精選版 日本国語大辞典 「斑」の意味・読み・例文・類語
むら【斑】
〘名〙
※名語記(1275)三「ぬる物をば、うへをよくよくなづれば、むらもなく、きらもいでくる」
② (形動) 物事の揃わないこと。統一のないこと。一定しないこと。また、そのさま。不斉。不ぞろい。
※雑俳・二重袋(1728)「鈴の音、馬のちんばにむらが有」
③ 欠点。よくない所。また、物などのでこぼこ。
④ 気の変わりやすいこと。むら気。
もどろ・く【斑】
[1] 〘自カ四〙
① まだらになる。
② まぎれ乱れる。
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「我をはからしめんとて、もどろかしむるにはあらずや」
③ 舟がためらって進まなくなる。
※顕輔集(1155頃)「諸越のたまつむ舟のもどろけば思ひ定めん方もおぼえず」
④ だれる。だらける。元気がなくなる。
※東大寺本大般涅槃経平安後期点(1050頃)二四「身懶(モトロク)ときに心も亦た随ひて懶くがごとき」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒もどろける(斑)
ふ【斑】
まだら【斑】
〘名〙 (形動) 種々の色が入りまじっていたり、色の濃いものと淡いものとがまじっていること。また、そのものやそのさま。ぶち。
※書紀(720)推古二〇年是歳(岩崎本訓)「其の面身(むくろ)、皆斑白(マタら)なり」
※徒然草(1331頃)一八四「皆をはりかへ候はんは、はるかにたやすく候べし。まだらに候も見ぐるしくや」
もどろか・す【斑】
〘他サ四〙
① まだらにする。もどろける。
② まぎらわしくする。まぎらす。まどわす。みだす。
もどろ【斑】
〘形動〙 まだらなさま。また、乱れまぎれるさま。
※経信集(1097頃)「み狩するかきのねすりの衣手に乱れもどろにしめる我が恋」
まんだら【斑】
〘名〙 「まだら(斑)」の変化した語。
※浄瑠璃・小栗判官車街道(1738)二「俺が飼たまんだらめに轡を銜て」
ふち【斑】
〘名〙 ⇒ぶち(斑)
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