山背(読み)ヤマセ

デジタル大辞泉 「山背」の意味・読み・例文・類語

やま‐せ【山背】

山を越えて吹いてくる風。フェーン性質をもつ風。
夏季北日本の太平洋側、特に三陸地方に吹く冷湿な北東風オホーツク海高気圧から吹き出す風で、長く続くと冷害原因となる。 夏》「二艘かかる積取船や―吹く/地蔵尊」
[類語]春一番春風しゅんぷう春風はるかぜ花嵐薫風風薫る緑風涼風すずかぜ涼風りょうふう秋風野分き木枯らし空風寒風季節風モンスーン貿易風東風ひがしかぜ東風こち西風偏西風南風みなみかぜ南風はえ凱風北風朔風雨風波風風浪風雪風雨無風微風そよ風軟風強風突風烈風疾風はやて大風颶風暴風爆風ストーム台風ハリケーンサイクロン神風砂嵐つむじ風旋風竜巻トルネード追い風順風向かい風逆風横風朝風夕風夜風松風まつかぜ松風しょうふう山風山颪谷風川風浜風潮風海風陸風熱風温風冷風

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精選版 日本国語大辞典 「山背」の意味・読み・例文・類語

やま‐せ【山背】

  1. 〘 名詞 〙 山を越えて吹いてくる風。また、夏、東北地方の太平洋岸に吹く冷涼な北東風。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「勝ち負けの弓のやませに散花をまとゐの外の人も見よかし」(出典:弁乳母集(11C後か))

山背の語誌

( 1 )本来、山の向こうから吹いてくる風のことで、山背の漢字表記がなされ、「セ」を風とみる語源説が多い。
( 2 )地方によって風向や付随する意味も様々である。三陸地方では初夏から夏にかけての冷涼な北東風を指し、冷害の原因となる。一方、日本海側では出港のために好ましい風とされる地域もある。


さん‐ぱい【山背】

  1. 〘 名詞 〙 山のうしろ。山かげ。〔広益熟字典(1874)〕

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とっさの日本語便利帳 「山背」の解説

山背

晩春から夏に北海道、東北、関東などの太平洋側で吹く冷湿な北東風。梅雨寒(つゆざむ)や日照不足をもたらし、しばしば冷害を起こす。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

普及版 字通 「山背」の読み・字形・画数・意味

【山背】さんぱい

山後。

字通「山」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の山背の言及

【山城国】より

…国府ははじめ大和に近い現相楽(そうらく)郡山城町にあったと思われるが,平安京遷都ののち葛野郡(右京区),長岡旧京の南(長岡京市),さらに河陽(かや)(乙訓郡大山崎町)へと三転している。国名は政治の中心地であった大和からみて山のうしろであるという〈やまうしろ〉が転訛したものと考えられているが,はじめ〈山代〉と記し,のち〈山背〉,さらに山城へと改められた。山代から山背への改称の時期は明確ではないが,《古事記》はすべて山代,《日本書紀》は山背を使用しており,701年(大宝1)1月の記事にはまだ山代と記されていて,この直後に山背の表記が一般化するところから,701年3月の大宝令の施行期に山背と公称されるようになったと思われる。…

※「山背」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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