左前(読み)ヒダリマエ

デジタル大辞泉 「左前」の意味・読み・例文・類語

ひだり‐まえ〔‐まへ〕【左前】

1 相手から見て、左の衽おくみを上に出して和服を着ること。普通の着方と反対で、死者の装束に用いる。ただし、女性の洋服類は左前に仕立てる。
2 運が傾くこと。経済的に苦しくなること。左向き。「家業が左前になる」
[類語]減退・後退・下火・退潮・尻すぼまり・廃頽・落ち目・下り坂・不振・じり貧・どか貧・先細り・下がり目・低落・廃る・廃れる・傾く・寂れる・衰える・尻下がり・尻切れとんぼ・竜頭蛇尾・孤城落日・じり安・貧乏・貧困・貧窮・貧苦・窮乏・困窮・困乏・困苦・生活苦・貧ひん・赤貧・極貧・清貧・貧寒・素寒貧すかんぴん・不如意ふにょい・文無もんなし・末期的・衰残・弱体化・衰弱・衰微・衰退・頓挫・衰え・地に落ちる・没落・落ちぶれる・うらぶれる・成り下がる・零落・凋落ちょうらく・転落・落魄らくはく・淪落・堕落・末路・斜陽・成れの果て・見る影もない・朽ちる・消沈・衰亡・たそがれ・失速・焼きが回る・耄碌もうろく・ぽんこつ・火の車・終末・大詰め・尾羽うち枯らす・世も末・尻すぼみ

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精選版 日本国語大辞典 「左前」の意味・読み・例文・類語

ひだり‐まえ‥まへ【左前】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 着物の右の衽(おくみ)を左の衽の上に重ねて着ること。死者に経帷子(きょうかたびら)を着せる際の習慣。また、洋服の輸入後は、女子の洋服類は左前となった。左衽(さじん)。ひだりえり。
    1. [初出の実例]「左衽とは衽は衣のえり也。衣裳を左前にきるを云」(出典:応永本論語抄(1420)憲問第一四)
  3. ② 物事が順調にいかないこと。思いどおりにいかないこと。運や金まわり、商売などがうまくいかなくなること。左まわり。左向き。
    1. [初出の実例]「万事物がひだりまへになりて」(出典:仮名草子・身の鏡(1659)上)

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世界大百科事典(旧版)内の左前の言及

【襟∥衿】より

…垂領の襟はV字状に交差させ打ち合わせるが,自分からみて左の衽(おくみ)を右の上に重ねる着方を右衽(うじん)(右前ともいう。右手側に衽がくる),その逆を左衽(さじん)(左前)という。古来,中国漢民族の衣服は右衽,周辺の遊牧民族の衣服は左衽であった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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