれる加熱処理を施して酒質を安定させるが、この火入れを一度もしていない日本酒。しぼりたての新鮮な風味を味わう。酵素が活性のままであるため、酒質が変わりやすく、低温管理が必要。こんにちではきわめて精密な濾過器(ろかき)を用いて大部分の酵素を取り除き、常温での流通が可能な製品もある。

出典 講談社飲み物がわかる辞典について 情報

とっさの日本語便利帳 「生酒」の解説

生酒

日本酒は通常二回加熱して殺菌処理するが、これを二回とも行わないのが生酒(本生、生々)。搾った時に加熱して生のまま出荷するものを生詰酒、搾った後、生で貯蔵して出荷時に加熱するものを生貯蔵酒という。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android