デジタル大辞泉
「幼」の意味・読み・例文・類語
いと【▽幼】
[名]《近世上方語》幼児。男女の区別なく用いたが、後期には女児をさすようになった。
「お生まれなされた―様(=男児)の」〈浄・布引滝〉
「向かひの嬶や隣の―(=女児)なぞ対手にして」〈滑・浮世風呂・四〉
[接頭]名詞に付いて、おさない、いとけない、の意を表す。
「―姫君二つ三つばかりにておはしませば」〈栄花・初花〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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おさ‐なをさ‥【幼】
- [ 1 ] ( 形容詞「おさなし」の語幹 )
- (イ) 感動詞「あな」を伴ったりして感動文を作り、「幼いことよ」「子供子供していることよ」の意を表わす。
- [初出の実例]「なににかおぼしいるる。あなおさな」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
- (ロ) 下に「の」を添えて連体修飾語を作る。幼いこと。幼いさま。
- [初出の実例]「げにあが君や、をさなの御物言ひやな」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
- (ハ) 名詞の上に付いて、複合語を作り、「幼いこと、幼い時」の意を添える。「幼遊び」「幼顔」「幼心」「幼友達」「幼馴染」
- [ 2 ] 〘 名詞 〙
- ① 「おさなな(幼名)」の略。
- [初出の実例]「文の末へおさなを書くよふになると、むづかしいね」(出典:黄表紙・江戸生艷気樺焼(1785)上)
- ② =おさなご(幼子)
- [初出の実例]「此おさな、仏の守りし給ひけん」(出典:俳諧・おらが春(1819))
ようエウ【幼】
- 〘 名詞 〙 ( 形動 ) おさないとき。また、おさない者やおさないさま。
- [初出の実例]「神叡法師。幼而卓絶」(出典:続日本紀‐養老三年(719)一一月乙卯)
- 「幼(ヨウ)より習はさざりし恨(うらみ)も今更なり」(出典:歌謡・松の葉(1703)跋)
- [その他の文献]〔礼記‐曲礼上〕
おさなくをさなく【幼】
- 〘 名詞 〙 ( 形容詞「おさない」の連用形が名詞化したもの ) 幼い時。
- [初出の実例]「姉なる人、子産みて亡くなりぬ。よその事だに、をさなくより、いみじくあはれと思ひわたるに、ましていはむ方なく、あはれに悲しと思ひ嘆かる」(出典:更級日記(1059頃))
おさ‐な
しをさ‥【幼】
- 〘 形容詞シク活用 〙 =おさない(幼)
- [初出の実例]「Vosanaxij(ヲサナシイ) コトヲ ユウ」(出典:日葡辞書(1603‐04))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「幼」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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