デジタル大辞泉
「歩」の意味・読み・例文・類語
ほ【歩】
[名]
1 歩くこと。また、その足の運び方。「歩を合わせる」「歩を急がせる」
2 物事が進んでいくこと。物事の進行。「着々と開発の歩を進める」
[接尾]助数詞。歩くときの足を運ぶ回数を数えるのに用いる。上に来る語によっては「ぽ」となる。「一歩前進、二歩後退」
[類語]歩み・歩行・足・徒歩・あんよ
ぶ【歩】
1 土地の面積の単位。普通は6尺四方をいい、約3.3平方メートル。坪。
2 長さの単位。1歩は6尺で、約1.8メートル。
3 町・段などの下に付けて、端数のないことを示す。「五段歩の畑」
4 《「分」から転じて》
㋐元金に対する利息の百分比。歩合。また、金利。
㋑特に、貸し借りの金利息。
「借銀の―を取り」〈浮・新永代蔵〉
5 ⇒夫2
ふ【歩】
《「歩兵」の略。雑兵の意》将棋の駒の一。縦に一つずつ前進でき、敵陣の三段目以内に入って成ると、「と金」と称して金将と同格になる。
ぽ【歩】
[接尾]「ほ(歩)」に同じ。「五十歩百歩」
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ぶ【歩】
- 〘 名詞 〙
- [ 一 ] 単位を表わす。
- ① 土地の長さの単位。もと古代中国の単位だが、日本では曲尺(かねじゃく)六尺(約一・八メートル)に等しい。一間(いっけん)。奈良時代以前には、高麗尺(こまじゃく)(令の大尺と同じ長さ)五尺を一歩とする方法と令の小尺(和銅の大尺と同じ長さ。曲尺の原型)六尺を一歩とする方法とがあったが、高麗尺によるものはやがて消滅した。高麗尺五尺と令の小尺六尺は同じ長さで一・八メートル弱となる。
- [初出の実例]「凡度レ地。五尺為レ歩。三百歩為レ里」(出典:令義解(718)雑)
- 「凡度量権衡者、官私悉用レ大、但測二晷景一合二湯薬一則用二小者一、其度以二六尺一為レ歩、以外如レ令」(出典:延喜式(927)五〇)
- [その他の文献]〔礼記‐王制〕
- ② 土地の面積の単位。曲尺六尺四方。三六平方尺。一間四方。一坪。約三・三平方メートル。奈良時代以前には、高麗尺五尺平方と令の小尺六尺平方の二方法があったが、高麗尺による方法は消滅した。のち、太閤検地では六尺三寸四方を一歩としたが、江戸時代に六尺四方一歩の方法が広まり、明治に至った。その際、三〇歩を一畝(せ)とした。
- [初出の実例]「古記云。問。田長卅歩。広十二歩為レ段。即段積三百六十歩。更改二段積一為二二百五十歩一。重復改為二三百六十歩一」(出典:令集解(701)田)
- 「凡田以二方六尺一為二一歩一、〈略〉三十六歩為二一段頭一」(出典:拾芥抄(13‐14C)中)
- [その他の文献]〔周礼注‐地官・小司徒〕
- ③ 町(ちょう)・段(たん)の下に付けて、その面積に端数のないことを表わす。「三町五段歩」
- ④ ⇒ぶ(分)
- ⑤ ⇒ぶ(夫)
- [ 二 ] ( 「分(ぶ)」から転じたものであるが、一般に「歩」と書かれた ) 利益やもうけの割合。率。
- ① 資本に対する金利。利回り。
- ② 貸し借りの金銭の利息。
- [初出の実例]「歩(ブ)をやすうしてかりたい」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)大坂)
あゆみ【歩】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「あゆむ(歩)」の連用形の名詞化 )
- ① 足を動かして進むこと。歩行。
- [初出の実例]「馬の歩(あゆみ)押へとどめよ住吉(すみのえ)の岸の黄土(はにふ)ににほひて行かむ」(出典:万葉集(8C後)六・一〇〇二)
- 「賑しい往来(ひとどほり)の中を行くので、柳之助も〈略〉歩行(アユミ)が果取(はかど)る」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
- ② 物事の進み具合。物事の運び方。進行。また、物の動き。運行。
- [初出の実例]「野郎に能筆は稀(まれ)也。女郎は〈略〉局(つぼねぼさつ)迄、筆のあゆみの悪しきはなし」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)二)
- 「いくら鳶が鳴いたからと云って、天日の歩みが止まるものではない」(出典:戯作三昧(1917)〈芥川龍之介〉五)
- ③ 和船の上部構造の部材。帆柱の受材である筒挟から船尾の笠木(かさぎ)にかけて渡す二本の並行材。水夫がこの上を歩くところからいう。ふつう、海船での呼称で、川船では「はさみ」という場合が多い。〔和漢船用集(1766)〕
- ④ =あゆみいた(歩板)①②
- [初出の実例]「つういついあゆみを渡り芸子乗り」(出典:雑俳・柳多留‐二六(1796))
- ⑤ 劇場で、土間を仕切った枡形の木を幅広くしたてて、客や売り子が通れるようにしたもの。客席から舞台へ向かって右の方にあるものを仮花道として用いる場合を東の歩みといい、本花道と仮花道を、正面二階の桟敷(さじき)の下でつなぐ狭い板の通路を中の歩みという。あゆみいた。
- [初出の実例]「直井隔て、無理に東の歩みへ連れ這入る」(出典:歌舞伎・御摂勧進帳(1773)四立)
- ⑥ ( 比喩的に ) 中に立ってとりもつもの。なかだち。
- [初出の実例]「淀(よど)なかりける弁舌は、〈略〉辞(ことば)の歩水(アユミ)渡しかけし、げに船長(ふなをさ)の母なりけり」(出典:読本・南総里見八犬伝(1814‐42)四)
- ⑦ 等間隔に並んでいる木材などの中心線から中心線までの距離。〔日本建築辞彙(1906)〕
- ⑧ ねじの一回転によって進退する距離。ねじの山と山との間隔。ピッチ。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
- ⑨ 取引相場で、一つの立会中での相場の動き方。株価の変動。〔取引所用語字彙(1917)〕
ほ【歩】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① あるくこと。また、あるく様子。
- [初出の実例]「歩縦容而遊六条院辺」(出典:明月記‐治承四年(1180)九月一五日)
- [その他の文献]〔春秋左伝‐定公五年〕
- ② 物事の推移。あゆみ。
- [初出の実例]「開進の歩頗る迅速にして」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉二四)
- ③ 「ほへい(歩兵)」の略。
- ④ ⇒ぶ(歩)
- [ 2 ] 〘 接尾語 〙 ( 上に来る語によっては「ぽ」となる ) 歩く時の足を運ぶ回数を数える語。
- [初出の実例]「何とかかへす舞の袖、一歩あげざるさきをこそ、仏の舞とはいふべけれ」(出典:光悦本謡曲・仏原(1452頃))
- 「たはむれに母を背負ひて、そのあまり軽(かろ)きに泣きて、三歩(ポ)あゆまず」(出典:一握の砂(1910)〈石川啄木〉我を愛する歌)
あるき【歩】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「あるく(歩)」の連用形の名詞化 )
- ① 歩くこと。あちこち動きまわること。また、外出すること。ありき。
- [初出の実例]「百(もも)つ島足柄小舟安流吉(アルキ)多み目こそ離(か)るらめ心は思へど」(出典:万葉集(8C後)一四・三三六七)
- 「薄ぐらき思のやから、その歩行(アルキ)夜にか入るらむ」(出典:邪宗門(1909)〈北原白秋〉朱の伴奏・雨のひぐらし)
- ② 江戸時代、村の庄屋に所属した用務者。もっぱら村の内外の連絡事務を受け持ったが、村方三役(庄屋、組頭、百姓代)が制度化する以前は庄屋の補佐役であった所が多く、その頃はこれを散使、肝煎(きもいり)などと呼んだ。ありき。
- [初出の実例]「双方の庄屋、月行司、村のあるきは棒つきならべ」(出典:浄瑠璃・津国女夫池(1721)二)
ふ【歩】
- 〘 名詞 〙
- ① 「ふひょう(歩兵)」の略。
- [初出の実例]「ソット fu(フ) ヲ シナヲイテ アソコ ココ ジュウシガコク ホド キリ シタガエテ」(出典:天草本平家(1592)三)
- ② 将棋の駒の一つ。前に一つだけ動くことができる。敵陣の三段目以内にはいって成れば、金将と同じ性能を持つ成金(と金、と)となる。歩兵(ふひょう)。兵(ひょう)。
- [初出の実例]「王ゆゑに歩をも馬をもたておきて、かくきゃうの外に使ふ金銀」(出典:咄本・醒睡笑(1628)四)
あゆび【歩】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「あゆぶ(歩)」の連用形の名詞化 )
- ① =あゆみ(歩)①②
- ② =あゆみいた(歩板)①②
- [初出の実例]「頗男女後門(おいど)を抓るの戒とせんには、是より近道の済板(アユビ)はなけん」(出典:洒落本・見通三世相(1796か)序)
- ③ =あゆみ(歩)③⑤
ありき【歩】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「ありく(歩)」の連用形の名詞化 ) 歩くこと。特に外出、寺社の参拝、旅行などについていうことが多い。
- [初出の実例]「女子の行歩(アリキスル)に及(いた)りて、天皇、大殿に御(おはしま)す」(出典:日本書紀(720)雄略元年三月(図書寮本訓))
- 「后の昼の行啓。一の人の御ありき。春日詣」(出典:枕草子(10C終)八八)
あよみ【歩】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「あよむ(歩)」の連用形の名詞化 ) =あゆみ(歩)①
- [初出の実例]「ひま行く駒はやくうつり、羊の歩(アヨミ)屠所にちかづけば」(出典:発心集(1216頃か)五)
あゆまいあゆまひ【歩】
- 〘 名詞 〙 歩きぶり。足の運び方。
- [初出の実例]「おももち、あゆまひ、大臣と言はむに足らひ給へり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)
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普及版 字通
「歩」の読み・字形・画数・意味
歩
常用漢字 8画
(旧字)
人名用漢字 7画
[字音] ホ
[字訓] あゆむ・あるく・ゆく
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
左足の足あと止+右足のあしあと少。左右の足あとを連ねて歩行の意とする。〔説文〕二上に「行くなり」、また行字条二下に「人の趨(ほすう)なり」と互訓するが、行は十字路の形である。〔礼記、曲礼上〕「堂上には武を接し、堂下には武を布く」の武は半歩、歩は六尺、合わせて「歩武堂々」のようにいう。足を地に接して歩くことは、その地の地霊に接する方法で、重要な儀礼に赴くときには歩するのが常法であった。〔書、召誥〕に、「王、(あした)に(宗周)よりして豐(ほう)(豊京、神都)に至る」という。地霊を鎮撫する儀礼を践土(せんど)といい、わが国の反閉(へんばい)がそれにあたる。
[訓義]
1. あゆむ、あるく、あゆます、かち。
2. ゆく、すすむ。
3. いる、おる、地位、地歩。
4. おす、おしはかる。
5. 一歩、六尺。
6. みぎわ、はとば。
7. 神の名。馬の神、災いの神。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 アユム・オコナフ・ユク・タヅヌ・アリク・カチ
[部首]
〔説文〕に(歳)をこの部に属し、〔玉〕も同じ。卜文のの字形は、戉(えつ)(鉞(まさかり))の刃部にを上下に分書した形に作る。は古く祭名であるから、このも儀礼に関する意味があるのであろう。のちにはにかえて、(肉)を加える形となる。神の陟降の陟は、神梯を陟(のぼ)る形。順・の字も古くはに従っており、水の儀礼をいう字であったと考えられる。
[声系]
〔説文〕に声として、艸部など二字を収めるが、用例のない字である。(渉)・(頻)・などは会意。みな水の儀礼に関する字。
[語系]
baは浦phaと声近く、浦は〔説文〕十一上に「水(すいひん)なり」とあり、はのちの濱(浜)の字で、そこは神を迎えるところであった。・bien、濱pienも声義の関係があり、水辺の祭儀をいう語である。
[熟語]
歩韻▶・歩運▶・歩雲▶・歩檐▶・歩簷▶・歩騎▶・歩▶・歩▶・歩弓▶・歩虚▶・歩径▶・歩景▶・歩月▶・歩行▶・歩▶・歩叉▶・歩靫▶・歩士▶・歩爵▶・歩驟▶・歩障▶・歩渉▶・歩趨▶・歩石▶・歩戦▶・歩卒▶・歩逓▶・歩天▶・歩頭▶・歩武▶・歩廡▶・歩歩▶・歩輿▶・歩揺▶・歩履▶・歩暦▶・歩輦▶・歩廊▶
[下接語]
安歩・羽歩・禹歩・運歩・雲歩・雅歩・歩・学歩・闊歩・閑歩・間歩・緩歩・歩・却歩・牛歩・遽歩・競歩・跼歩・玉歩・窘歩・健歩・蹇歩・故歩・顧歩・行歩・高歩・国歩・散歩・疾歩・弱歩・初歩・徐歩・舒歩・進歩・推歩・趨歩・寸歩・仙歩・促歩・速歩・退歩・地歩・馳歩・天歩・徒歩・独歩・日歩・馬歩・武歩・漫歩・游歩・涼歩・連歩・蓮歩
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
歩 (ぶ)
尺貫法における面積の単位。坪ともいい,地積を表すための基本単位である。古代中国から,また日本においても大宝令以前から用いられた。1891年の度量衡法では6尺四方,すなわち36平方尺に等しく,約3.306m2である。倍量単位は30歩の畝(せ),10畝の段(たん),10段の町,分量単位は1/10歩の合(ごう),1/10合の勺(しやく)である。尺貫法の廃止で,1966年4月以降法定単位ではなくなった。歩は本来距離の単位で,左右の足を1回ずつ運んだ距離であり(その半分は跬(けい)),それと尺との関係には変遷があったが,方1歩の歩の大きさの実態はさほど変化しなかったといわれる。
執筆者:三宅 史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
歩
ぶ
中国起源の長さおよび面積の単位。人間の歩幅で2歩(ほ)分の長さと、2歩分四方の面積に始まる。周代に1歩は6尺と定められ、土地を測る尺度の基準となった。これで測定された面積の数値は土地に定着し、その後王朝の交替とともに公定の尺が変化しても面積1歩の大きさはそれほど変化していない。日本に入った歩は唐制の大尺によったので、中国の歩より大きい。
また、唐制以前に高麗尺(こまじゃく)の5尺平方の歩があったという記事が『政事要略』にみられるが、高麗尺の1尺は唐大尺の1尺2寸にあたるので、歩の実体は変わらない。実際の検地や測量には、いろいろな条件を見込んだ間尺(けんじゃく)が用いられたので、表示面積と実面積は一般的には一致しない。間尺は古くは6尺5寸、太閤(たいこう)検地で6尺3寸、江戸時代には6尺とされた。しかしこれも名目だけで、全国各地に6尺5寸四方の歩が定着している。歩はまた坪ともよばれているが、どの時代からそういわれたのかははっきりしない。
[小泉袈裟勝]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
歩
ぶ
土地面積の単位。大化改新の際,高麗尺 (こまじゃく) (曲尺〈かねじゃく〉の約 1.176尺=35.6cm) で5尺平方を1歩とし,のち6尺平方を1歩に改めたが,大宝令では大宝大尺 (高麗尺) で5尺平方を1歩とした。和銅6 (713) 年には,和銅大尺 (曲尺 0.978尺) で6尺平方を1歩とし,以来これが基準とされ,戦国時代にいたった。豊臣秀吉の太閤検地では曲尺 (1尺=30.3cm) で6尺3寸平方を1歩としたが,江戸時代には6尺平方を1歩とし,明治にいたった。坪ともいう。
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歩
ぶ
土地の面積を表す単位。古代中国の周で使われていた単位。日本では古くは高麗尺(こまじゃく)5尺平方あるいは6尺平方を1歩とする方法があったが,713年(和銅6)の唐尺採用後は唐尺の6尺平方をもって1歩とし,360歩を1段(たん)とする面積単位が定着した。戦国期には6尺5寸平方を1歩としたこともあったが,太閤検地の際に6尺3寸平方を1歩とし,300歩を1段とする換算方式に統一された。江戸時代には6尺平方を1歩とするようになり,30歩=1畝,10畝=1段という町段歩(ちょうたんぶ)制が確立した。歩は坪ともいわれ,1歩(坪)は約3.3m2に該当。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
歩【ぶ】
尺貫法の面積の単位。6尺四方つまり3.3058m2。坪と同じで,山林・田畑に用いる。中国から伝わり701年大宝令で確定,1891年度量衡法でメートル法に基づき再決定。尺貫法の廃止で,1966年4月以降法定単位ではなくなった。
→関連項目坪
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
ぶ【歩】
土地の面積の単位。6尺平方を1歩とする。約3.31m2。中国、日本とも、8世紀以前から使われていた。◇名称は、人が動ける1歩四方の広さにちなむ。「坪」ともいう。
出典 講談社単位名がわかる辞典について 情報
歩(ふ)
日本のポピュラー音楽。歌は男性演歌歌手、北島三郎。1976年発売。作詞:関沢新一、作曲:安藤実親。
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世界大百科事典(旧版)内の歩の言及
【度量衡】より
…
[起源]
度量衡の起源は大別して次の五つに含まれるであろう。(イ)腕や足の長さ,腰まわりなど,人体の諸部分の寸法,(ロ)穀粒の長さや質量など,自然物のサイズ,(ハ)たる1杯の体積など,道具のサイズ,(ニ)1日に歩くことのできる道のり,半日で耕すことのできる農地の面積など,人や家畜の能力,(ホ)特定の周波数の音を発する笛の長さなど,物理法則。いうまでもなく現今の精密測定の基準とする諸単位は,もっぱら(ホ)に着目する方法で厳密に定義されるが,史上の度量衡の名称や実体を理解するためには,(イ)~(ホ)にも注意する必要がある。…
【間】より
…その起源は定かでないが,日本では中世以来測地用の慣用単位であり,その大きさは太閤検地の際は6尺3寸,江戸時代は6尺1分であったという。1891年制定の度量衡法では6尺(約1.818m)=1間,60間=1町,36町=1里とし,1間四方の面積を1歩(坪)とした。間はまた,中国古来から,柱と柱の間隔をいい,部屋や家屋の広さを表すのに用いた。…
【検地条目】より
…太閤検地も当初はまだ従来の慣習を踏襲するところがあったが,数年の施行過程をへてしだいに統一規準を設ける方向にすすみ,1589年(天正17)には検地条目の体裁をもった秀吉朱印状が出された。これは5間×60間=300歩を1反とすること,上田は京枡1石5斗(約270.6l),以下2斗(約36.1l)下り,上畑は1石2斗,以下2斗下りなどの斗代とすること,検地役人の非法禁止など,将来の検地条目の根幹となる内容5ヵ条からなっている。その後検地条目は毎年のように出されていき,最もまとまった94年(文禄3)の12ヵ条に至っている。…
【代分け】より
…したがってその歴史は古い。代という言葉は,東北から紀伊の太平洋岸で多く使われているが,その同義語には能登などの日本海岸や四国で使用されている歩(ぶ),九州以南で使用されているタマス,ほかにアタリ,メーテなどがある。 各地の漁村で行われる代分けには,漁業組織,漁労実態,漁民の生態を反映してさまざまの形態がみられる。…
【坪】より
…尺貫法における面積の単位。歩(ぶ)ともいい,1891年制定の度量衡法では,6尺四方,すなわち36平方尺に等しく,約3.306m2である。分量単位は1/10坪の合(ごう),1/10合の勺(しやく)である。…
※「歩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」