デジタル大辞泉
「色色」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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いろ‐いろ【色色】
- [ 1 ]
- ① ( 形動 ) さまざまの色。各種の色。
- [初出の実例]「秋の花 しが色々爾(いろいろニ) 見(め)し賜ひ」(出典:万葉集(8C後)一九・四二五四)
- 「いろいろの紙をつぎつつ、手習をし給ひ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)須磨)
- ② 中古、女房の襲(かさね)の色目。各種の色(薄色、萌葱、紅梅、蘇芳、山吹)を重ねること。
- [初出の実例]「殿の宮には、女房色々を三つづつ匂はして十五に、紅の打ちたる、萌黄(もえぎ)の織物の表著(うはぎ)也」(出典:栄花物語(1028‐92頃)根合)
- ③ ( 形動 ) さまざま。種々。
- [初出の実例]「旅の空に、助け給ふべき人もなき所に、色々の病(やまひ)をして」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- 「よくいろいろなことをいふヨ」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初)
- [ 2 ] 〘 副詞 〙 さまざまに。種々に。
- [初出の実例]「いつのほどに、いとかく色々おぼしまうけけん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)御法)
- 「寔(まこと)に最う種々(イロイロ)お世話になりますは」(出典:人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)五)
色色の語誌
名詞「色」の畳語形。そのため、その原義は、[ 一 ]①のような文字通りの意味であった。平安時代には、「色々」の指し示す対象は、「花」「木の葉」「錦・織物」「糸」「紙」「玉」などに集中していて、それぞれの色とりどりのさまを、多く表わし、鎌倉時代でも、やはり、主流の意味は「さまざまの色」であった。それが、室町時代後半になると、現代語のような「さまざま」へと意味の主流が変化して、ついに江戸時代には、「いろんな」という連体詞までが派生してくる。
いろいろ‐
し【色色】
- 〘 形容詞シク活用 〙
- ① きらびやかである。美々しい。けばけばしい。
- [初出の実例]「皆いろいろしくあだにおはしますしも、めでたげなり」(出典:栄花物語(1028‐92頃)若水)
- ② 色好みである。好色めいている。
- [初出の実例]「色々敷(しき)物にて、よきあしきをきらはず、女といへば心をうごかしけり」(出典:古今著聞集(1254)一六)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「色色」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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