颶風(読み)グフウ

デジタル大辞泉 「颶風」の意味・読み・例文・類語

ぐ‐ふう【×颶風】

強く激しい風。
砲車雲もとくもは拡がる、今にも一大―が吹起りそうに見える」〈二葉亭浮雲
熱帯低気圧温帯低気圧に伴う暴風をいう古い気象用語。
[類語]雨風波風風浪風雪風雨無風微風そよ風軟風強風突風烈風疾風はやて大風暴風爆風ストーム台風ハリケーンサイクロン神風砂嵐つむじ風旋風竜巻トルネード追い風順風向かい風逆風横風朝風夕風夜風春一番春風しゅんぷう春風はるかぜ花嵐薫風風薫る緑風やませ涼風すずかぜ涼風りょうふう秋風野分き木枯らし空風寒風季節風モンスーン貿易風東風ひがしかぜ東風こち西風偏西風南風みなみかぜ南風はえ凱風北風朔風松風まつかぜ松風しょうふう山風山颪谷風川風浜風潮風海風陸風熱風温風冷風

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精選版 日本国語大辞典 「颶風」の意味・読み・例文・類語

ぐ‐ふう【颶風】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「颶」は激しい風の意 )
  2. 強く激しく吹く風。暴風。旋風。烈風。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「唯此良宵清影多、今年幸又無颶風」(出典:南海先生文集(1784)一・丁未中秋与諸子泛明光浦)
    2. 「政治海洋の颶風(グフウ)近きに起らんとす」(出典:国会論(1888)〈中江兆民〉)
  3. 四方から吹いてくる風をいう。低気圧性の風で、その起源熱帯にあるときは熱帯颶風という。このうちの強力なものが台風で、温帯低気圧の発達したものは温帯颶風もしくは温帯旋風という。

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普及版 字通 「颶風」の読み・字形・画数・意味

【颶風】ぐふう

台風。〔太平御覧、九に引く南越志〕煕安の、颶風多し。~一に懼風と曰ふ。怖懼(ふく)するを言ふなり。常に六七を以て興る。未だ至らざる時、三日犬之れが爲に鳴かず。

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百科事典マイペディア 「颶風」の意味・わかりやすい解説

颶風【ぐふう】

四方から吹きまわしてくる風系中国では昔颶風と呼んだ。日本でも,たとえば台風は熱帯颶風といい,発達した温帯低気圧に伴われた暴風は単に颶風と呼ばれた。現在は用いられない。

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世界大百科事典(旧版)内の颶風の言及

【台風】より

…国際的には世界気象機関(WMO)で定めた名称が用いられる(表1)。 中国では,台風のように風向の旋回する強い風系(つむじ風)を昔から〈颶風(ぐふう)〉と呼んでいたが,このような風系をアラブの航海者たちはtūfānと呼び,フランスやイギリスではそれぞれtyphon,typhoonと呼んだ。日本では,江戸時代には熱帯低気圧を中国にならって〈颶風〉と訳した文献があるが,明治の初めには〈タイフーン〉または〈大風〉とかいっていたようである。…

※「颶風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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