府中(読み)ふちゅう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

府中(国府)
ふちゅう

古代律令(りつりょう)期に各国に設けられた国府に由来すると考えられてきた地名。ただし、平安時代以前に国府が府中と称された例はなく、史料上は建武(けんむ)年間(1334~38)以後のことと考えられており、室町時代には守護所(しゅごしょ)を府中とよぶことが多かったとされる。しかし、守護所には律令期の国府の地を踏襲したものが多く、やはり国府所在地を考えるうえでの有力資料となる。現在、市町村名としては、東京都府中市、広島県府中市、広島県安芸(あき)郡府中町があり、このほか香川県坂出(さかいで)市、大阪府和泉(いずみ)市、茨城県石岡市など、国府所在地に由来する府中の地名の例は全国各地に分布している。さらに、静岡市、石川県七尾(ななお)市、福井県小浜(おばま)市、新潟県上越(じょうえつ)市なども、別称あるいはその一地域の名称として府中とよばれていた場合があったが、これらのなかには明らかに国府の位置とは異なるものも含まれている。[金田章裕]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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