普及版 字通 「放」の読み・字形・画数・意味
放
常用漢字 8画
[字訓] はなつ・はなす・ならう
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
方+攴(ぼく)。方は架屍の形。これを殴(う)って邪霊を放逐する共感呪術的な呪儀。〔説文〕四下に「ふなり」と訓し、方(ほう)声とするが、方は殴撃を加える対象物である。その架屍に頭部の形を加えたものは(きよう)で、徼の初文。巫女を殴つものは(微)、長髪の人を殴つものは(徴)・傲。邪霊を微(な)くし、徼(もと)めるところを徴するもので、敵に傲る相似た呪法をいう。みな古代祭梟(さいきよう)(首祭)の俗を示す字である。
[訓義]
1. はなつ、おう、さる、しりぞける、つきはなす。
2. ほしいまま、ときはなす、のべる、ひろげる、あらわす。
3. おく、すておく、やめる。
4. 倣(ほう)と通じ、ならう、まねする、のっとる、にかよう。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕放 ハナツ・ユルス・ホシイママ・アカス・イタル・アラハニ・マカス・ママニ・ナラフ・ヲシフ・ミダリカハシ・オク 〔字鏡集〕放 アソブ・イタル・アラハル・オク・ハナツ・ナラフ・スタル・コロホヒ・マナブ・ミダリガハシ・ヲシフ・マカス・ウルカ・ホシイママ・イタム・ナゾラフ・ママニ・ユルス・スツ・チル・ツヒニ・ヨル
[部首]
〔説文〕に敖(ごう)・の二字を属する。ともに相似た祭梟の呪法をいう。敖声・声の字はみなその声義を承ける。
[声系]
倣は放声。後起の字で、古くは(ほう)・效(効)を用いた。
[語系]
方・放piuangは同声。通用の義が多い。效he、學(学)heukも声義の通ずるところがあり、放効のように用いる。
[熟語]
放依▶・放意▶・放佚▶・放逸▶・放▶・放遠▶・放下▶・放歌▶・放仮▶・放過▶・放課▶・放衙▶・放懐▶・放鶴▶・放学▶・放款▶・放還▶・放給▶・放牛▶・放狂▶・放▶・放吟▶・放遣▶・放言▶・放古▶・放鼓▶・放工▶・放光▶・放効▶・放曠▶・放告▶・放債▶・放殺▶・放散▶・放志▶・放恣▶・放弑▶・放士▶・放支▶・放肆▶・放▶・放失▶・放赦▶・放釈▶・放囚▶・放出▶・放春▶・放縦▶・放生▶・放従▶・放餉▶・放情▶・放心▶・放臣▶・放神▶・放賑▶・放人▶・放酔▶・放斥▶・放絶▶・放銭▶・放走▶・放鏃▶・放率▶・放惰▶・放対▶・放大▶・放達▶・放誕▶・放逐▶・放黜▶・放糶▶・放▶・放灯▶・放盪▶・放▶・放任▶・放念▶・放廃▶・放髪▶・放伐▶・放飯▶・放屁▶・放飄▶・放紛▶・放米▶・放辟▶・放歩▶・放俸▶・放烽▶・放牧▶・放▶・放慢▶・放民▶・放免▶・放洋▶・放鷹▶・放埒▶・放懶▶・放溜▶・放流▶・放慮▶・放良▶・放浪▶・放論▶
[下接語]
放・遠放・横放・遐放・開放・解放・閑放・虚放・宏放・拘放・荒放・高放・曠放・豪放・遨放・罪放・恣放・肆放・奢放・邪放・釈放・放・舒放・縦放・清放・粗放・疎放・怠放・放・誕放・黜放・超放・追放・通放・天放・任放・廃放・奔放・遊放・嬾放・流放
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報