笑止(読み)ショウシ

デジタル大辞泉 「笑止」の意味・読み・例文・類語

しょう‐し〔セウ‐〕【笑止】

[名・形動]《「勝事」からか》
1 ばかばかしいこと。おかしいこと。また、そのさま。「笑止の至り」「笑止の沙汰」「笑止なことを言う」
2 気の毒に思うこと。また、そのさま。
「老の歩みの見る目―に」〈露伴・五重塔〉
3 困っていること。また、そのさま。
「あら―や、この御文の様も、頼み少なう見えて候」〈謡・熊野〉
4 恥ずかしく思うこと。また、そのさま。
「ほんにまあわしとした事が、始めての付け合ひになめたらしい、おお―」〈浄・嫩軍記〉
[類語]おかしい・おもしろい・滑稽こっけい・傑作・剽軽ひょうきん・喜劇的・ユーモラス・コミカル・ばかばかしい・馬鹿らしい・馬鹿臭い・詰まらない・馬鹿・愚か・愚かしい・阿呆あほらしい・阿呆あほう臭い・下らない・馬鹿げる・愚劣・無思慮ぶしりょ・無考え・浅はか・浅薄せんぱく・軽はずみ・軽率・笑い事・笑止千万・片腹痛い・噴飯物・噴飯・笑い・大笑い・高笑い・哄笑こうしょう・爆笑・呵呵かか大笑・抱腹絶倒・笑い崩れる・笑い転こける・笑い転げる・吹き出す・腹の皮を捩よじる・腹の皮を縒よる・腹を抱える・御中おなかを抱える・頤おとがいを解く・愚にも付かぬ・へそで茶を沸かす・へそ茶・聞いてあきれる・ちゃんちゃらおかしい ・遊戯的・娯楽・遊び心・遊び半分・遊び事・お遊び・たわい無い・気楽・慰み事・エンターテインメント・戯れ・極楽蜻蛉とんぼ・子供騙だまし・浅浅・浅浅しい・浅はか・軽薄・浮薄・単純・軽佻けいちょう・疎い・浅慮・短慮・無知・不勉強・不案内・認識不足・暗い・ちんぷんかん・ちんぷんかんぷん・物知らず・世間知らず

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「笑止」の意味・読み・例文・類語

しょう‐しセウ‥【笑止】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① =しょうじ(勝事)②
    1. [初出の実例]「今度の御座に笑止数多(あまた)あり。先法皇の御験者、次に后御産の時御殿の棟より甑(こしき)を転かす事あり」(出典:高野本平家(13C前)三)
    2. 「勝事 シャウシ 笑止」(出典:易林本節用集(1597))
  3. ② ( 形動 ) 困ったこと。困惑するような出来事。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「あら笑止や、にはかに日暮れ大雨降りて」(出典:謡曲・蟻通(1430頃))
  4. ③ ( 形動 ) 気の毒に感じられること。同情すべきこと。いたましいこと。また、そのような対象のさま。
    1. [初出の実例]「わが恋は、水にもえたつほたるほたる、ものいはでせうしのほたる」(出典:歌謡・閑吟集(1518))
    2. 「はれそれは御太儀なと、笑止(セウシ)な顔はすれど」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)大坂)
  5. ④ ( 形動 ) ばかばかしくて、笑うべきこと。かたはらいたいこと。おかしなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「注者の其処の文字を解するばかりなば、此様な事がせうしぞ」(出典:史記抄(1477)九)
    2. 「はじめのうちは笑止なほど、畏こまって膝頭を揃えていたが」(出典:湯葉(1960)〈芝木好子〉)
  6. ⑤ ( 形動 ) 恥ずかしく思うこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「始ての付合になめたらしい、ヲヲ笑止と、袖震ふさへ廓めかし」(出典:浄瑠璃・一谷嫩軍記(1751)四)

笑止の補助注記

①の挙例の「高野本平家‐三」の箇所は、龍谷大学本では「今度の御産に勝事あまたあり」となっており、「勝事」と表記されている。「勝」と「笑」とは本来「ショウ」「セウ」として別音であるが、平安時代末にはその発音上の区別は失われていたと考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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