デジタル大辞泉
「遠」の意味・読み・例文・類語
おち〔をち〕【▽遠/彼=方】
1 遠い所。遠方。
「川より―にいと広くおもしろくてあるに」〈源・椎本〉
2 現在から隔たった時。
㋐以前。昔。
「昨日より―をば知らずももとせの春の始めは今日にぞありける」〈拾遺・雑賀〉
㋑以後。将来。
「このころは恋ひつつもあらむ玉くしげ明けて―よりすべなかるべし」〈万・三七二六〉
[補説]元来、遠く隔たった向こうの意。代名詞的に、「かなた」「あちら」の意にも用いる。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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おちをち【遠・彼方】
- 〘 代名詞詞 〙 他称。
- ① 遠く隔たっている場所を指す(遠称)。また、ある範囲にはいらない場所をもいう。
- [初出の実例]「白雲の八重に重なるをちにても思はん人に心へだつな〈紀貫之〉」(出典:古今和歌集(905‐914)離別・三八〇)
- ② 遠く隔たっている時を指す(遠称)。
- [初出の実例]「このころは恋ひつつもあらむ玉匣(たまくしげ)明けて乎知(ヲチ)よりすべなかるべし」(出典:万葉集(8C後)一五・三七二六)
- 「昨日よりをちをばしらず百年(ももとせ)の春の始めは今日にぞ有りける〈紀貫之〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)雑賀・一一五九)
遠の語誌
( 1 )上代においては、方向を表わす代名詞は、指示代名詞に「ち」を付けて、「こち」「そち」等の言い方をするが、遠称にはこのような言い方がなく、「をち」「かなた」がこれを代用している。
( 2 )②の意は、「万葉集」では未来を表わしているが、中古では過去を表わしていると見られる。
とおくとほく【遠】
- 〘 名詞 〙 ( 形容詞「とおい」の連用形から ) とおいところ。遠方。
- [初出の実例]「おさないものの事なれば、よもとをくへはおちまいぞ」(出典:説経節・さんせう太夫(与七郎正本)(1640頃)中)
とおとほ【遠】
- 〘 造語要素 〙 ( 形容詞「とおい」の語幹相当部分 ) へただりの程度がはなはだしいこと、とおいこと。また、離れたところを示す。直接名詞、動詞、形容詞に接するほか、連体助詞「つ」「の」を伴った連体用法もある。「遠かがり火」「遠干潟」など。
おとをと【遠】
- 〘 造語要素 〙 「おち(遠)」の変化したもの。「おととし(一昨年)」「おとつはたで」など。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「遠」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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