希有・稀有(読み)きゆう

大辞林 第三版の解説

きゆう【希有・稀有】

( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
〔漢音〕
けう(希有)」に同じ。 「 -なる振舞したまふ/文づかひ 鷗外

けう【希有・稀有】

( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
めったにないこと。非常に珍しいこと。また、そのさま。 「 -な事例」
不思議なこと。 「又種々の-の事を啓す/今昔 1
意外なこと。とんでもないこと。 「こは-の狼藉かな/徒然 106
[句項目] 希有にして

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

き‐ゆう ‥イウ【希有・稀有】

〘名〙 (「きゆう」は「希有」の漢音) 存在がまれであること。めったに出現しないこと。普通は呉音で「けう」という。〔広益熟字典(1874)〕
※浅草紅団(1929‐30)〈川端康成〉二一「『浅草寺縁起』の序文に〈略〉爾来当山は一千三百余年の久しきにわたり、皇国希有(キイウ)の霊刹(れいさつ)

け‐う【希有・稀有】

〘名〙 (形動)(「け」「う」は「希」「有」の呉音)
① めったにないこと。珍しいこと。
※勝鬘経義疏(611)歎仏真実功徳章「但聞是希故云希有
洒落本・文選臥坐(1790)東北の雲談「『琉球風炉に、チンカラ、なぞといふがありヤス』『ハテけうな名じゃな』」 〔孔叢子・雑訓〕
② 不思議なこと。
霊異記(810‐824)上「是に希有の想を発して禅師に白して言はく」
※源氏(1001‐14頃)手習「いとあやしうけうのことをなんみ給へし」 〔法華経‐序品〕
③ (多く悪い事について) 意外であること。とんでもないこと。
今昔(1120頃か)二四「御房は希有(けうの)事云ふ者かな」
徒然草(1331頃)一〇六「こは希有の狼籍かな」
[語誌](1)仏典を通じて受け入れられた語か。
(2)中世には「希有の命を生きる」のような慣用句が生じて、九死に一生を得るの意味で、軍記物語に多く用いられている。

け‐ぶ【希有・稀有】

〘形動〙 (「けう(希有)」の変化した語) ふしぎなさま。奇妙なさま。
咄本・軽口大黒柱(1773)一「ヤア米屋へ米を売るとは、ムム払ひ米か、どれどれ、ハアしたがこいつ、けぶな米じゃわい」

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