(読み)ハチ

デジタル大辞泉 「八」の意味・読み・例文・類語

はち【八】[漢字項目]

[音]ハチ(呉) ハツ(漢) [訓]や やつ やっつ よう
学習漢字]1年
〈ハチ〉
数の名。やっつ。「八卦はっけ八州八方尺八四苦八苦四通八達
八番目。「八階・八月
八回。「七転八倒しってんばっとう
〈や〉「八重八千代
[名のり]かず・わ・わかつ
[難読]八仙花あじさい八幡船ばはんせん八百長やおちょう八百屋やおや八寸やき八尺瓊やさかに八洲やしま八十やそ・やそじ八咫やた八岐大蛇やまたのおろち

はち【八】

数の名。7の次、9の前の数。やっつ。やつ。
8番目。第8。
八の字」の略。「ひたいを寄せる」
[補説]金銭証書などでまちがいを防ぐため「捌」を用いることがある。
[類語]じゅうゼロ一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ九つとお

や【八】

《「よ(四)」の母音交替形としてその倍数を表したもの》
はち。やっつ。声を出してかぞえるときの語。やあ。「いつ、むう、なな、
はち。やっつ。多く、名詞の上に付けて用いる。「七転び起き」
名詞の上に付けて、数量が多いことを表す。「重咲きの花」「雲たつ」

はつ【八/鉢】[漢字項目]

〈八〉⇒はち
〈鉢〉⇒はち

パー【八】

《〈中国語〉》八。八つ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「八」の意味・読み・例文・類語

や【八】

  1. 〘 名詞 〙 ( よ(四)の母音交替形としてその倍数を表わしたもの )
  2. 八つ。名詞・助数詞の前に直接つけて用いる。具体的な数ではなく数の多いことを表わす場合もある。「八重(やえ)」「八岐(やまた)の大蛇(おろち)」「八雲」など。
  3. 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの八。実際に唱えるときには「やー」と長く発音することも多い。やあ。
    1. [初出の実例]「一(ひと)(ふた)(み)(よ)(いつ)(むゆ)(なな)や九(ここの)(たりや)」(出典:年中行事秘抄(12C末)鎮魂祭歌)

八の補助注記

「や」は副詞の「いや」(縮約形の「や」もある)と同源との説も近世に見られるが、荻生徂徠は『南留別志』で「ふたつはひとつの音の転ぜるなり。むつはみつの転ぜるなり。やつはよつの転ぜるなり」とする。


はち【八】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 数の名。七に一を加えた数。また、第八番目。やっつ。
    1. [初出の実例]「八の宮の姫君にも」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅梅)
  3. はちべえ(八兵衛)」の略。
    1. [初出の実例]「俤は坊主ころしが諷ふて出る 八の口鼻(かか)めはいつの世語り」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第九)
  4. 近世上方語でかしましい人をいう。〔新撰大阪詞大全(1841)〕
  5. (しち)をいう、人形浄瑠璃社会の隠語。質を七に通わせ、それを八といいかえたもの。
    1. [初出の実例]「れき(〈注〉あの衣)を孫三(〈注〉もらひ)として八(〈注〉質)えかめ(〈注〉入)たら」(出典:滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)下)

ぱま【八】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「八」の唐音から ) 数の八をいう。江戸時代、拳(けん)で用いた。
    1. [初出の実例]「拳の手品の手もたゆく、ろませさい、とうらい、さんな、同じ事とよ豊川に、声の高瀬がさす腕には、はま、さんきう、ごう、りう、すむゐそれそれ何と」(出典:浄瑠璃・冥途の飛脚(1711頃)中)

やあ【八】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「や(八)」をのばしていう語 ) 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの八。
    1. [初出の実例]「ひいふうみいよういつむうななやアこのとう十一、トかぞへる内に」(出典:洒落本・青楼夜世界闇明月(1789‐1801)局鄽宵多語)

パー【八】

  1. 〘 名詞 〙 「八」の中国音。はち。やっつ。

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普及版 字通 「八」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 2画

(旧字)
2画

[字音] ハチ・ハツ
[字訓] やつ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 指事
両分の形。左右に両分して、数の八を示した。〔説文〕二上に「別るるなり」と近似音の別によって解するが、別は骨節を解くことである。(半)はに従い、牛牲を両分する意。發(発)は(はつ)に従い、両足を開いて進発する意。みなバラバラの意をもつ語である。

[訓義]
1. やつ、はち、やたび。
2. わける、わかれる。

[古辞書の訓]
名義抄 ヤツ/尺 ―ノフエ 〔字鏡集〕 ワカル・マユハラフ・ヤツ・ヒトテ

[部首]
〔説文〕に(分)、、曾、(尚)、、介、(公)、必、余など十一字、〔玉〕に十三字を属する。このうち両分の象とすべきものは・余などにすぎず、曾は(こしき)の湯気、は向(まど)の上の神気の象、(すい)は獣の耳の形、介は人の前後につけた甲の形、公廷の牆壁の形である。は刀を以て両分する形、余は手術用の辛(はり)で膿漿を出す形である。

[声系]
〔説文〕に声として(はん)・(きつ)・(はい)・(穴)(けつ)・匹(ひつ)など七字を収めるが、その声はみな異なる。声をとるものは(馬八歳)・(西極の水)の二字にすぎない。

[語系]
petは同声。別biat、闢biekはいずれもひらく意があり、辟biek、劈phyek、擘pekはいずれも烈しくさく意がある。もと、みな別つときの擬声的な語である。

[熟語]
八維・八八裔・八音・八隅・八風・八病・八卦八旗八極八股八荒・八紘八際・八象八政八秩・八表・八分・八方
[下接語]
尺八・初八・丈八・二八・百八・臘八

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