悲愴(読み)ヒソウ

デジタル大辞泉 「悲愴」の意味・読み・例文・類語

ひ‐そう〔‐サウ〕【悲×愴】

[名・形動]悲しく痛ましいこと。また、そのさま。「悲愴な面持ち」「悲愴感」
[派生]ひそうさ[名]
[類語]沈痛悲痛悲傷悲しい物悲しいうら悲しいせつないつらい痛ましい哀れ哀切もの憂い苦しい耐えがたいしんどい苦痛であるやりきれないたまらないる瀬ない断腸の思い胸を痛める胸が痛む胸が塞がるびんびん切切せつせつ痛切切実深刻ひしひしつくづくしみじみじいん心からせつけだるいアンニュイ胸が裂ける胸が張り裂ける胸がつかえる胸が潰れる胸がつまる気を重苦しい滅入る気遣わしい塞ぐ塞ぎ込む消沈しょげるしょげ返る沈む憂鬱憂愁沈鬱メランコリー気鬱気塞ぎ鬱鬱陰鬱暗鬱鬱屈鬱結鬱気うっき鬱悶うつもん鬱積抑鬱憂さ鬱陶しい悶悶もんもん

ひそう【悲愴】[曲名]

原題、〈フランスLa Pathétiqueベートーベンのピアノソナタ第8番の標題。ハ短調。1798年ごろの作。第14番「月光」、第23番「熱情」とともに三大ピアノソナタとよばれる。
《原題、〈ロシアPateticheskayaチャイコフスキー作曲の交響曲第6番の標題。1893年の作。

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精選版 日本国語大辞典 「悲愴」の意味・読み・例文・類語

ひ‐そう‥サウ【悲愴】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 悲しくいたましいこと。また、そのさま。悲傷。
    1. [初出の実例]「悲愴の念稍々散じて、豪慨の情眉宇に溢る」(出典:佳人之奇遇(1885‐97)〈東海散士〉二)
    2. [その他の文献]〔白居易‐有感詩〕
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] ( 原題[フランス語] Pathétique ) ベートーベン作曲のピアノソナタ第八番(ハ短調)の曲名。一七九九年完成。
    2. [ 二 ] ( 原題[ロシア語] Patjetičjeskaja ) チャイコフスキー作曲の交響曲第六番(ロ短調)の曲名。一八九三年作。

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普及版 字通 「悲愴」の読み・字形・画数・意味

【悲愴】ひそう(さう)

悲しみいたむ。唐・白居易〔感有り、三首、三〕詩 事は思すること勿(なか)れ 思せば悲愴多し 來事、相ひふること勿れ 相ひへては亦た惆悵(ちうちやう)す

字通「悲」の項目を見る

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デジタル大辞泉プラス 「悲愴」の解説

悲愴〔ベートーヴェン〕

ドイツの作曲家L・v・ベートーヴェンのピアノソナタ第8番(1797?-98)。原題《Pathétique》。第14番『月光』、第23番『熱情』と並び、三大ピアノソナタと呼ばれる。

悲愴〔チャイコフスキー〕

ロシアの作曲家ピョートル・チャイコフスキーの交響曲第6番(1893)。原題《Pathétique》。チャイコフスキーの代表作一つとして知られる。

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世界大百科事典(旧版)内の悲愴の言及

【チャイコフスキー】より

…この頃から再び充実した創作力を回復し,《交響曲第5番》(1888),《組曲第4番》(1887),バレエ音楽《眠れる森の美女》(1889)と《くるみ割り人形》(1892),オペラ《スペードの女王》(1890。プーシキン原作)と《ヨランタ》(1891),そして《交響曲第6番(《悲愴》)》(1893)など,晩年の名作を次々と生み出した。《悲愴》の初演9日後にペテルブルグで急死したが,死因は一般にコレラとされる。…

※「悲愴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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