卦体(読み)ケタイ

デジタル大辞泉 「卦体」の意味・読み・例文・類語

け‐たい【×卦体】

[名]易の算木さんぎに現れた卦の形。占い結果。転じて、縁起
[形動][文][ナリ]
《「きたい(希代)」の音変化とも》奇妙なさま。不思議であるさま。けったい。
「―なことの続くのは、何か変事のある知らせと」〈逍遥桐一葉
《「卦体が悪い」の略》縁起でもないさま。いやな感じがするさま。いまいましいさま。けったい。
「エエ、―な。俺たった独り振り残しをるな」〈伎・韓人漢文〉
[類語]けったい不思議怪異奇妙奇怪奇異怪奇不可思議面妖奇天烈摩訶不思議不可解不審なぞかい幻怪神秘霊妙霊異玄妙あやかしミステリーミステリアスおかしい異常異様不自然奇態風変わり特異異状異例非常別条変ちくりん変てこ変てこりん妙ちきりんおかしな珍奇新奇珍妙奇抜奇警奇想天外突飛ファンシー突拍子もない言語道断無茶めちゃむちゃくちゃめちゃくちゃめちゃめちゃ滅法法外無理乱暴無体理不尽非理不当不条理不合理非合理狂的

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「卦体」の意味・読み・例文・類語

け‐たい【卦体・怪態・怪体】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙(えき)の卦の算木(さんぎ)に現われた形。占いの結果。転じて、縁起。
    1. [初出の実例]「ちとこなたのおけたいを見まらせうと云」(出典:天理本狂言・居杭(室町末‐近世初))
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
    1. ( 「けたい(卦体)が悪い」の略 ) いまいましいさま。しゃくにさわるさま。
      1. [初出の実例]「けたいな事じゃとむしゃくり腹」(出典:浄瑠璃・東鑑御狩巻(1748)一)
    2. ( 「きたい(希代)」の変化した語とも ) 奇妙なさま。不思議なさま。けったい。
      1. [初出の実例]「夫ならば行てこまそ。けたいな事じゃと走行」(出典:浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)四)

けっ‐たい【卦体・怪態】

  1. ( 「けたい(卦体)」の変化した語 )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙けたい(卦体)[ 一 ]
  3. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
    1. けたい(卦体)[ 二 ]〔浪花聞書(1819頃)〕
    2. けたい(卦体)[ 二 ]
      1. [初出の実例]「エエうるさい。また悋気か。何をアタ怪体(ケッタイ)な」(出典:歌舞伎・近江源氏𨉷講釈(1772)四段)

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