咫尺(読み)シセキ

デジタル大辞泉 「咫尺」の意味・読み・例文・類語

し‐せき【×咫▽尺】

[名](スル)《「咫」は中国の周の制度で8寸、「尺」は10寸》
1 距離が非常に近いこと。「咫尺の間かん」
2 貴人の前近くに出て拝謁すること。
「恐れ多くも九重ここのえに―し奉った例ためしは」〈魯庵・社会百面相〉
[類語]手近い・程近い・近い・間近い・間近・じき・すぐ・至近・近く・目前・鼻先・手が届く・指呼しこ・目睫もくしょうの間かん・目と鼻の先・身近・手近・卑近・身辺・そば・傍かたわら・脇わき・横・片方かたえ・手もと・付近・近辺・近傍・近所・最寄り・許もと・足元・座右・左右・手回り・身の回り・ついそこ・まのあたり・目睫もくしょう・面前・目の前・眼前・現前・目先・鼻面はなづら・鼻っ面つら・前面・正面・真ん前・手前・先方・直前

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精選版 日本国語大辞典 「咫尺」の意味・読み・例文・類語

し‐せき【咫尺】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「咫」は中国の周尺で八寸=約一八センチメートル、「尺」は一尺で一〇寸=約二二・五センチメートルの意 )
  2. ① 尺度の短いこと。距離の近いこと。
    1. [初出の実例]「名山大水宛然是。咫尺能分二千万里一」(出典:経国集(827)一四・奉和清涼殿画壁山水歌〈都腹赤〉)
    2. 「ひとり人の心のあひむかへる時、咫尺の間もはかる事あたはず」(出典:平治物語(1220頃か)中)
    3. [その他の文献]〔戦国策‐趙策上・粛侯〕
  3. ② ( ━する ) ( 「春秋左伝‐僖公九年」の「天威不レ違レ顔咫尺」から ) 貴人などに近よること。拝謁(はいえつ)すること。
    1. [初出の実例]「為三君占二得龍媒賜一。咫二尺雲霄一任レ意驤」(出典:田氏家集(892頃)上・和高侍中鎮夷府貢良馬数十疋、有勅頒賜、偶題長句)
    2. 「玉扆(ぎょくい)に咫尺(シセキ)して被召仕ける人とては」(出典:太平記(14C後)四)
    3. 「世に愛たき宝石に咫尺(シセキ)するの栄を得ばやと」(出典:金色夜叉(1897‐98)〈尾崎紅葉〉前)

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普及版 字通 「咫尺」の読み・字形・画数・意味

【咫尺】しせき

尺余。わずかな距離。〔国語、斉語〕天威、顏を(さ)らざること咫尺。小白(桓公)余、敢て天子の命に、爾(なんぢ)下拜すること無(なか)れと曰ふを承けんや。下(しも)に隕越(ゐんゑつ)して、以て天子の羞(はぢ)を爲さんことをると。に下りて拜し、升(のぼ)りて命を受く。

字通「咫」の項目を見る。

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世界大百科事典(旧版)内の咫尺の言及

【五色墨】より

…其角没して25年,世の作者はまことの心を失い,孕(はら)み句を作っては,点取の勝負にこだわる。このような弊を排するため,宗瑞(そうずい),蓮之,咫尺(しせき),素丸,長水の5人が相寄り,《新撰六帖》にならって輪番で1人が判者となり,四吟歌仙五巻を興行し,互いに批評し合って楽しんだ。巻頭に点取俳諧を難じた《雑談集》の其角の文を掲げ,巻末には敬雨を加えた6人の竟宴歌仙を付す。…

※「咫尺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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