精選版 日本国語大辞典 「奇」の意味・読み・例文・類語
くすし【奇】
〘形シク〙
※続日本紀‐天平神護二年(766)一〇月二〇日・宣命「特に久須之久(クスシク)奇(あや)しき事を思ひ議(はか)ること極まりて難し」
※枕(10C終)二九二「物忌くすしう、〈略〉などするものの名を姓(さう)にて持たる人のあるが」
くすし‐が・る
〘自ラ四〙
き【奇】
〘名〙
① (形動) めずらしいこと。思いがけないこと。ふしぎなさま。
※玉葉‐仁安元年(1166)一二月五日「右大将云、御幸未刻之由奉レ之、而于レ今遅々如何、為レ奇」
※めぐりあひ(1888‐89)〈二葉亭四迷訳〉一「何も角もさっぱりと呑込めない…それにしても余程奇な事だなア!」 〔戦国策‐秦策・孝文王〕
② (形動) 妙(たえ)で、すぐれていること。変わっていて興味深いさま。
※燈前夜話(15C後)下「西湖の景は雨にも奇なり。晴にも好し」 〔蘇軾‐飲湖上初晴後雨二首詩〕
※四河入海(17C前)五「陽の数は奇也。一三五七九以上并二十五、奇はもののかたかたあるを云也」
くし【奇】
〘形シク〙
① 奇異である。霊妙である。不思議である。→奇御魂(くしみたま)。
※続日本紀‐天平神護元年(765)三月五日・宣命「天地の明けき奇伎(くしキ)徴(しるし)の授け賜ふ人は」
くすばし【奇】
〘形シク〙 不思議である。珍しい。くすし。
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