ホルモン(英語表記)hormone

翻訳|hormone

デジタル大辞泉 「ホルモン」の意味・読み・例文・類語

ホルモン(〈ドイツ〉Hormon)

生体内の内分泌腺で生成され、血液中に分泌されて運ばれ、特定の器官にのみ作用する微量の化学物質。成分はたんぱく質ポリペプチドフェノール誘導体・ステロイドなど。

ホルモン

食用にする牛や豚などの内臓。焼いたり鍋料理にしたりする。

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精選版 日本国語大辞典 「ホルモン」の意味・読み・例文・類語

ホルモン

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Hormon )
  2. 動物体内の内分泌腺から生産分泌され、直接血液中にはいって他の器官に達し、その機能に作用を及ぼす物質の総称。甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、性腺(睾丸・卵巣)、下垂体、胸腺などからそれぞれ固有のホルモンが分泌される。
    1. [初出の実例]「腹綿にはホルモンや胆汁が含まれてをりますし」(出典:紋章(1934)〈横光利一〉六)
  3. ホルモンやき(━焼)」の略。
    1. [初出の実例]「豚のホルモンてのが出たら、それっと皆ハリキった」(出典:古川ロッパ日記‐昭和一一年(1940)一〇月一七日)

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改訂新版 世界大百科事典 「ホルモン」の意味・わかりやすい解説

ホルモン
hormone

広義には植物ホルモンフェロモンなど,特殊な生理作用を有する生物の分泌物を含むが,狭義には動物の内分泌腺から血液中に分泌され,体内に広くいきわたって,一定の器官(これを標的器官という)あるいは身体全体の組織に作用を及ぼし,個体の種々の機能を正常に維持するように働く物質と定義される。ある場合には,内分泌腺の組織から分泌され,隣接する組織に直接作用することもある。ホルモンは生体内にまったく新しい反応系や現象をひき起こすものではなく,すでにあるものを刺激したり,抑制するものである。なお,〈ホルモン〉の語は,セクレチンを発見したスターリングE.H.Starlingが,1905年に命名したもので,〈刺激するもの〉の意味である。無脊椎動物のホルモンについては,甲殻類のほか昆虫で詳しく研究されているが,これについては〈昆虫ホルモン〉の項目を参照されたい。ここではヒトも含めて脊椎動物における主要なホルモンについて述べる。

(1)視床下部ホルモン 視床下部では腺下垂体からのホルモンの放出を促進したり,抑制したりするホルモンを生産する。これらのホルモンには,黄体形成ホルモン放出ホルモン(略号LHRH。濾胞(卵胞)刺激ホルモン放出ホルモンと同一のものと考えられている),甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH),副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH),プロラクチンの放出ホルモン(PRH)と抑制ホルモン(PIH),成長ホルモンの放出ホルモン(GRH)と抑制ホルモン(GIH。抑制ホルモンはソマトスタチンともいわれる),黒色素胞刺激ホルモンの放出ホルモン(MRH)と抑制ホルモン(MIH)などがある。以上のホルモンは下垂体門脈血管を経て脳下垂体に運ばれて脳下垂体の機能を調節する。以上のほかに,視床下部で生産されるものに神経葉(後葉)ホルモンがある。脊椎動物全般を通じて10種類のホルモンが見いだされており,すべてアミノ酸8個でS-S結合が1個ある。

(2)腺下垂体ホルモン 第1群に属するものとして,成長ホルモン(GHまたはSTH)とプロラクチン(PRL)がある。共に約200のアミノ酸からなり,構造上類似点が多い。第2群に属すものは,分子中に炭水化物を含み,いずれも二つのサブユニットからなり,アミノ酸配列もそれぞれ類似するところがある。これらは甲状腺刺激ホルモン(TSH),黄体形成ホルモン(LH),濾胞(卵胞)刺激ホルモン(FSH)である。第3群としては,副腎皮質刺激ホルモンACTH),α-黒色素胞刺激ホルモン(α-MSH),β-黒色素胞刺激ホルモン(β-MSH),β-リポトロピン,β-エンドルフィンプロオピオコルチンがある。前5者はすべてプロオピオコルチンから生ずる。この中でホルモンとして確認されているものは副腎皮質刺激ホルモンと黒色素胞刺激ホルモンで,前者は主葉から,後者は中葉から分泌される。

(3)甲状腺ホルモン 脊椎動物の甲状腺およびホヤの内柱はチロキシントリヨードチロニンを分泌する。成長を促進するが,過剰投与すると異化作用が盛んとなり,やせる。両生類の変態を促進する。

(4)副甲状腺ホルモン 上皮小体ホルモンあるいはパラトルモンともいわれ,84個のアミノ酸からなる。このうち1から34までのアミノ酸配列のものでも同じ作用をもつ。魚類には副甲状腺はない。

(5)鰓後腺(さいこうせん)ホルモン カルシトニンともいわれる。哺乳類とサケやマスで一次構造が明らかにされている。すべて32個のアミノ酸からなる。哺乳類では鰓後腺の組織は甲状腺の中にC細胞として散在するため,カルシトニンは甲状腺から分泌される。しかし,魚類から鳥類までの動物では独立の組織塊として存在する。

(6)膵臓ホルモン インシュリン,グルカゴンの二つがある。前者はB細胞でプロインシュリンとして生産される。ヒトのプロインシュリンはアミノ酸86個で,A-鎖,B-鎖,C-鎖(結合ペプチド)よりなっている。C-鎖がはずれると,二つのS-S結合で結ばれたA-鎖とB-鎖が残るが,これがインシュリンで分子量は約6000である。血糖を降下させる作用がある。グルカゴンはA細胞で生産され,29個のアミノ酸からなる。胃腸ホルモンの一つであるセクレチンとアミノ酸配列の一部が類似している。共通の祖先型分子から化学進化したのであろう。血糖を上昇させる作用がある。D細胞からはソマトスタチンが分泌されるが,インシュリンとグルカゴンの分泌を抑制する。

(7)胃腸ホルモン 胃,十二指腸,小腸の粘膜に散在する内分泌細胞で生産分泌される。おもなものはガストリン,コレシストキニン,セクレチンである。ガストリンは17個のアミノ酸からなる。アマガエルの1種Hyla caeruleaの皮膚から単離されたセルレインとカルボキシル末端7個のアミノ酸が同じである。カルボキシル末端の4個のみでも作用がある。胃酸分泌の促進作用がある。セクレチンは27個のアミノ酸からなり,グルカゴンと一部のアミノ酸配列が同じである。ペプシン分泌の促進と膵液と重炭酸塩の分泌促進の作用をする。コレシストキニンは39個のアミノ酸よりなるが,そのカルボキシル末端の33個のもの(CCK-33)のほか,CCK-8,CCK-4も見いだされている。膵臓から消化酵素の分泌,胆囊から胆汁の分泌を促進させる。胃,十二指腸,小腸の粘膜には,これまで10種以上の活性ペプチド,例えばソマトスタチン,モチリン,P物質,ニューロテンシン,ボンベシン,胃分泌抑制ポリペプチド,血管作用性小腸ペプチドなどの存在が知られている。それらの機能についてはまだわかっていないので,これらの物質をホルモンといえるかどうかわからない。

(8)副腎皮質ホルモン 副腎のステロイド生産組織から分泌されるステロイドホルモンで,糖質コルチコイドとしては,哺乳類では主としてコルチゾルでコルチコステロンもいくらか分泌する。ネズミとウサギは主としてコルチコステロンを分泌する。両生類,爬虫類,鳥類はコルチコステロンを主とし,魚類はコルチゾルを主として分泌するが,肺魚はコルチコステロンを分泌する。また,板鰓類のみは1α-ヒドロキシコルチコステロンを分泌する。鉱質コルチコイドとしては,両生類より哺乳類に至るまでアルドステロンを分泌するが,魚類では肺魚が両生類のようにアルドステロンを分泌する。他の魚類は11-デオキシコルチゾルか11-デオキシコルチコステロンを分泌する。

(9)副腎髄質ホルモン 副腎のカテコールアミン生産組織から分泌されるもので,ノルアドレナリンアドレナリンがある。一般に高等脊椎動物ではアドレナリンを多く分泌する。

(10)雄性ホルモン 精巣から分泌されるもので,テストステロンアンドロステンジオンがある。テストステロンは作用するときに組織で5α-ジヒドロテストステロンという強力なものに変わる。魚類ではテストステロン,アンドロステンジオンのほかに,強力な11-ケトテストステロンが雄性ホルモンとして存在する。

(11)雌性ホルモン 発情ホルモンと黄体ホルモンの2群に分けられる。前者にはエストラジオール,エストロン,エストリオールがある。エストラジオールがいちばん作用が強い。エストリオールは他2者の代謝産物である。黄体ホルモンとしてはプロゲステロンがある。排卵を抑制するので人工の強力な黄体ホルモンも多数合成されている。

(12)胎盤のホルモン 胎盤からは種々のホルモンが分泌される。生殖腺刺激ホルモンも分泌されるが,下垂体のものと一次構造が類似し,二つのサブユニットからなる。胎盤性プロラクチンの一次構造も下垂体のものと類似している。また,副腎皮質刺激ホルモン,甲状腺刺激ホルモンなどのタンパク質性のホルモンのほかに,エストラジオール,エストロン,プロゲステロン,アンドロステンジオンなどステロイドホルモンをも分泌する。プロゲステロンを分泌するので,胎児ではプロゲステロンからコルチコステロン,アルドステロンが合成される。

(13)レニン-アンギオテンシン系のホルモン 腎臓の旁(ぼう)糸球体細胞はレニンという酵素を分泌する。これは血中のアンギオテンシノーゲンに働いて,アンギオテンシンⅠというアミノ酸10個のものを切り離す。アンギオテンシンⅠは不活性であるが,血中の転換酵素によって8個のアミノ酸のアンギオテンシンⅡとなる。このものは血圧上昇作用がある。アンギオテンシンⅡは血中で生じ,血流を介して血管収縮作用や副腎皮質からのアルドステロンの分泌作用を行うので,一種のホルモンと考えられる。飲水行動もひき起こす。

(14)松果腺ホルモン 鳥類,哺乳類の松果体はメラトニンを分泌するので松果腺といえる。ただし,爬虫類,両生類,魚類では光の感覚器官として存在するので,〈腺〉ではない。

(15)胸腺 サイモシン,サイモポイエチン,リンパ球増生因子などの物質が抽出されているが,ホルモンとして確認はされていない。

(16)魚類尾部下垂体のホルモン アミノ酸41個のウロテンシンⅠと,アミノ酸が11個でS-S結合一つをもつウロテンシンⅡがある。前者は哺乳類の副腎皮質刺激ホルモンとアミノ酸の配列が類似するところが多い。ウロテンシンⅡのアミノ酸配列のうち4個のアミノ酸がソマトスタチンと同じである。ウロテンシンⅠは魚類では血圧を上昇させるが,哺乳類では降下させる。また,魚類で水とイオンの代謝に関係する。ウロテンシンⅡは魚類で血圧を上昇させ,また,水とイオンの代謝にも関係する。

(17)魚類のスタニウス小体のホルモン 硬骨魚類の腎臓後方にあるスタニウス小体からは,血中のカルシウムを減少させるホルモンを分泌する。
性ホルモン
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ホルモンは化学的には大きく二つに分けられる。ステロイドホルモンとペプチドホルモンであり,前者は副腎皮質や性腺など中胚葉性の器官から分泌され,後者はその他の外胚葉,内胚葉性器官から分泌される。これらホルモンが分子レベルでどのように作用するかという点については,ホルモン分子の大きさや,その化学的性質,また上記のように生理作用や標的器官の多様性などから,統一して述べることは難しい。また,同じホルモンでも動物群によって違った作用をもつ。例えばヒトに対して,産熱作用,代謝促進,成長・分化を促すチロキシンは,鳥類の羽へのメラニン沈着,魚のうろこへのグアニン沈着などをも促進する。

 大部分のホルモンはつねに一定の速度で分泌されているわけではない。日周変動や性周期に伴う変動をはじめ,種々の内外の環境変化によって,分泌速度が変化する。これらホルモン分泌の調節はより高位の調節ホルモン(放出ホルモンや抑制ホルモン)によって調節され,あるいは下位のホルモンどうしの相互作用によって調節されている。また,神経系とも密接な関連をもっている。視床下部における神経によるホルモン調節が代表的な例で,ここでは,神経系の情報が液性情報すなわちホルモン情報に転換されている。

 このように,身体の恒常性は内外の変化に対し,神経系と内分泌系という二つの調節系によって保たれている。
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百科事典マイペディア 「ホルモン」の意味・わかりやすい解説

ホルモン

生体の特定の器官(内分泌腺)で産生されて導管によらず直接血液中に分泌(内分泌)され,産生器官とは離れた場所にある特定の組織あるいは器官に変化を生じさせる物質をいう。微量できわめて顕著な作用を表す点,エネルギー源ではなく,いわゆる生体触媒として機能する点,欠乏や過剰によって特有の症状を呈する点などでビタミンと似るが,生体内で産生されるため体外からの摂取の必要のないことで区別される。自律神経系による調節と並んで,生体の恒常性維持(ホメオスタシス)に重要。普通,1種のホルモンが単独で働くのではなく,いくつかのものが協調的あるいは拮抗(きっこう)的に関係し合う。またその分泌の過不足から起こる異常症状の場合,ホルモン剤の適当な服用で回復するが(ホルモン療法),不適当なホルモン剤の利用はその産生臓器を萎縮(いしゅく)させるなど,障害を起こすことも多い。 ホルモンは脊椎動物をはじめ,昆虫,甲殻類など無脊椎動物にも広く存在する。分類法には産生臓器によるもの,生理作用によるものなど種々あるが,普通,その化学的性質から分子中にステロイド核をもつステロイドホルモンと,タンパク質,ポリペプチド,アミノ酸およびその誘導体などのペプチドホルモンに大別される。前者にはエストラジオール(発情ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)などの雌性ホルモン,テストステロンやアンドロステロンなどの雄性ホルモン,コーチゾンなどの副腎皮質ホルモンなどが含まれる。後者にはチロキシンなどの甲状腺ホルモン,副甲状腺ホルモン,アドレナリンなどの副腎髄質ホルモン,インシュリンやグルカゴンなどの膵臓(すいぞう)ホルモン,脳下垂体の各部から分泌される生殖腺刺激ホルモン,甲状腺刺激ホルモン,乳腺刺激ホルモン,副腎皮質刺激ホルモン,オキシトシン,バソプレシンなどが含まれる。また,無脊椎動物に特有なものとして前胸腺アラタ体サイナス腺などから分泌されるホルモンが著名。 なお,特殊な生理作用をもつ分泌物という点ではホルモンと共通性をもつが,特定の神経細胞からの神経分泌物(神経分泌),生体内ではなく同種の個体間で作用するフェロモン,腺によらない植物ホルモンなどは別な範疇(はんちゅう)に入れられる。
→関連項目アドレナリン環境ホルモン環状AMPステロイドホルモン内分泌プロスタグランジン分泌

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化学辞典 第2版 「ホルモン」の解説

ホルモン
ホルモン
hormone

動物,植物の特殊な組織により生産され,産出された部位から遠隔の組織細胞に特異的な生理的変化を起こさせる物質をいう.動物ホルモンと植物ホルモンに大別される.動物ホルモンを分泌するおもな内分泌腺は,下垂体,副腎,甲状腺,膵臓,性腺などである.下垂体から副じん皮質刺激ホルモン,甲状腺刺激ホルモン,性腺刺激ホルモン,泌乳刺激ホルモン(プロラクチン),メラニン細胞刺激ホルモン,成長ホルモンオキシトシンバソプレッシンなど,副腎から副じん皮質ホルモンアドレナリン,甲状腺から甲状せんホルモン(L-チロキシン),膵臓からインスリングルカゴン,性腺の睾丸より男性ホルモン,卵巣より女性ホルモンの卵胞ホルモンと黄体ホルモンなどを分泌している.化学的にはステロイドホルモンとアミン,アミノ酸,タンパク質,およびポリペプチドなどの含窒素ホルモンに分類される.植物ホルモンではオーキシンジベレリンなどの成長ホルモン,植物のきず口をなおすホルモンなどがある.

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知恵蔵 「ホルモン」の解説

ホルモン

生体内の内分泌器官でつくられ、体液を通じて他の場所に運ばれて特定の細胞や組織、器官の活動に影響を及ぼす物質の総称。微量でも作用を及ぼすのが特徴。標的細胞のホルモン受容体と結合することによって特異的な活動を開始させ、生殖器官の発達や性行動、変態、代謝などを制御する。物質的にはステロイド(性ホルモン、昆虫ホルモンのエクジソン)、ペプチド(インシュリン、脳下垂体ホルモン)、アミノ酸誘導体(アドレナリン、甲状腺ホルモン)が主なもの。広義にはフェロモンや植物ホルモンも含める。

(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

栄養・生化学辞典 「ホルモン」の解説

ホルモン

 生体内,とくに内分泌腺で合成され分泌される生理活性物質.従来はホルモン産生器官と,標的となる標的器官が明確に区別されたが,近年,従来は内分泌器官とよばれなかった組織,たとえば心臓や脂肪組織でもホルモンが産生されることが明らかにされ,定義が変わりつつある.生理活性物質でもヒスタミンなどは,通常オータコイドといわれ,ホルモンと区別される.

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生活習慣病用語辞典 「ホルモン」の解説

ホルモン

体内の特定の組織や器官で産生される化学物質で、血液中に分泌され、血液によって運ばれて作用します。ホルモンによって、働きかける臓器や内容は異なります。たとえば、すい臓から分泌され血糖を低下させるインスリン、副腎から分泌されストレス反応に働きかけるアドレナリンなど、さまざまな種類があります。

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世界大百科事典(旧版)内のホルモンの言及

【ホルモン剤】より

…各種のホルモンを製剤化し,ホルモン本来の生理作用あるいは薬理作用を利用して,治療または診断の目的に供するものをいう。現在までに実用化されているのは,視床下部,脳下垂体の前・後葉,甲状腺,膵臓ランゲルハンス島,副腎皮質および髄質,性腺,消化管などに由来するホルモンであるが,供給量が十分でないものもある。一般に,これらのホルモンは,食用獣の内分泌器官を原料にして精製されるが,これらに依存しないものや他種のものでは無効なものもある。…

【植物ホルモン】より

…通常,生産された部域から移動して,作用すべき部域へ到達して働く。現在,天然に見いだされる植物ホルモンと同じ作用をもつ合成物質が多数知られている。これら合成物質,および微量で植物ホルモン様活性を示す物質ではあっても必ずしも植物界に普遍的でないものをも含めた場合には,植物調節物質plant regulatorという名称が使われる。…

※「ホルモン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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