切切(読み)セツセツ

デジタル大辞泉の解説

せつ‐せつ【切切】

[ト・タル][文][形動タリ]
心に強く迫るさま。また、心のこもっているさま。「切切たる望郷の念」「切切たる祈り」「切切と訴える」
音や声が寂しく身に迫るさま。「切切たるの響き」

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精選版 日本国語大辞典の解説

きれ‐ぎれ【切切】

〘名〙 (形動)
① 小さく幾つにも切れること。断片的で全体がつながっていないさま。また、そのもの。今にも切れそうなさま。
※今昔(1120頃か)三一「干(ほし)たる魚の切々(きれぎれ)なるにてなむ有ける」
※幼学読本(1887)〈西邨貞〉五「海豹若し首を出だせば、忽ち捕へて切れ切れに裂き」
② 言葉が途切れそうになって続くこと。また、そのさま。
※置炬燵(1890)〈斎藤緑雨〉上「男きれぎれに受答へ、我(わが)吸殻に咽(むせ)べば」

さい‐さい【切切】

〘名〙 (形動) =さいさい(再再)
※山科家礼記‐応仁二年(1468)三月一八日「今度之事者依左様之子細、切々不催促之処」

せつ‐せつ【切切】

〘形動ナリ・タリ〙
① 思いや情が強く心に迫るさま。心がこもっているさま。
※発心集(1216頃か)二「『只きと立ち入り給へ』と切々(セツセツ)に云ひければ」
※青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春「一言一句肺腑から突出る如く切々として聞く者を打つ」 〔江淹‐傷愛子賦〕
② 親切で丁寧なさま。ねんごろなさま。
※捷解新語(1676)一〇「かさねておうせきかさるべく候。せつせつの御ぢゃうちゃうだいいたし候」 〔論語‐子路〕
③ 音や声の調子がものさびしく心に迫るさま。
※和漢朗詠(1018頃)上「切々たり暗窓の下 々たり深草の中〈白居易〉」
※大観本謡曲・岩船(1466頃)「松吹く風はせつせつとして、ささめごとかくやらん」 〔白居易‐琵琶行〕
④ 物をみがく音のさま。
※浄瑠璃・国性爺後日合戦(1717)二「あら砥にかくる庖丁は、切々磋々たる金石の音」

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