デジタル大辞泉 「ハリケーン」の意味・読み・例文・類語
ハリケーン(hurricane)
[類語]台風・低気圧・熱帯低気圧・風・雨風・波風・風浪・風雪・風雨・無風・微風・そよ風・軟風・強風・突風・烈風・疾風・はやて・大風・颶風・暴風・爆風・ストーム・サイクロン・神風・砂嵐・つむじ風・旋風・竜巻・トルネード・追い風・順風・向かい風・逆風・横風・朝風・夕風・夜風・春一番・
翻訳|hurricane
日本では北大西洋西部のカリブ海やメキシコ湾で発生する強い熱帯低気圧(日本でいう台風)のみを呼ぶことも多いが,世界気象機関(WMO)では,東経180°以東の太平洋と大西洋にある熱帯低気圧のうち,最大風速が33m/s以上のものと定義している。発生は北半球に限られ,年間発生数は太平洋で平均約6個,大西洋で平均約5個である。とくに大西洋のものは大暴風雨を伴って西インド諸島,中央アメリカ,北アメリカのメキシコ湾岸をしばしば襲い,広い地域にわたって農作物や建物に大きな被害を及ぼすことがある。9月を中心に8月から10月に多く発生し,7月に発生するものは西進するものが多く,秋に発生するものは進路を西からしだいに北東に変えフロリダ半島に向かうものが多い。太平洋のものも9月を中心に8月,10月に多く発生し季節により進路を変える。アメリカは1953年よりアルファベット順の女性名をつけて呼ぶようになり,79年からは男性名と女性名を交互につけている。ハリケーンはスペイン語のウラカンhuracánに由来するが,これはもとはカリブ海原住民の風の神の名から出ていることばである。
→台風
執筆者:柳町 晴美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
北大西洋および北太平洋東部で発生する発達した熱帯低気圧。性質は台風と同じである。世界気象機関(WMO)では、この地域の熱帯低気圧のうち最大風速が毎秒32.7メートル(64ノット)以上のものをハリケーンとよび、日本では台風の基準と同じ最大風速が毎秒17.2メートル以上のものをさすことも多い。語源はスペイン語ウラカンhuracanであるが、これはカリブ海沿岸に住む民族の暴風の神ウラカンからきている。台風なみに発達した熱帯低気圧の1年間の平均数は北大西洋で10個、北太平洋東部で14個であるが、このうちハリケーンはおのおの6個と7個である。ハリケーンの多くは小型であるが、2005年8月のハリケーン「カトリーナ」など大型のものは、メキシコ湾沿岸に上陸するとき甚大な被害を与える。なお、風力階級で12(毎秒32.7メートル以上)の風の呼称として用いられることもある。
[饒村 曜]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)
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