遠い(読み)トオイ

デジタル大辞泉 「遠い」の意味・読み・例文・類語

とお・い〔とほい〕【遠い】

[形][文]とほ・し[ク]二つのものが空間的、時間的に、また心理的に離れているさま。
1 場所が非常に離れている。距離が十分にある。「―・い国」「―・くまで歩く」⇔近い。
2 時間が非常に離れている。間に多くの時間が流れている。「―・い将来」「完成には―・い」⇔近い。
3 関係が薄い。気持ちの隔たりが大きい。親密でない。関心が薄い。「―・い間柄」「足が―・くなる」⇔近い。
4 血のつながりが密接でない。「―・い親類」⇔近い。
5 性質・内容・程度などの隔たりが大きい。似ていない。大きな差がある。「理想から―・い生活」「秀才というにはあまりに―・い」⇔近い。
6 はっきり聞こえない。音が小さく聞こえる。「耳が―・い」「電話が―・い」
7 (「気が遠くなる」の形で)意識が薄れる。「気が―・くなるほどの数字」
8 (「目が遠い」の形で)遠視である。「目が―・くて本が読みにくい」⇔近い。
[派生]とおさ[名]
[下接句]話が遠い・耳が遠い・当たらずと雖いえども遠からず・殷鑑いんかん遠からず・生おい先遠し・言げん近くして意遠し・任重くして道遠し・日暮れて道遠し
[類語](1)遠め・程遠い・間遠まどお・遠く・遥か・遥けし・はるばる・遠方・遠隔・遠路・迂遠うえん・悠遠・遼遠・長途・遠距離・僻遠・万里・以遠/(2)久しい・久しぶり・久方ぶり・久久・しばらくぶり・とこしえ・とこしなえ・永久・永遠・とわ・永世・恒久・悠久・悠遠・長久・不変・常磐ときわ・永劫えいごう・永代・久遠くおん・無限・無窮・不朽・万代ばんだい・不易・万世・万古不易・千古不易/(3)遠遠しい・縁遠い・薄い・疎遠・遠縁とおえん・懸隔・開き・無縁・疎い

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精選版 日本国語大辞典 「遠い」の意味・読み・例文・類語

とお・いとほい【遠】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]とほ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. [ 一 ] 空間・時間のへだたりが大きい。
    1. ① 空間・距離のへだたりが大きい。はるかに離れている。へだたっている。
      1. [初出の実例]「椽に結ひし髪を解かす間に、遠く逃げたまひき」(出典:古事記(712)上)
    2. ② 時間のへだたりが大きい。ほど久しい。
      1. (イ) ある時点より過去に大きくさかのぼる。非常に古い。昔に属している。
        1. [初出の実例]「天地の 遠(とほき)始めよ 世の中は」(出典:万葉集(8C後)一九・四一六〇)
      2. (ロ) ある時点より将来にむかってへだたりが大きい。はるか先のことに属している。行く末ながい。
        1. [初出の実例]「遐(とほき)代に 語り継がむと 処女墓 中につくり置き」(出典:万葉集(8C後)九・一八〇九)
      3. (ハ) ( 「遠き別れ」などの形で ) 永久のことに属している。それっきりである。
        1. [初出の実例]「事果てておのがじしかへり給ひなんとするもとをき別れめきて惜しまる」(出典:源氏物語(1001‐14頃)御法)
    3. ③ ( 「目が遠い」の形で対象物とのへだたりを普通以上に置いて見るところから ) 老眼である。とおめである。
    4. ④ ( 同じ音を聞いても普通より大きなへだたりを感じるところから ) 音が小さく聞こえる。耳がよく聞こえない。難聴である。
      1. [初出の実例]「一時は熱の為めに耳さへ遠くなりき」(出典:日本読本(1887)〈新保磐次〉五)
  3. [ 二 ] 抽象的な事柄について、関係が密接でない。
    1. ① 心のつながりが緊密でない。親しくない。うとい。
      1. [初出の実例]「明日香川明日も渡らむ石橋の遠(とほき)心は思ほえぬかも」(出典:万葉集(8C後)一一・二七〇一)
    2. ② 対象に心が向かない。気がすすまない。迂遠である。
      1. [初出の実例]「学問などに身を苦しめむことはいととをくなむおぼゆべかめる」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)
    3. ③ 関連や関係が浅い。つながりが薄い。縁遠い。
      1. [初出の実例]「遠きゆかりはおのづから生き残りたりといふとも」(出典:平家物語(13C前)灌頂)
    4. ④ 物事の性質、内容、程度などが似ていない。大差がある。大いに違っている。
      1. [初出の実例]「世の常の女しくなよびたるかたはとをくやとおしはからるる御有様なり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)橋姫)
      2. 「和風からは遠いものである」(出典:日本文化の雑種性(1955)〈加藤周一〉一)

遠いの派生語

とお‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

遠いの派生語

とお‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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