デジタル大辞泉 「雛」の意味・読み・例文・類語
ひな【×雛】
1 卵からかえって最初の羽が生えそろうまでの鳥。また、親からえさをもらっている時期の鳥。ひよこ。ひなどり。「
2 雛人形。ひいな。「お
[接頭]名詞に付いて、小さい、愛らしい、などの意を表す。「
[類語]鳥・野鳥・水鳥・水禽・海鳥・家禽・飼い鳥・渡り鳥・候鳥・夏鳥・冬鳥・漂鳥・留鳥・旅鳥・迷鳥・禁鳥・保護鳥・益鳥・害鳥・雄鶏・雌鳥・小鳥・猛禽・鳴禽・珍鳥・始祖鳥
( 1 )語形として「ひいな」と「ひな」があるが、「ひいな」が人形の意に限定されているのに対し、「ひな」にはひよこ、小さいなどの意もある。②の挙例「宇津保」は「ひいな」「ひひな」「ひゐな」などの本文を持つ諸本もあり、信頼性を欠くので、中古においては「ひいな」「ひな」で意味が分化していたことも考えられる。「ひいな」はその後衰退してゆくが、それに伴って近世には「ひな」が人形の意も表わすようになる。
( 2 )「ひなにんぎょう」の名称も近世に生まれたものであるが、「ひなあそび」「ひなあわせ」も三月の節句の雛祭の遊びをさすようになり、「ひなのひ」「ひなのま」のように、「ひな」が同日の行事をさすようにもなる。
→「ひな(雛)」の語誌
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
鳥の成長の最初の段階をいう。鳥学上は、卵から孵化(ふか)して最初の正羽(せいう)(その羽衣(うい)を幼羽という)が生えそろうまでの間の段階を雛といい、それ以後、成鳥に達するまでの段階を幼鳥という。しかし一般には、親鳥の世話を受けている状態のものを雛とよぶことが多く、シジュウカラなどスズメ目の幼鳥が巣立ちして、まだ十分に飛べず親鳥から餌(えさ)をもらっている段階のもの(鳥学では幼鳥)を巣立ち雛とよんだりする。孵化直後の雛の外見は種によってさまざまで、目があいており、初毛(綿毛状であるが、伸びると幼羽の正羽となる)が生えていて、1日か2日のうちに巣を離れてしまうものを早成性の雛、目は閉じていて、初毛がまったく、あるいはわずかしか生えていず、巣立ちまでに日数のかかるものを晩成性の雛という。スズメ目の鳥はすべて晩成性である。早成性の鳥には、孵化直後に巣を出てしまい、親の世話をまったく受けないキジ目ツカツクリ科、親について行動するが、自分で食物を探すカモ類やシギ・チドリ類、親に食物を教えてもらうキジ科、親から餌をもらうカイツブリ科やクイナ科がある。早成性と晩成性の中間の型の鳥もあり、カモメ科は目があき初毛が生えていて歩くことができるが、巣に長い間とどまる。初毛に包まれているが樹上の巣に長くとどまる鳥に、目があいた状態で孵化するサギ科やタカ類、目が閉じたままで孵化するフクロウ科がある。初毛が伸びきった幼鳥は、成鳥とほぼ同じ運動能力をもつ。以後の成長にもさまざまな型がみられる。メジロやシジュウカラはその年の秋に最初の換羽をし、すぐに成鳥羽になってしまうが、秋の換羽は部分的で第1回基羽(きう)(第1回冬羽)となり、翌春の換羽で成鳥羽(第1回代羽(だいう)、第1回夏羽)となるオオルリ、最初の年には換羽をせずに翌年の春から秋にかけての換羽で成鳥羽となるオオタカ、完全な成鳥羽になるまでは5年以上もかかる大形のワシ類やアホウドリなどがある。最初の幼羽から、一つまたは二つ以上の羽衣を経て成鳥羽に達する場合、その中間の段階の鳥を若鳥ということがある。なお、ニワトリ、アヒルなどの家禽(かきん)の雛をとくに「ひよこ」という。
[竹下信雄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…3月3日に雛人形を川に流し送る行事。雛祭の人形は,それで身をなでて穢れをはらったあと流し去る人形(ひとがた)(形代(かたしろ))という呪具の系統をひくものとされるが,現在の各地に残る流し雛はそのような古い心意を伝える行事と思われる。…
※「雛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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