もう(読み)モウ

デジタル大辞泉 「もう」の意味・読み・例文・類語

もう

[副]
現に、ある事態に立ち至っているさま。また、ある動作が終わっているさま。もはや。既に。「もう手遅れだ」「もう子供ではない」「今泣いた烏がもう笑った」
あとわずかの時間で、ある事態になるさま。まもなく。やがて。じきに。「もう終わりますから、しばらくお待ちください」「もう来るだろう」
現にある事物状態などに、同じものを付け加える気持ちを表す語。さらに。いま。「もうちょっとで車にひかれるところだった」「もう片方靴下が見つからない」
(あとに打消しの語などを伴って)同じ事をこれ以上繰り返したくないという気持ちを強調する語。二度とは。「もうしませんから許してください」「戦争もうごめんだ」
自分判断感情などを強める気持ちを表す語。感動詞的にも用いる。まさに。なんとも。「これはもう疑う余地のない事実だ」「嫌になっちゃうなあ、もう
[類語](1早早はやばや早早そうそう早め尚早最早もはやはや早くも今やすでとっくにとうにとうの昔とっくの昔つとに先刻後悔先に立たずこのに及んで手遅れ後の祭り生まれた後の早め薬証文の出し後れ争い果ててのちぎり木喧嘩けんか過ぎての棒千切り十日の菊六日の菖蒲あやめに合わぬ花夏炉冬扇寒に帷子かたびら土用に布子ぬのこ今さら覆水盆に返らず/(2じき間もなく程なくそろそろ今にもすぐ直ちに早速すぐにすぐさま直接今にそのうちやがていつかいずれ追い追い追って追っ付け早晩きた日ならずして遅かれ早かれ近日近近ちかぢか近近きんきん後日他日不日又の日近く遠からず上げずぼちぼち今に行く行く目前秒読みカウントダウン追っ掛け時間の問題ややあって今日明日すかさず間を置く時を移さずこの先日ならず/(3あと更になおまだもっとよりなおさらますます一層一段と余計いやが上にいよいよも少しもう少しずっと今一つもう一ついまいち今少しもそっとぐっとぐんと

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精選版 日本国語大辞典 「もう」の意味・読み・例文・類語

もう

  1. 〘 副詞 〙
  2. 時間的に経過して、すでにその状態になるさまを表わす語。もはや。も。
    1. [初出の実例]「一度誤て改めうとすれどもまうかなわぬぞ」(出典:史記抄(1477)二〇)
  3. 限定した数量を示す語を伴って、ある状況をさらにそれだけ続けよう、または、ある数量にさらにそれだけ加えようとする気持を表わす語。も。
    1. [初出の実例]「最う一里翌を歩行ん夏の月〈一茶〉」(出典:俳諧・霞の碑(1790))
  4. 間違いなくその状態であることを強めていう語。
    1. [初出の実例]「こりゃ最(モ)うほんまの事でござります」(出典滑稽本浮世床(1813‐23)初)
  5. ( あとに打消の語などを伴って ) 同じ事をこれ以上繰り返したくないという気持を強調する語。二度とは。「こんな事はもう嫌だ」
    1. [初出の実例]「モウいひなんすナ」(出典:洒落本・郭中奇譚(1769)弄花巵言)

もうの補助注記

( 1 )副詞「も」と同語源の語であるが、その成立の前後は不明。
( 2 )「ロドリゲス日本大文典」には「mǒ(マウ) ハヤ」の形が見られる。同義の「ま」「まあ」が転じて「も」「もう」となったものか。

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