デジタル大辞泉 「板」の意味・読み・例文・類語
はん【板】[漢字項目]
[学習漢字]3年
〈ハン〉
1 木を薄く平らに切ったもの。また、そうした形状のもの。いた。「
2 (「版」と通用)文字を彫る木のいた。版木。「板刻/開板・
3 拍子をとるいた。「拍板」
〈バン〉
1 いた。「
2 いたのように平たくて変化がない。「平板」
3 野球で、投手板のこと。「降板・登板」
4 (「
〈いた〉「板前/戸板・
[難読]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
東アジアの体鳴楽器。地域,時代,ジャンルによって形態や名称が異なるが,(1)数枚の板を同時に打ち合わせるもの,(2)1枚の板を槌(つち)などで打つもの,に大別される。また,中国では拍子を意味する楽語としても用いられる。
(1)はおもに中国,朝鮮にみられる打楽器で,拍板,拍ともいう。中国では唐代の散楽(雑技)に横笛,腰鼓(ようこ)とともに用いられ,8世紀以後宮廷や民間の宴饗楽に用いられるようになった。日本の笏に似た細長い板を数枚(6~9または十数枚)重ね,上部を藺(い)で結び,下部を左右に開いてから打ち合わせる。敦煌壁画などに見える。五代には両端の2枚を特に長くしてその下部を持つ型のものもあり,日本の平安朝仏画にみられる唐風の拍板は両端の2枚が長く,中にはさむ板は楕円形をなす。宋以後も宮廷宴饗楽に6枚のものが用いられ,清朝のものは,板の長さ35cm,幅6.5~7.6cm,厚さ1.2~1.5cm。明・清時代には3~4枚の拍が現れ,民間の劇楽などには宮廷用よりやや小型で3枚のものが使われた。やや薄い2枚の板ははりつけ,他の1枚を上部で結び合わせ,左手で親指を板の間に入れて板の上部を持ち,前後にゆすって1枚板を打ちつけて鳴らす。京劇では単皮鼓の奏者が同時に左手で板を打ってリズムをとる。
朝鮮では,新羅統一時代に三絃三竹,大鼓とともに拍板が用いられ,高麗朝文宗30年(1076)の大楽管絃房には唐舞業師などとともに歌舞拍業師があった。睿宗9年(1114),宋の新楽にも拍板が用いられた。《楽学軌範》によれば,拍は唐楽にも郷楽にも使われた。朝鮮の拍板は6枚の木製の板を上端でゆるく鹿革のひもで連結し,左手で1枚を持ち,右手で残りの板を開いてから打ち合わせる。楽曲の始めに1回,終りに3回打ち鳴らす。現在も文廟祭享楽や大編の管絃合奏に用いる。
日本でも古くは拍板が用いられ,拍子,百子といったが,のちには簓(ささら)の類の編木(びんざさら)のみが発達した。沖縄の三板(さんばん)/(さんば)は中国系と考えられ,日本の四つ竹(よつだけ)も竹製の拍板とみなされる。
(2)の型は,〈ばん〉〈ぱん〉ともいい,版,梆の字も当てる。おもに仏教寺院の法具として用いる。材質,形状に従って,雲板(うんばん),木板(もつばん),魚板(ぎよばん)の3種がある。雲板は青銅または鉄製で平板状雲形をなし,雲版とも書き,火版,大版,長板,斎板,板鐘などともいう。蓮華座形の撞座を木槌で打ち,食事(じきじ)(斎食)の合図や時報などに用いる。木板は,木版とも書き,板(版),板木(版木,盤木)(はんぎ)/(ばんぎ),接版,更版とも称する。長方形の厚い木の板の上辺を隅切りしてつるしたものを木槌で打つ。作法の合図や外来者の訪問用に使うが,歌舞伎の下座(げざ)楽器として用いることもある。魚板は木製で,口に珠をくわえた長い魚形のものをつるして木槌で打つ。古くは木魚ともいい,いわゆる木魚は魚板が変形したものとみなされる。
執筆者:三谷 陽子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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