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ブランデー ブランデーbrandy

翻訳|brandy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ブランデー
brandy

果実酒を蒸留したものの総称。アルコール濃度は 40~50%。原材料名をつけてグレープブランデープラムブランデーなどと呼ぶ。一般にはグレープブランデーをさす。 16世紀なかば頃から造られ,フランスでは「生命の泉」と呼んでいる。品質は,原料ぶどうの品質に大きく左右されるが,果汁の酸度が高く,糖分は 18~19%程度がよいとされている。楢 (なら) またはかし材の樽に貯蔵され,5~10年の熟成期間が必要。ぶどう以外の果実から造るブランデーとして,りんご酒を蒸留したりんごブランデー (フランス産カルバドス,アメリカ産のアップルジャック) ,あるいはプラムブランデー,チェリーブランデーが有名。フランス南西部シャラント地方が名産地で,コニャックが代表的なものである。

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百科事典マイペディアの解説

ブランデー

果実から作った蒸留酒の総称。原料果実の種類によりグレープブランデー,アップルブランデー(カルバドスなど),チェリーブランデーキルシュなど)などに分けられるが,普通はグレープブランデーをさす。
→関連項目アレキサンダーカクテルサイドカー(カクテル)

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とっさの日本語便利帳の解説

ブランデー

ブドウを発酵・蒸留した酒。果実を主原料とする蒸留酒すべてを指すこともある。ブドウ原料の代表格が、フランス西部シャラント川沿いが産地のコニャック(単式蒸留器で二回蒸留)と、南西部のピレネー山脈近くが産地のアルマニャック(連続蒸留器または単式蒸留器で二回蒸留)。風土や熟成法が違うため味わいも異なる。

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栄養・生化学辞典の解説

ブランデー

 ブドウ酒リンゴ酒,モモ酒などを蒸留し,樫の樽に貯蔵して熟成させた酒.

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世界大百科事典 第2版の解説

ブランデー【brandy】

ブランデーは,〈焼いたブドウ酒〉の意のオランダ語のbrandewijnやフランス語のvin brûleに由来する。したがって,本来はブドウ酒を蒸留してつくるグレープブランデーのことで,他の果実酒を蒸留したフルーツブランデーはそれぞれ原料果実名を冠して呼ぶ。ブランデーはふつう白ブドウ酒を単式蒸留機で2回蒸留してアルコール分63%内外のスピリッツをとり,これをオークの樽で熟成させる。初めは無色で香味の粗かったものが,こはく色に色づき,味はまろやかになり芳香を生じてくる。

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大辞林 第三版の解説

ブランデー【brandy】

果実から作った蒸留酒の総称。普通はワインを蒸留したもの。アルコール含量40パーセント以上。樽に詰めて醸成する年数によって階級が分かれる。コニャックなど。

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飲み物がわかる辞典の解説

ブランデー【brandy】


果実を発酵させ、この発酵液(醸造酒)を蒸留し、樽などで熟成させてつくる蒸留酒。一般に、ぶどうを原料としたものをいい、フランス産のコニャックアルマニャックが知られる。コニャックやアルマニャックには、熟成年度によって、VO、VSO、VSOP、ナポレオンXOなどの等級がつけられている。ブランデーグラスと呼ばれる、大型でチューリップ形のグラスに少量ずつ注ぎ、グラスをゆっくり回しながら手で温めて香りを立て、香りを楽しみながら飲む。ぶどう以外の原料を用いるものには、「アップルブランデー」「プラムブランデー」などがある。アルコール度数は40~50度。また、ブランデーではないが、果実を用いたリキュールを、同様に果物の名を前に付けて「ピーチブランデー」「アプリコットブランデー」のようにいうことがある。◇オランダ語で「焼いたワイン」という意の「ブランデウェイン(brandewijn)」が語源とされる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ブランデー
ぶらんでー
brandy

ブランデーの語源はオランダ語のブランデウェインbrandewijnに由来しており、これはワインを焼くという意味である。フランスではオー・ド・ビィeau-de-vie(生命の水)とよんでいる。ドイツ語でブラントバインBranntwein、日本では火酒と訳している。[原 昌道]

分類・定義

一般的には果実酒を蒸留した酒であるが、わが国の酒税法上の定義では次の三つに分類される。
(1)果実または果実と水を原料として発酵させ、ついで蒸留したもの。
(2)できあがった果実酒(果実酒粕(かす)でもよい)を蒸留したもの。(1)、(2)ともに蒸留時に留出物のアルコールは95%未満である必要がある。
(3)前記の(1)、(2)にスピリッツ、香味料などを加えたもの。
 なお酒税法上は、ブランデーは果実酒を蒸留したものとなっているが、一般にブランデーという場合はワインを原料としたもののみに使われ、ほかの果実酒、たとえばりんご酒を原料としたものなどは、その上に原料の名称をつけてアップルブランデーなどとよばれる。[原 昌道]

歴史

ブランデーは、ワインが有史以前の酒であるのに対して比較的新しい酒である。だれが最初にワインを蒸留したかは明らかでないが、ヨーロッパで12~13世紀ごろ、医師や錬金術師がワインの蒸留を行ったとの記録がある。とくにスペインの錬金術師のアルノーの名が高く、ブランデーの祖とされている。しかし実際にブランデーがつくられたのは16~17世紀になってからで、一説によると、オランダ人の薬剤師がたまたまフランスのシャラント県のコニャック地方を通りかかった際、ワインが生産過剰になり困っている農民を救うために、ワインを蒸留し、貯蔵の問題を解決したのが始まりといわれている。その後ルイ14世の保護政策、ナポレオン家の援助などによって、コニャック産のブランデーは、高級ブランデーの品質表示に付けられる「ナポレオン」の名とともに全世界に広まった。日本に初めて渡来したのは、ワインよりもやや遅い1651年(慶安4)で、オランダ人によって江戸にもたらされたとの記録がある。[原 昌道]

作り方

ブランデー用には、香りに特徴の少ないビニフェラ種のブドウが使われる。ワイン用と異なり酸が多く、糖分は18~19%と低い原料ブドウのほうがよい。ブランデー用には亜硫酸を使用しないから、生成ワインの変敗がおこらないように酸味の強いブドウが適当とされる。仕込み方法は白ワインと同様で、酵母による発酵終了後、できるだけ早く蒸留する。ワインを蒸留しないで長く放置すると、アルコール度数が7~8%と低く、かつ亜硫酸が含まれていないから、変敗するおそれがある。蒸留は単式蒸留機(ポットスチル)を使い、通常2回行う。1回目は粗留といい、アルコール分24~30%程度の留液を得る。ついでこれをふたたび蒸留し、初留と後留を適当に除いて、良質部のみを集める。アルコール分は60~70%である。この留液を400~600リットルの容量の樫樽(かしたる)に詰め、長期間貯蔵し熟成させる。樽の材質は非常に重要で、通常コニャックにはリムーザン地方のカシ、アルマニャックにはガスコン地方のカシが用いられる。貯蔵中、新酒の荒さは消え、まるくなり、ブランデー特有の香りが増し、甘味もついて、琥珀(こはく)色に変わる。貯蔵酒は最後にブレンドして風味を調整し、製品とする。[原 昌道]

種類

ブランデーは原料別、産地別によっていろいろな種類がある。
(1)ブドウブランデー 普通のブランデーで、一般にもっとも良質である。
(2)コニャック フランス南西部にあるコニャック地方でつくられるブランデー。
(3)アルマニャック フランス南西部、アルマニャック地方に産するブランデーで、一定の規格にあったもののみがアルマニャックという名をつけて売られる。ブドウの品種はフォルブランシュ種、サンテミリオン種がおもに使われる。蒸留はコニャックと違って普通連続式蒸留機を用いて1回だけ行われる。したがって原料ワインの風味と香りが留液に多く移行し、こくのある強い香りのブランデーが得られる。留液のアルコール分はコニャックよりも低く55~60%である。なお、現在はコニャックと同じ蒸留法も許可されている。
(4)粕(かす)ブランデー 赤ワインを製造するときの絞り粕を蒸留したもの。絞り粕を直接蒸気で蒸留するか、絞り粕に水を加えてアルコールをはじめ揮発成分を抽出し、これを蒸留する方法、あるいは絞り粕に水を加え、さらに糖を加えて発酵した液を蒸留する方法などがとられる。フランス語でオー・ド・ビィ・ド・マールとよばれる。
(5)おりブランデー ワインの澱(おり)に加水して蒸留したもの。
(6)干しぶどうブランデー 干しぶどうからつくった酒を蒸留したもの。
(7)アップルブランデー りんご果汁の発酵液を蒸留してつくる。イギリスではハードサイダーを蒸留したものをアップルブランデー、リンゴのジュースを絞った粕に水を加えて薄め、発酵させ、蒸留したブランデーをアップルジャックとして区別している。アメリカではこの区別ははっきりしない。なお、フランスではノルマンディー地方のカルバドス県でつくられたりんご酒を蒸留したブランデーをカルバドスとよび、とくにドージュ村のカルバドスは有名である。
(8)キルシュワッサー サクランボを発酵、蒸留してつくる。
(9)プラムブランデー プラムを発酵、蒸留してつくるブランデー。アルコール分は平均40%前後。ヨーロッパ中部地方(ユーゴスラビア、ルーマニアなど)で産するプラムからつくられるブランデーはスリボービッツ、フランスのアルザス地方、ドイツのバーデン地方でとれる黄色いプラムからつくられるブランデーはミラベルとよばれる。[原 昌道]

飲み方

ブランデーは香りを鑑賞し、味わって飲む酒である。大型のチューリップ型をしたブランデーグラスに、少量(約30ミリリットル)注いで、これを両手または片手で支えて温め、ゆっくり回して香りを引き立て、香りをかぎながら飲むのが普通である。コーヒーの中へ入れて飲む場合もある。とくにアルマニャックなどは芳香がたって好まれる。そのほかカクテルベースにも使われる。フルーツブランデーはストレートでも飲まれるが、リキュールの原料として使われる場合が多い。[原 昌道]
『井上宗和著『世界の酒3』(1989・角川書店)』

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世界大百科事典内のブランデーの言及

【コニャック】より

…フランス産ブランデーの一種。ブランデーの同義語として使われることが多いが,本来はフランス南西部のコニャック市を中心とするシャラント県とシャラント・マリティーム県にまたがる地域内で,一定の規格のもとに造られたブランデーのみに与えられる呼称である。…

【蒸留酒】より

…穀類や果実などを原料とし,これらを発酵,蒸留してつくった酒。ビールや白ブドウ酒の発酵液(もろみ)を蒸留したものが,それぞれモルトウィスキーやブランデーであるように,伝統的醸造酒には対応する蒸留酒がある。 形状からみて,蒸留に使われたと思われる土器は,紀元前3000年ころのメソポタミア文明の遺跡から出土しているが,ブドウ酒の蒸留を記録したのはアリストテレス(前384‐前322)がはじめである。…

【中国酒】より

…(7)その他 ここに区分されるものはおもに外国起源の酒で,洋酒としている文献もある。白蘭地(ブランデー),威士忌(ウィスキー),金酒(ジン),俄斯克(ウォッカ),蘭母酒(ラム)などで,これらのうち烟台の金奨白蘭地は歴史も古く,全国名酒に数えられている。【鈴木 明治】。…

※「ブランデー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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