デジタル大辞泉
「疾風」の意味・読み・例文・類語
はやて[列車]
東北新幹線・北海道新幹線で運行されている特別急行列車の愛称。平成14年(2002)盛岡・八戸間延伸に合わせて運行開始、平成22年(2010)新青森まで延伸。平成28年(2016)より北海道新幹線でも運行。東京・盛岡間、盛岡・新青森間、盛岡・新函館北斗間を結ぶ。
はや‐ち【疾=風】
《「ち」は風の意》「はやて1」に同じ。
「名恐ろしきもの、…―、ふさう雲、鉾星」〈枕・一五三〉
はやち‐かぜ【▽疾風】
「はやて1」に同じ。
「花を吹きまく―」〈浄・井筒業平〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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はや‐て【疾風・早手】
- 〘 名詞 〙
- ① ( 「て」は風の意 ) 急に激しく吹き起こる風。陣風。しっぷう。はやてかぜ。はやちかぜ。はやちのかぜ。はやち。
- [初出の実例]「はやてもりうの吹かする也」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- ② ( かかると直ぐ死ぬというところから ) 疫痢の異称。
- [初出の実例]「小児暴瀉し頓に死するもの多し、(府下の庸医はやてといふにや)」(出典:随筆・塩尻(1698‐1733頃)六八)
- ③ 短期間に相場が激変すること。
- [初出の実例]「多葉粉二三腹呑間に大高下来るを早手と言」(出典:稲の穂(1842‐幕末頃))
- ④ ( 疾風 ) 旧日本陸軍の四式戦闘機の通称。昭和一八年(一九四三)四月初飛行。単発単座。最大時速六二四キロメートル、航続距離一二五五キロメートル。
しっ‐ぷう【疾風】
- 〘 名詞 〙
- ① 速い風。勢いよく吹く風。はやて。
- [初出の実例]「暗に疾風の影を追ふ」(出典:将門記(940頃か))
- 「小犬が駱駝(らくだ)の周囲を疾風の如く廻転して」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉八)
- [その他の文献]〔戦国策‐趙策上・恵文王上〕
- ② 風力段階の一つ。木の枝を動かす程度の風で、秒速六~一〇メートル。
はや‐かぜ【疾風】
- 〘 名詞 〙 急にはげしく吹きおこる風。はやて。
- [初出の実例]「吾必ず迅風(ハヤカゼ)洪濤(をほなみ)を起(たて)て、其をして没溺(をほ)し辛苦(たしな)ま令めむ」(出典:日本書紀(720)神代下(丹鶴本訓))
はや‐ち【疾風】
- 〘 名詞 〙 ( 「ち」は風の意 )
- ① =はやて(疾風)①〔十巻本和名抄(934頃)〕
- ② 飛脚。
- [初出の実例]「疾風(ハヤチ)。後世の飛脚也」(出典:神代巻講義(1680)下)
はやち‐かぜ【疾風】
- 〘 名詞 〙 =はやて(疾風)①
- [初出の実例]「花を吹きまくはやちかぜ」(出典:浄瑠璃・井筒業平河内通(1720)怨霊振分髪)
とき【疾】 風(かぜ)
- はやい風。つむじ風。疾風。〔観智院本名義抄(1241)〕
- [初出の実例]「羅の表紙ひもの玉ゆらときかぜは天の河原にくもやまくらむ」(出典:来田本拾遺愚草員外(1240頃))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「疾風」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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疾風
はやて
日本陸軍機を一貫して製造してきた中島飛行機が,それまでの経験を集大成して生み出した低翼単葉の戦闘機。制式名は四式戦闘機。 1941年末,第2次世界大戦の勃発直後に開発が始まり,わずか1年4ヵ月後の 1943年4月に初飛行,1944年春から量産に入り,終戦までの1年半で 3300~3500機を生産した。日本機としては最高速の飛行性能をもち,戦後アメリカ合衆国による試験飛行でも時速 689kmの高速をみせた。しかし敗戦間近の日本では燃料の質が悪く,製造時の工作不良,材質不良もあって,なかなか本領が発揮できなかった。甲型は,エンジンが中島「誉」 (2000馬力) 1,全長 9.92m,全幅 11.24m,総重量 3570kg,最大速度時速 624km,実用上昇限度1万 500m。武装は 20mm機関砲2,12.7mm機関銃2。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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疾風(はやて)
第2次世界大戦時の日本軍の戦闘機「四式戦闘機」の愛称。初飛行は1943年。太平洋戦争の投入ながら約3,000機が生産され、「大東亜決戦機」などとも呼ばれた。一型甲の最高速度は時速631キロメートル。キ番号、キ84。連合軍によるコードネームは「フランク」。
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世界大百科事典(旧版)内の疾風の言及
【風】より
…梅雨の初めの黒い雨雲の下を吹く〈黒南風(くろはえ)〉,梅雨の最盛期の強い南風の〈荒南風(あらはえ)〉,梅雨明け後に吹く〈白南風(しらはえ∥しろはえ)〉などといわれる。 早手(はやて)疾風とも書き,〈疾風(しつぷう)〉〈陣風(じんぷう)〉ともいう。寒冷前線の通過に伴う突風で,しゅう雨を伴うこともある。…
※「疾風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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