普及版 字通 「玄」の読み・字形・画数・意味
玄
常用漢字 5画
[字訓] くろ・ふかい・しずか
[説文解字]
[金文]
[字形] 象形
糸たばを拗(ね)じた形。黒く染めた糸をいう。〔説文〕四下に「幽なり」とし、「にして赤色るを玄と爲す。幽に象り、入は之れをふなり」と(ゆう)と入に従う字とするが、入とする部分は糸たばの上部を結んだ形。上を結んだ糸たばを染汁にひたして黒く染める。その結んだ部分は色に染まずに残るので、素という。〔周礼、考工記、鍾氏〕に染色の法をしるし、三入を(くん)、五入を(しゆう)、七入を緇(し)という。玄は緇に近く、その色相は幽深であるので、幽玄といい、幽遠の意に用いる。
[訓義]
1. くろ、あかぐろ。
2. ふかい色、ふかい。
3. しずか、かすか、奥深い。
4. 深くかくれたもの、ふしぎ、玄妙、道、道の究極。
5. 五行に配して北、北方。
6. ・眩と通じ、かがやく、くらむ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕玄 クロシ・ハルカニ・ハルカナリ・アキラカニ/玄牝 ハナクケ 〔立〕玄 ムカシ・ハルカナリ・クロシ・カクル・ハルカ・キハム・タユミス 〔字鏡集〕玄 トホシ・ハルカニ・ハルカナリ・アキラカニ・クロシ
[部首]
〔説文〕に(けん)、〔玉〕に・の二字を属する。は玄を並べた形で黒の意。は妙の初文。
[声系]
〔説文〕に牽・眩・など六字を収める。牽は牛鼻に縄を通して牽く形で、会意の字。玄声に従う字ではない。
[語系]
玄・眩・・()・恂hyuenは同声。耀(げんよう)の意で通ずる。牽khienは玄と同声ではない。
[熟語]
玄衣▶・玄▶・玄乙▶・玄陰▶・玄▶・玄運▶・玄雲▶・玄英▶・玄鉞▶・玄淵▶・玄▶・玄猿▶・玄遠▶・玄化▶・玄華▶・玄鶴▶・玄学▶・玄鑑▶・玄間▶・玄感▶・玄関▶・玄気▶・玄暉▶・玄▶・玄機▶・玄穹▶・玄虚▶・玄駒▶・玄▶・玄訓▶・玄圭▶・玄珪▶・玄闕▶・玄月▶・玄玄▶・玄元▶・玄幻▶・玄言▶・玄▶・玄▶・玄古▶・玄悟▶・玄語▶・玄功▶・玄香▶・玄綱▶・玄黄▶・玄笏▶・玄根▶・玄混▶・玄袞▶・玄妻▶・玄朔▶・玄▶・玄旨▶・玄芝▶・玄滋▶・玄識▶・玄室▶・玄寂▶・玄酒▶・玄勝▶・玄霄▶・玄▶・玄象▶・玄壌▶・玄色▶・玄真▶・玄針▶・玄人▶・玄聖▶・玄静▶・玄靖▶・玄精▶・玄素▶・玄孫▶・玄尊▶・玄宅▶・玄沢▶・玄達▶・玄端▶・玄澹▶・玄談▶・玄壇▶・玄致▶・玄酎▶・玄鳥▶・玄通▶・玄的▶・玄▶・玄度▶・玄冬▶・玄同▶・玄道▶・玄徳▶・玄▶・玄漠▶・玄髪▶・玄微▶・玄牝▶・玄武▶・玄風▶・玄圃▶・玄▶・玄謀▶・玄妙▶・玄冥▶・玄黙▶・玄▶・玄門▶・玄夜▶・玄▶・玄耀▶・玄覧▶・玄理▶・玄慮▶・玄林▶・玄霊▶・玄▶・玄廬▶・玄論▶
[下接語]
淵玄・九玄・鉤玄・深玄・清玄・太玄・談玄・妙玄・幽玄
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報