近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)(読み)ちかまつもんざえもん

知恵蔵の解説

近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)

日本のシェークスピアになぞらえられる江戸前期の浄瑠璃歌舞伎狂言作者。1653〜1724年。時代浄瑠璃を約70編、世話浄瑠璃24編、歌舞伎狂言約40編を書いたと推定される。本名は杉森信盛。武士を捨て人形浄瑠璃芝居宇治加賀掾のもとで修業した。31歳の時、古浄瑠璃と決別して新浄瑠璃「世継曽我」を書き、翌年に義太夫竹本座旗揚げに改訂上演された。歌舞伎でもほぼ10年間、坂田藤十郎のために「傾城仏の原」「傾城壬生大念仏」などを書いて上方歌舞伎の基礎を作った。後に人形浄瑠璃に戻り、1703年の初の世話浄瑠璃「曾根崎心中」が大ヒット、竹本座の専属作者になった。「国性爺合戦」で雄大なスケールを見せ、「関八州繋馬」が絶筆となり72歳で没した。代表的な芸術論に虚実皮膜論がある。「芸というものは実と虚との皮膜の間にあるもの也。虚にして虚にあらず実にして実にあらずこの間にが有るもの也」(『難波土産』)。

(山本健一 演劇評論家 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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