(読み)せき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


せき

三重県北部,亀山市西部の旧町域。鈴鹿山脈南東麓にある。 1889年町制,1955年関町と坂下村,加太村が合体。 2005年亀山市と合体。地名鈴鹿関に由来。古代からの交通の要地で中心地区の関は東海道と伊勢別街道 (現国道 25号線) の分岐点にあたり,関宿と呼ばれて宿駅が発達し,江戸時代は県下で亀山宿に次ぐ規模であった。鈴鹿川流域の米作,古くからの林産業も行なわれるが,近年観光業が重要になっている。宿の面影を残す建物が多く,1984年に伝統的建造物群保存地区に指定。また行基が開いた名刹関の地蔵院 (九関山宝蔵寺) は国の重要文化財に,正法寺山荘跡は国の史跡にそれぞれ指定されている。北部坂下も東海道の旧宿場町。滋賀県との県境の山岳地帯は鈴鹿国定公園に属する。

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デジタル大辞泉の解説

かん〔クワン〕【関】

出入りを取り締まる所。関所(せきしょ)。せき。
穴(けいけつ)の一。へその近くにある。関元(かんげん)。

かん【関〔關〕】[漢字項目]

[音]カン(クヮン)(漢) [訓]せき かかわる かんぬき あずかる
学習漢字]4年
〈カン〉
門や扉を閉じる横木。かんぬき。「関鍵(かんけん)
国境などに設けて通行人を調べる所。せき。「関西関税税関通関
入り口。「関門玄関難関
有機的につながっている仕組みや仕掛け。「関節機関
つながりを持つ。かかわる。「関係関心関知関与関連相関連関
「関白」の略。「摂関
〈せき(ぜき)〉「関所(せきしょ)関守大関
[名のり]とおる・み・もり
[難読]機関(からくり)

せき【関】

《「」と同語源》
関所」に同じ。「箱根
物事をさえぎりとどめるもの。へだて。しきり。
「人目の―を離れし場所にて」〈魯庵社会百面相
相撲取りの最上位の者。関取。→ぜき(関)
射芸で、最終の射手。
囲碁で攻め合いになった場合、先に石を打ったほうが打ち上げられる局面。ともに「活(い)き」だが「地(じ)」にはならない。

せき【関】[地名]

岐阜県中部の市。鎌倉時代から始まる刀鍛冶(かたなかじ)で知られ、関の孫六などの名匠が出た。刃物洋食器を生産。平成17年(2005)2月に洞戸(ほらど)村、板取村、武芸川(むげがわ)町、武儀(むぎ)町、上之保(かみのほ)村を編入し、V字型の市域となった。人口9.1万(2010)。
東海道五十三次の宿場の一。現在の三重県亀山市の地名。

せき【関】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「関」姓の人物
関寛斎(せきかんさい)
関孝和(せきたかかず)
関一(せきはじめ)

ぜき【関】

[接尾]《「関取(せきとり)」の略》相撲で十両以上の力士のしこ名に付ける敬称。「若乃花

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大辞林 第三版の解説

かん【関】

関所。門。せき。

せき【関】

岐阜県南部の市。鎌倉時代から刀鍛冶かじで知られ、刃物・洋食器・農機具を産出。
三重県北西部、亀山市の地名。鈴鹿峠の東麓とうろくにあり、鈴鹿関が置かれていた。

せき【関】

姓氏の一。

ぜき【関】

接尾
関取の略
相撲で、十両以上の力士のしこ名につけて用いる敬称。 千代の富士-

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


せき

三重県中北部、鈴鹿郡(すずかぐん)にあった町(関町(ちょう))。現在は亀山市西部を占める地域。旧関町は、1889年(明治22)町制施行。1955年(昭和30)加太(かぶと)、坂下(さかした)の2村を編入。鈴鹿郡に残された唯一の町であったが、2005年(平成17)亀山市に合併、この合併により鈴鹿郡は消滅した。旧町名は古代の三関の一つ鈴鹿関に由来する。地域の中心部は鈴鹿川と加太川の合流点の下流左岸の河岸段丘上にあり、JR関西本線と国道1号が通る。古来、東海道、大和(やまと)街道、伊勢(いせ)別街道の分岐点で、現在も国道1号、25号、名阪国道、東名阪自動車道、伊勢自動車道が分岐する交通の要衝である。米作と茶栽培が盛ん。また、名阪亀山・関工業団地も造成されている。町内には近世の東海道の関宿と坂下宿があり、関宿は1800年(寛政12)の絵図では本陣2、脇本陣2、旅籠(はたご)87を数え、県内では亀山に次ぐ規模であった。当時のおもかげを残す家屋が多く、1984年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された。関宿旅籠玉屋歴史資料館、関まちなみ資料館、鈴鹿馬子唄会館などがある。「関の地蔵さん」として親しまれる地蔵院は奈良時代の行基(ぎょうき)の開基と伝え、愛染堂は県下最古(室町期とも江戸初期とも)の木造建築物で、本堂、鐘楼とともに国の重要文化財。北部の山岳地帯は鈴鹿国定公園に含まれている。[伊藤達雄]
『『鈴鹿関町史』全2巻(1977、1984・関町)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

かん クヮン【関】

〘名〙
① (門戸をさしかためる横木、貫木(かんのき)の意から) 出入りを取りしまるための門。関所。せき。
唱歌・箱根八里(1901)〈鳥居忱〉「一夫関(クヮン)に当るや万夫も開くなし」 〔易経‐復卦〕
漢方医学でいう人体の一部。手首の下の動脈が搏(う)つ箇所の一つ。
史記抄(1477)一四「三部を以て云へば、を為上焦ぞ。関を為中焦ぞ。を為下焦ぞ」
③ へそのまわり三寸ほどの部分。呼吸する気息が腹中におさまるところとされた。

かん‐・す クヮン‥【関】

〘自サ変〙 ⇒かんする(関)

かん‐・する クヮン‥【関】

〘自サ変〙 くゎん・す 〘自サ変〙 かかわる。たずさわる。関係する。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一九「美人に媚従するも人曾て関せざる者とす」

せき【関】

[1] 〘名〙 (「せき(堰)」と同語源)
物事をささえとめること。また、そのもの。へだて。
※伊勢物語(10C前)九五「彦星に恋はまさりぬ天の河へだつるせきをいまはやめてよ」
③ 国境や要所などにあって、通行者を検問する所。
(イ) 関所。
※書紀(720)天武八年一一月(北野本訓)「是の月 初めて関(セキ)を龍田の山・大坂の山に置く」
※太平記(14C後)九「谷合の関(セキ)逆木(さかもぎ)も引除(のけ)て通る人無ければ」
(ロ) 特に、逢坂(おうさか)の関をいう。
※蜻蛉(974頃)中「いはんや、せきにいたりて、しばし車とどめて」
④ 「せきせん(関銭)」の略。〔日葡辞書(1603‐04)〕
⑤ 獣を入れておくおり。かこい。
※新撰字鏡(898‐901頃)「圏 獣闌 世支」
相撲取りの最上位の者。最上位で相撲を取る者。関取。大関。→関(ぜき)
※室町殿日記(1602頃)一〇「よひより一番もとらざりければ、人々いでて関をとれとぞすすめける」
⑦ (「関の山」の形で用いて) 物事の限度。
射芸で、最後の射手の称。転じて、弓矢に巧みな人。関の後(うしろ)
※御伽草子・鴉鷺合戦物語(室町中)「其せきは、大略、敵つらをまもり具足をまぼる」
⑨ (「持」「塞」の字をあてることもある) 囲碁で、攻合いの形になっている双方の一連の石が、互いに相手を取りに行くと自分のダメが詰まって逆に打ち上げられてしまう状態。せきの石で囲んだ点は地には数えないが、その中で取る石はハマとして地に換算される。せきはせきくずれまたはコウダテに使われない限り、生き石である。
※俳諧・大坂独吟集(1675)下「味噌こし碁又まいらふか峰の坊 おせきもつ共遅き月影〈由平〉」
⑩ 「せきぶね(関船)」の略。〔和漢船用集(1766)〕
[2]
[一] (鎌倉時代に東山道の関所が置かれたところからの呼称) 岐阜県南部の地名。長良川に沿う。鎌倉時代から刀鍛冶で知られ、明治中期からポケットナイフの生産が始まり、刃物・洋食器製造を主とする。新長谷寺・彌勒寺跡などがある。昭和二五年(一九五〇)市制。
[二] 三重県亀山市の地名。鈴鹿峠東側のふもとにあり、江戸時代は東海道の宿場町として発展。古代、鈴鹿関が置かれていた。

ぜき【関】

〘接尾〙 (「関取(せきとり)」の略) 相撲で十両以上の力士名にそえる敬称。「双葉山関」

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世界大百科事典内のの言及

【関所】より

…道路上の要衝に設け,通行者,貨物を検査し,あるいは通行税(関銭)を徴収し,事あるときは交通を遮断し防備にあたった施設。古くは関といった。…

【漂泊民】より

…そしてこうした対立した立場のいずれが社会の中で支配的な比重を持つかによって,一方による他方の抑圧,賤視が生じうるが,それは時代により,また民族,地域等によってさまざまであり,固定的にとらえることはできない。 日本の社会の場合,漂泊民と定住民との分化が多少とも現れてくるのは,農業の開始以後であるが,14世紀ごろまでは,その区別は必ずしも明確でなく,両者の関係は流動的であった。漁労民―海民,狩猟・採集民―山民,さらに芸能民,呪術者,宗教者,商工民等が,山野河海で活動し,道を通り,市で交易活動を展開する限りにおいて,彼らは漂泊民,遍歴民として姿を現すが,その根拠地においては若干の農業に携わる場合が多かった。…

【旅券】より

…そのほか,指揮者のいる団体旅行者に一括して与えられる団体旅券,無国籍者や本国の旅券を取得できない外国人に所在国が与える外国人旅券の制度をもつ国もある。権限ある国際機関や所在国が難民に発給する旅券や難民旅行証明書(例えば,国際連盟時代に難民高等弁務官ナンセンの発案で難民所在国が発給した身分証明書はナンセン旅券と呼ばれた),さらに領事の発行した渡航証明書などが,広義の旅券として日本で認められている。 日本の〈出入国管理及び難民認定法〉(出入国管理)は,乗員手帳を持つ船員などを除き〈外国人は,有効な旅券を所持しなければ本邦に入ってはならない〉(3条1項)と規定する。…

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