ヘンリー(Joseph Henry)(読み)へんりー(英語表記)Joseph Henry

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ヘンリー(Joseph Henry)
へんりー
Joseph Henry
(1797―1878)

アメリカの物理学者オルバニー生まれ。貧しい家庭に育ち、苦学してオルバニー・アカデミーで工学を修め、同校で1826年より数学、自然哲学を教える。1829年から電磁石の研究に取り組み、電磁石の改良、電磁式電信機、モーター電流計発明を行う。1830年ファラデーとは独立に、電磁誘導を発見、さらに1831年には自己誘導を発見、これらは1832年に発表された。同年ニュー・ジャージー・カレッジ(現、プリンストン大学)の自然哲学教授となる。1846年新設されたスミソニアン・インスティチューションの初代所長となり、同研究所の基礎をつくった。灯台や気象データの収集、予報の組織化を行うなど、アメリカ科学振興のための行政に力を尽くした。太陽放射熱と黒点の研究も行った。

[高田紀代志]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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