アンニュイ(その他表記)〈フランス〉ennui

デジタル大辞泉 「アンニュイ」の意味・読み・例文・類語

アンニュイ(〈フランス〉ennui)

[名・形動]ものうい感じであること。また、そのさま。倦怠けんたい。「アンニュイな午後」
[類語]物憂いけだるいびんびんせつせつ痛切切実深刻ひしひしつくづくしみじみじいん心から哀切哀れ悲しい物悲しいうら悲しいせつないつらい痛ましい悲愴悲痛悲傷沈痛苦しい憂い耐えがたいしんどい苦痛やりきれないたまらないる瀬ない断腸の思い胸を痛める胸が痛む胸が塞がる胸が裂ける胸が張り裂ける胸がつかえる胸が潰れる胸がつまる気を重苦しい滅入る気遣わしい塞ぐ塞ぎ込む消沈しょげるしょげ返る沈む憂鬱憂愁沈鬱メランコリー気鬱気塞ぎ鬱鬱陰鬱暗鬱鬱屈鬱結鬱気うっき鬱悶うつもん鬱積抑鬱憂さ鬱陶しい悶悶もんもん

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精選版 日本国語大辞典 「アンニュイ」の意味・読み・例文・類語

アンニュイ

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] ennui ) 意欲を失い、もの憂(う)精神状態。一九世紀末のヨーロッパ風靡(ふうび)したデカダンス文学の底流をなす。倦怠(けんたい)倦怠感退屈無聊(ぶりょう)
    1. [初出の実例]「仕舞(しまひ)にアンニュイを感じ出した」(出典:それから(1909)〈夏目漱石〉八)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンニュイ」の意味・わかりやすい解説

アンニュイ
ennui(仏)

倦怠 (けんたい) 感。退屈。世紀末的風潮から生まれた一種の病的な気分。文学的には,生活への興味を喪失したことからくる精神的倦怠感をいう。自意識の過剰,生の空虚の自覚,あるいは常識に対する反抗的気分などが含まれる。フランス近代の小説・詩,C.-P.ボードレール,P.ベルレーヌ,A.ランボーなどの作品にその典型を見いだす。日本では佐藤春夫の『田園の憂鬱』 (1917~19年) にこの気分が流れている。

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