厄(漢字)

普及版 字通 「厄(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

(異体字)
5画

[字音] ヤク・ガ(グヮ)
[字訓] くびき・わざわい・くるしむ

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
車馬に用いるくびきの形。〔説文〕九上に「科厄(くわやく)、木なり。卩(せつ)に從ひ、厂(かん)聲」とするが、声異なり、全体が象形の字。〔説文〕にまた「賈侍中説」として、「厄は裹(つつ)むなり。一に曰く、厄は蓋(おほ)ふなり」とする賈逵説を引く。〔詩、大雅、韓奕〕に「革(でうかく)金厄あり」と、馬具を歌う。災厄の意に用いるのは、(やく)との通用義である。

[訓義]
1. くびき。
2. 木のふし、木のふしくれ。
3. わざわい、くるしみ、くるしむ、あやうい。
4. つつむ、おおう。
5. 扼(やく)と通じ、つなぐ、かける。

[古辞書の訓]
名義抄〕厄 アヤフシ・ワヅラヒ・アヤフミ・タシナム/ 今の厄なり

[語系]
厄・・阨・・扼・・隘ekは同声。握eokも声義近く、すべて強くもち、くびる意がある。厄はくびきの形、(益)は紐を縊(くく)る意。握はにぎりしめる。屋はせまく小さな建物、もと喪屋をいう字であった。

[熟語]
厄運・厄会厄害・厄窮厄急厄境厄困厄挫・厄厄日厄閏厄塞厄滞厄難厄抑
[下接語]
科厄・危厄・窮厄・金厄・窘厄・困厄・災厄・書厄・人厄・世厄・厄・厄・幽厄

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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