並べて(読み)ナベテ

デジタル大辞泉 「並べて」の意味・読み・例文・類語

なべ‐て【並べて】

[副]《動詞「な(並)ぶ」の連用形接続助詞「て」から》
全体が同じような状態・程度であるさま。総じて。おしなべて。「このクラス並べて成績がよい」
普通であるさま。
「御ありさまの、あやしく、げに―に覚え給はぬなり」〈橋姫
[類語]凡て何もかもことごとくみな・みんな悉皆しっかい残らず余すところなく漏れなく逐一ちくいちすっかりそっくり洗いざら一から十までくまなく根こそぎ虱潰しあまねく満遍ない万事一切一切合財丸ごとごっそりすっぽりいちいち細大漏らさず何でもかんでも根掘り葉掘り

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精選版 日本国語大辞典 「並べて」の意味・読み・例文・類語

なべ‐て【並て】

  1. 〘 副詞 〙 ( 動詞「なぶ(並)」の連用形に、助詞「て」の付いてできたもの。「なべての」の形で、連体修飾語として用いることも多い )
  2. 同じ状態が広くいきわたるさまを表わす。おしなべて。一面に。一帯に。
    1. [初出の実例]「秋風のふきとふきぬるむさしのはなべてくさばの色かはりけり〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋五・八二一)
  3. 事柄が同じ程度・状態であるさまを表わす。すべて。総じて。一般に。概して。
    1. [初出の実例]「つくばねの峯のもみぢばおちつもりしるもしらぬもなべてかなしも〈ひたちうた〉」(出典:古今和歌集(905‐914)東歌・一〇九六)
    2. 「なべて人内用の時客来あれば、無挨拶の顔付をし」(出典:仮名草子・身の鏡(1659)中)
  4. 事柄の程度や状態が、格別なことなく並一通りであるさまを表わす。なみ。尋常。後に、否定表現・反語表現を伴うことが多い。→なべてならず
    1. [初出の実例]「帝〈略〉なべての人の使は、明けたてば、立ち並みたれど出で入りもせず」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
    2. 「なべての人ほどなる男とみる程に、おびたたしく大になりて、この男を唯一口に食ひてけり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一二)

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