しっ‐ぷう【疾風】
〘名〙
② 風力段階の一つ。木の枝を動かす程度の風で、秒速六~一〇メートル。
はや‐ち【疾風】
〘名〙 (「ち」は風の意)
※神代巻講義(1680)下「疾風
(ハヤチ)。
後世の飛脚也」
はや‐かぜ【疾風】
〘名〙 急にはげしく吹きおこる風。はやて。
※
書紀(720)神代下(丹鶴本訓)「吾必ず
迅風(ハヤカゼ)洪濤(をほなみ)を起
(たて)て、其をして
没溺(をほ)し
辛苦(たしな)ま令めむ」
とき【疾】 風(かぜ)
はやい風。
つむじ風。疾風。〔観智院本名義抄(1241)〕
※来田本拾遺愚草員外(1240頃)「羅の表紙ひもの玉ゆらときかぜは天の
河原にくもやまくらむ」
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デジタル大辞泉
「疾風」の意味・読み・例文・類語
はや‐ち【疾=風】
《「ち」は風の意》「はやて1」に同じ。
「名恐ろしきもの、…―、ふさう雲、鉾星」〈枕・一五三〉
はやち‐かぜ【▽疾風】
「はやて1」に同じ。
「花を吹きまく―」〈浄・井筒業平〉
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普及版 字通
「疾風」の読み・字形・画数・意味
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疾風
はやて
日本陸軍機を一貫して製造してきた中島飛行機が,それまでの経験を集大成して生み出した低翼単葉の戦闘機。制式名は四式戦闘機。 1941年末,第2次世界大戦の勃発直後に開発が始まり,わずか1年4ヵ月後の 1943年4月に初飛行,1944年春から量産に入り,終戦までの1年半で 3300~3500機を生産した。日本機としては最高速の飛行性能をもち,戦後アメリカ合衆国による試験飛行でも時速 689kmの高速をみせた。しかし敗戦間近の日本では燃料の質が悪く,製造時の工作不良,材質不良もあって,なかなか本領が発揮できなかった。甲型は,エンジンが中島「誉」 (2000馬力) 1,全長 9.92m,全幅 11.24m,総重量 3570kg,最大速度時速 624km,実用上昇限度1万 500m。武装は 20mm機関砲2,12.7mm機関銃2。
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疾風(はやて)
第2次世界大戦時の日本軍の戦闘機「四式戦闘機」の愛称。初飛行は1943年。太平洋戦争の投入ながら約3,000機が生産され、「大東亜決戦機」などとも呼ばれた。一型甲の最高速度は時速631キロメートル。キ番号、キ84。連合軍によるコードネームは「フランク」。
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世界大百科事典内の疾風の言及
【風】より
…梅雨の初めの黒い雨雲の下を吹く〈黒南風(くろはえ)〉,梅雨の最盛期の強い南風の〈荒南風(あらはえ)〉,梅雨明け後に吹く〈白南風(しらはえ∥しろはえ)〉などといわれる。 早手(はやて)疾風とも書き,〈疾風(しつぷう)〉〈陣風(じんぷう)〉ともいう。寒冷前線の通過に伴う突風で,しゅう雨を伴うこともある。…
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