粛粛(読み)シュクシュク

デジタル大辞泉 「粛粛」の意味・読み・例文・類語

しゅく‐しゅく【粛粛】

[ト・タル][文][形動タリ]
ひっそりと静まっているさま。「鞭声粛粛夜河をわたる」
「わが血潮は、―と動くにも拘らず音なくして」〈漱石虞美人草
おごそかなさま。厳粛なさま。威厳をもって物事を行うさま。「移転計画を粛粛と進める」
「数十頭の乗馬隊が―と進んで行くのは絵のごとく」〈火野麦と兵隊
つつしみうやまうさま。
「上帝英傑を下して国人を救うと信じ…日夜―として之をりき」〈雪嶺・真善美日本人〉
[類語]厳粛厳然おごそか森厳荘厳荘重重厚重重しい物物しい厳めしい厳としてげん重量感どっしりずっしりずしりずしっとどっかとがっしり重み広量堂堂大度太っ腹マッシブ物静か内気弱気引っ込み思案気弱内弁慶陰弁慶臆病大人しいこわがり小心小胆怯懦きょうだ怯弱きょうじゃく意気地なし小心翼翼弱腰薄弱惰弱柔弱軟弱優柔不断やわやわ弱弱しい女女しい弱音を吐く・音を上げる悲鳴を上げる・気が弱い腰が弱い煮え切らない肝が小さい・肝っ玉が小さい・温順柔順従順温柔温良順良素直穏和おだやかおとなしやか控えめ優しい内向的人見知りしんねりむっつりシャイ心静か安らか安穏のどか悠長悠然悠悠悠揚浩然気長伸び伸び伸びやかのんびり屈託無い自然体のんどりしなやかしとやかなよやかなよなよしっとり物柔らか静静しずしずソフトおっとり婉然えんぜんしおらしい閑語たおやかナイーブ心優しい柔和温雅鷹揚おうよう静心しずこころ従容しょうよう悠悠閑閑おおどかつつましい奥ゆかしい泰然自若平静冷静安静しみじみしっぽりしんみり静まる温顔温容春風駘蕩たいとう穏便静謐せいひつ静粛

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精選版 日本国語大辞典 「粛粛」の意味・読み・例文・類語

しゅく‐しゅく【粛粛】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙
  2. つつしみうやまうさま。うやうやしくするさま。
    1. [初出の実例]「孝愛椿萱恒粛粛、交締蘭蕙既偲偲」(出典新編覆醤集(1676)二・答林春斎并序)
    2. 「上帝英傑を下して国人を救ふと信じ、〈略〉日夜粛々として之を俟てりき」(出典:真善美日本人(1891)〈三宅雪嶺〉日本人の任務)
    3. [その他の文献]〔詩経‐大雅・思斉〕
  3. 静かでひっそりしたさま。ものさびしいさま。寂々(せきせき)。蕭々(しょうしょう)
    1. [初出の実例]「鞭声粛粛夜過河、暁見千兵擁大牙」(出典:山陽詩鈔(1833)一・題不識庵撃機山図)
    2. [その他の文献]〔潘岳‐寡婦賦〕
  4. ひきしまったさま。ととのったさま。
    1. [初出の実例]「各軍団粛々として山を下り或は右に赴き或は左に赴く」(出典:経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後)
    2. [その他の文献]〔詩経‐周南・兎
  5. おごそかなさま。厳粛なさま。
    1. [初出の実例]「更に冷然として一定の足並を以て粛々(シュクシュク)と歩出せり」(出典:夜行巡査(1895)〈泉鏡花〉五)
    2. [その他の文献]〔詩経‐小雅・黍苗〕
  6. 松などの樹木に、風があたってものさびしい音をたてるさま。また、風がひややかに吹くさま。
    1. [初出の実例]「小星三五何粲粲、晨風粛粛当誰」(出典:南郭先生文集‐初編(1727)一・鐃歌十八首・有所思)
    2. [その他の文献]〔世説新語‐容止〕

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普及版 字通 「粛粛」の読み・字形・画数・意味

【粛粛】しゆくしゆく

ひきしまって、きびしいさま。〔世説新語、容止〕康、身の長(たけ)七尺寸、風特秀なり。~或いは云ふ。肅肅として下の風の、高くして徐(しづ)かに引くが如しと。

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