デジタル大辞泉
「八」の意味・読み・例文・類語
や【八】
《「よ(四)」の母音交替形としてその倍数を表したもの》
1 はち。やっつ。声を出してかぞえるときの語。やあ。「いつ、むう、なな、八」
2 はち。やっつ。多く、名詞の上に付けて用いる。「七転び八起き」
3 名詞の上に付けて、数量が多いことを表す。「八重咲きの花」「八雲たつ」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
や【八】
〘名〙 (よ(四)の母音交替形としてその倍数を表わしたもの)
① 八つ。名詞・
助数詞の前に直接つけて用いる。具体的な数ではなく数の多いことを表わす場合もある。「八重
(やえ)」「八岐
(やまた)の大蛇
(おろち)」「
八雲」など。
②
物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの八。実際に唱えるときには「やー」と長く発音することも多い。やあ。
※
年中行事秘抄(12C末)鎮魂祭歌「一
(ひと)二
(ふた)三
(み)四
(よ)五
(いつ)六
(むゆ)七
(なな)や九
(ここの)十
(たりや)」
[補注]「や」は
副詞の「いや」(縮約形の「や」もある)と同源との説も
近世に見られるが、
荻生徂徠は『
南留別志』で「ふたつはひとつの音の転ぜるなり。むつはみつの転ぜるなり。やつはよつの転ぜるなり」とする。
はち【八】
〘名〙
① 数の名。七に一を加えた数。また、第八番目。やっつ。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第九「俤は坊主ころしが諷ふて出る 八の口鼻(かか)めはいつの世語り」
③ 近世上方語でかしましい人をいう。〔新撰大阪詞大全(1841)〕
④ 質
(しち)をいう、人形浄瑠璃社会の
隠語。質を七に通わせ、それを八といいかえたもの。
※滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)下「
れき(〈注〉あの衣)を
孫三(〈注〉もらひ)として八(〈注〉質)えかめ(〈注〉入)たら」
ぱま【八】
〘名〙 (「八」の
唐音から) 数の八をいう。
江戸時代、拳
(けん)で用いた。
※浄瑠璃・冥途の
飛脚(1711頃)中「拳の
手品の手もたゆく、ろませ
さい、とうらい、さんな、同じ事とよ豊川に、声の
高瀬がさす腕には、はま、さんきう、ごう、りう、すむゐそれそれ何と」
やあ【八】
〘名〙 (「や(八)」をのばしていう語) 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの八。
※洒落本・青楼夜世界闇明月(1789‐1801)局鄽宵多語「ひいふうみいよういつむうななやアこのとう十一、トかぞへる内に」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報